差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年3月20日日曜日 23:47
宛先: 銭湯ML
件名: 亀の湯(横浜市鶴見区豊岡町)

ナカムラです。

今日(3/15)は、「亀の湯(横浜市鶴見区豊岡町)」に行ってきました。
鶴見駅(JR京浜東北線)から、0.3キロ、3分程度です。

鶴見は、曹洞宗大本山の総持寺の方に上がるとお屋敷町だけど、駅周辺は猥雑としている。短い道すがら、パチンコ店、なぜか多い中華屋、特殊な公衆浴場なんかもあったりする。駅前の再開発ビルが建つ前は、もっと猥雑なパワーがあふれていたんだろう・・・。

同湯は、新しい町名の由来となった豊岡通りに面している。入口はコミカ風呂風にタイル張りのフロント部が増築されているけど、屋根は黒瓦で、奥に油井型の煙突、木造の浴室棟が見える。女将に建築年を聞いたけど、「古い」しか回答がなかった。30年代前半風ではある。

入口を入ると、下足箱の錠は松竹。その上に、材木店から贈られた、同湯の屋号を彫り込んだ木彫りの扁額が架かっている。彫刻の出来としては拙いものだけど、材木店が自ら作成したものだとしたら、味があるかも知れない。

自動ドアを通ると、幅1間、奥行6間の完全フロント形式。年配の女将に400円払う。石膏ボードの白い天井板もかなり煤けている。蛍光灯もやや暗く、雑然としているというのが第一印象。

蛍光灯を裏に仕組んだ、大きな森の中の渓谷の写真があるけど、蛍光灯は点いていない。女将の趣味か造花が多い。奥のスチールラックには、ガラスケースにはいった動物の剥製なんかが飾ってある。それに、トイレットペーパー、古新聞。孫が使ったと思しき古い遊具がいくつか。これで遊んだ孫はもう中学生くらいか・・・。

脱衣所は3間四方。かつては折り上格天井だったのかも知れない。高さは十分ながら、昭和後期の材で蓋をされている。そこに、昭和後期的な、電球での照明器が下げられている。壁も、味も素っ気もないクロス張りで、これも煤けている。ロッカーは、入口方と外壁側に茶色のもの。無意味なダンボールが上に乗っかっていたりする。ロッカーの錠は松竹のロータリー錠。その他、乾燥機を載せた洗濯機、旧屋号がガムテープで隠された、どこかの廃業銭湯のお下がり(?)のKeihokuのアナログ体重計。

浴室は、幅2間半、奥行3間の中型銭湯。天井は2段型。躯体は古そうだけど、それなりにペンキが塗られて、維持されている。

島カランは1列で、カラン数はセンターから、6・6・6・6。カランは日の丸扇の刻印のある取っ手がモスグリーンのもの。すべてにシャワーが付いている。カランの湯温は温く、最後まで適温にならなかった。

浴室のタイルはブルーで統一されている。男女境はブルーのツバキ(?)の絵柄。外壁側はやはりブルーの水玉がはじける図。しかし、清掃がイマイチで残念な感じがする。

浴槽は3つ。外壁側には、囲いが付いた「カプセル風呂」。蛙が入った格子から湯が注がれる。また、バイブラバスの湯気が充満していて気持ちがいい。小生、このタイプの風呂は結構好のみ。

真中が、楕円形の風呂で、ジェット。センター側が深槽で洗いバイブラバス。

脱衣所側に無料のスチームサウナがある。5人くらいは入れる。手桶と湯槽があって、座るところを流せるようになっている。
いくつもスチームサウナに入ったけど、この方式は初めて。なかなか好ましい。従って、この匂いは苦手だけど、入っていても快適な感じがする。

ビジュアルはなく、奥壁は茶色の、コミカ風呂的なデコボコの装飾タイルが張られている。

22:00から22:40の滞在。23:30からは仕舞いに入るとの張り紙があったけど、今は23:00に閉店のよう。
経営者が高齢化してくると、営業時間が徐々に短くなってくるようだ。相客は延べ10人くらい。数はともかく、年齢層が30歳代前半と若い人が多いことが印象的だった。

小生が通っている理髪店の老店主は、青森三沢から上京し鶴見で修行した人。当時、店を仕舞ってこの亀の湯に通っていた。その頃同湯は深夜まで営業していたという。




鶴見区豊岡町(とよおかちょう) [昭和54年7月23日設置、住居表示]

町名の由来
 昭和54年の住居表示施行に伴い、鶴見町他一部から新設された町です。

古くは鶴見村の一部で昭和2年の横浜市編入に際して鶴見町となりました。商店街の名称などとして地元に定着している字名を町名に採りました。字名に由来する「豊岡通り」が通っています。

鶴見駅前の18町として栄えており、ショッピングセンター「フーガ」、その中に鶴見公会堂があります。

(出所)「横浜の町名」(横浜市市民局)より