差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年5月1日土曜日 6:26
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 君の湯(文京区大塚)

ナカムラです。

今日(4/23)は、「君の湯(文京区大塚)」に行ってきました。 新大塚駅(東京メトロ丸ノ内線)から、0.3キロ、3分くらいです。

雨の中、旧大塚坂下町と呼ばれていた同湯まで坂を下っていく。どういう経緯があるのか、東 京で数少ない浴場組合に所属していない銭湯だ。

黒瓦平入りの脱衣所棟にやはり黒瓦のエントランス部が付く、昭和37年築の典型的な伝統的木 造銭湯だ。ただ、旧前庭部分だったと思しき両サイドは、コインランドリーが煌々としている。

屋号を白で染め抜いた紺地のオリジナル暖簾を潜れば、松竹錠の下足箱があるエントランスス ペース。銭湯料金が420円と記されている。ギルドの掟である450円よりもいくぶん財布に優 しい価格に据え置かれている。

自動ドアを通れば、脱衣所のスペースを3分割に再編し、中央に男女共用のロビースペースを 置いた構造。中央にテレビを置きそれを囲むようにソファが配置されている。

同湯の全てに言える特徴は「明るさ」だと思う。コインランドリー、ロビー、脱衣所、そして 浴室とも明るい光に満ちている。電球色や間接照明もいいけど、昼光色の蛍光灯でビシっと明 るいのも悪くないかなと感じる。

脱衣所は、1間ほどをロビースペースに割かれているので、幅2間半、奥行3間ほど。天井は伝 統的な折上げ格天井。天板は白く、格子は光沢のない茶系統のペンキで丁寧にメンテナンスさ れている。

そこに、華奢なシリンダ錠のロッカー、畳を張った万能台、Asanoのアナログ体重計、昔の小 学校にあったようなオール木製の重たい椅子などがある。

浴室は、幅3間半、奥行4間ほど。天井はウィング部が2段ある、都合3段型のような構造。 脱衣所を含め端っこの半間が増築のように感じる。増築を施すくらいなので、かつては島カラ ンも2列だったんだろう。現在は1列で、カラン数はセンターから6・5・5・6。白く明るい浴 室は、間が抜けたくらいに余裕たっぷりの空間が広がる。

余計なものは一切ない浴室。明るいだけでなく、その清潔さに心揺さ振られる。隅々まで掃除 が行き届いた清々しい空間だ。かなりポイントが高い銭湯と言っていい。

そんな、明るくて、広々として、清潔な空間の奥に中島さんの富士山のペンキ絵がある。舟が 走る湖の向こうに雄大な富士山。海ではななく湖だからか、静かな印象を受ける絵だ。高さは 2間弱、幅は奥壁の3間半だけでなく、1間ほど外壁側に回り込んでいる。高さ幅ともに、かな り大きな絵だ。そして、男女境には海の風景をを中心としたモザイクタイル絵もある。

肝心の浴槽もなかなかだ。薬湯は天然のハーブ。実母散湯もそうだけど、生薬系の薬湯は心の 安息に効く。タフな週の終わりには本当に有り難い。広い主浴槽はパイプで仕切られ、4点座 ジェット×2とバイブラになっている。井戸水を重油で沸かした湯は42.5度くらい。清澄で肌 にしっとりするいいお湯だ。

上がりは、都電の向原駅から王子駅に出て、野菜のおでんやに行こうかと考えていたけど、面 倒になって大塚駅近くの「小閣楼」に入った。

昨夏、君の湯裏に家賃7万/月で築50年超の昭和レトロな一軒家が貸し出されていた。内部に かなり手が入っていたので借りることはなかったけど、都心から便利、玄関脇に井戸があった りとかなり惹かれる物件だった。花街や白木屋百貨店もあった歴史ある繁華街というのも良か った。

物件探索の後に何気なく入ったのがこの店だった。厨房にいる爺さんの料理人はその風貌から 格好まで本場中国人風。味もかなりの店だった。担々麺などが美味しい。再訪してもその評価 は変わらない。後で小生が中華屋の最高峰と考えている千駄木「毛家麺店」の母店と知ってか なり驚いた。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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