差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2014年5月17日土曜日 0:30
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: 菊乃湯(豊橋市新川町)

ナカムラです。

今日(5/4)は、「菊乃湯(豊橋市新川町)」に行ってきました。 豊橋駅(東海道本線)から、1.0キロ、10分くらいです。

豊橋は、2005年に微かな望みを持って前年の秋に休業に入ったみその湯や、旧東田遊廓小池の遊廓を訪れて以来。当時、東田には洋風の千代の湯や東湯が営業していたが、いずれも廃業してしま ったようだ。

連休なので、街の何カ所もで大道芸が行われ、意外にも町に人が出ていた。

知らなかったけど豊橋はカレーうどんが有名で、店をめぐるスタンプラリーも4周年になるようだ。 どこの飲食店でも食べられるようだけど、交通整理の年輩警備員からの情報で、明治42年創業の「玉川」という店に入る。

野菜の天ぷらや鶉卵が乗ったカレーうどんはかなり美味しかった。豊橋流なのか丼の底にとろろ御 飯が敷いてあるのが面白く、記憶に残る味だった。

地図も持たない思い付きの街歩き。豊橋丸栄デパートが転じた「穂の国百貨店」、闇市発祥の商店を 収容した、牟呂用水の上に列車のように縦に建ち並ぶ「水上ビル」、豊橋市公会堂(昭和6年/中村 與資平設計)、豊橋ハリストス正教会(重要文化財)、豊橋公園の守衛所(旧軍歩兵連隊時代のもの) などを見て歩く。

そして、「甘党トキワ」という幕末創業で五代目の爺が主人の昭和な甘味屋で一服。ソフトクリーム が150円という安さ。40年以上価格を据え置いてきたというから恐れ入る(消費増税で一部価格改 定)。針金で出来たソフトクリームスタンドなんて何十年振りに見ただろう。

店に入る客は少数だけど、店先で結構な勢いで子供達がソフトクリームやかき氷を買って行く。価 格だけでなく、かき氷のレモンが既成品のシロップではなく果実を絞った自家製のシロップだった ことに、80歳近い競馬好きの赤ら顔の大将の誠実さを感じて、嬉しくなった。

その後、菊乃湯、石巻湯、人参湯と回る。洋風の千代の湯は大将が他界され昨春廃業。みその湯の 建物はまだ残っているのだろうか。

豊橋の銭湯のうちで最もレトロと思われる菊乃湯では、図らずも定休日の日曜日なのに、内部に招 かれじっくりと撮影させて頂く機会に恵まれた。

脱衣所は、先代が東京浜松町のパチンコ屋稼業から昭和30年に地元に戻り、創業した当時のままの 姿が残っている。建物全体としても、簡素ながら2段型の高屋根が大きく手前にも張り出している 特徴的な形をしている。

内部には、肉厚大判金属の板鍵という下足箱の錠、木製ロッカー裏側の張り紙、大村崑のオロナミ ンCの広告など興味深いものが多かった。

改めて営業日に再訪させて頂く旨を申し出ると、一人で切り盛りしている女将は、何か期するもの があるのか少し口ごもる感じに変わった。詳しくは尋ねず胸中を察するのみ。

撮影させていただいた上にお茶まで御馳走になった。何としても改めて訪ねたい一軒となった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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菊乃湯(豊橋市新川町) 2014.05.04.
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