差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2011年7月17日日曜日 22:53
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 喜楽湯（川口市川口）

ナカムラです。

今日（7/10）は、「喜楽湯（川口市川口）」に行ってきました。 西川口駅（京浜東北線）から、1.1キロ、12分くらいです。

朝から高輪台での用事をこなし、暑いなか表参道、大宮、浦和と移動。西川口駅に降りた時にはや やヘロヘロ。水分を切らしてはいけないと何度も水を補給するので、胃もどことなく重い。。。

まだ、陽が高い17:00過ぎ。多少、凌ぎやすくなってきたけど、まだまだ暑い。同湯までは線路際 の道を1.2キロほど歩いて行く必要がある。

川口の「仲一商店街」というところにある。古くからの通りのようだ。しかし、市議会でも「全滅」 という表現がなされるほど、数ある川口の商店街の中でかなり衰退が進んでいるようだ。衰退とい うより、商店街はどこ？という感じだ。

後方に油井型の煙突を擁する黒瓦平入りの脱衣所棟。それにやや変則的、やや小振りのタイル張り のエントランス＆休憩室の出っ張りがある。昭和20年代後半の建物という。枯れた風情がある。

前面の数台の駐車スペースと奥を隔てる”塀”は錆びたトタンの波板。外観はかなりシャビー。し かし、日曜日の夕方。客の出入りは引きも切らない。

狭いエントランスは少し雑然としている。下足箱の錠はSakuraG錠。自動ドアを入れば三畳間ほど のロビースペースに、椅子、テーブル、テレビ、ビールが入った冷蔵庫など最小限のもの。そして、 番台のあっただろう位置に小さなカウンターがあって、気のいい大将が入浴券にせっせとスタンプ を押している。

同湯には乾式サウナがあるので追加料金を聞くが、”開放”していますということだった。川口の銭 湯料金は410円。これで、源泉水風呂付きのサウナを堪能できるようだ。

脱衣所に入れば、まだ陽があるので電気が付いていない。休日、自然光のもとで風呂に入るのはい い。最近は目隠しで外の風景は見えない銭湯が大半だけど、浴室の高窓の向こうに見える青空に雲 が流れる様子や、だんだんと夕暮れていくのを眺めるのは楽しいものだ。

広さ3間四方の脱衣所。天井はせり上がり部が淡い黄緑色に塗られた簡素な折上げ格天井。建てら れた年代のせいか、格子や鏡板などどことなくチープな感じがする。サウナ室が食い込んで少し狭 く、壁はクロス張り。少々、潤いに欠ける。

島ロッカーは無く、ロッカーは入口方壁と外壁の一部にある。籐編みの丸籠も現役で使われている。 浴室への扉が手作りの半自動ドアだった。扉から麻紐が延びていて、男女境に取り付けられた滑車 を介して、水が満たされたペットボトルが下げられている。客が開けた扉を重力で閉じる仕組み。 初めての遭遇だ。。。

浴室は幅3間、奥行4間。天井は木板張りの2段型で、最近ペンキを塗ったのか仄かにペンキの匂 いが漂っている。

島ロッカーは1列で、カラン数はセンターから6・6・6・4。床は星形模様のもの。カラン周りは基 本的に白の大判のタイルが使われている。陽光に照らされた浴室は清潔に維持され、カランも半数 くらい埋まり、活気がある。

ビジュアルは特になく、白にパステルカラーで横のラインが数本あって、ブルーでヨットとカモメ がデザイン的に描かれている。男女境のタイルにはヨットハーバーがエッチングのような感じで描 かれている。

浴槽は奥壁に接して3浴槽。センター側から7点座ジェット×2で42度くらい、主浴槽で荒く大き な泡が立ち上るバイブラで42.5度くらい。日曜日のみ、水風呂以外の浴槽で実母散湯が供される。 今日はその日曜日。実母散の香りは精神の安息に効く。。。そして一番外側には自然水”源泉掛け流 し”の水風呂で、20度台半ばといったところか。

少し、混雑している。見事な彫り物を背負った眼光鋭い現役系の筋の若者と、水風呂を譲り合いな がら脱衣所側にあるサウナと水風呂を何往復かする。時に感じることだけど、その筋の方は、病的 に顔色が悪い人が多い。極度に緊張を強いられる環境が内蔵に影響を及ぼしているのだろう。同じ 宮仕えの身として、少し身に詰まされる。。。

日曜日の夕方、ロビーのテレビが「笑点」の音楽を流し始めた。休日が終わってしまうことを儚む 時間帯に1時間ほど滞在。相客は20人は超えていたと思う。

特段のビジュアルというものはなく、やや潤いに欠ける。しかし、銭湯としての基本性能は高い。

無骨なトタン塀の内側、庭とは呼べない感じの所にドクダミが群生していた。何となく、強烈に川 口らしさを放つ銭湯だった。

帰路、川口駅の近くにあった「寶月堂」という古い和菓子店で、レトロなガラスケースにあったカ ステラを頂いた。聞けば昭和2年の創業という。全滅に近い商店街の数少ない生き残り。そして老 舗だった。。。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
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