差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2008年7月27日日曜日 11:37
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 喜楽湯(荒川区荒川)

ナカムラです。

今日(7/26)は、「喜楽湯(荒川区荒川)」に行ってきました。 三河島駅(JR常磐本線)から、0.3キロ、3分くらいです。

今日は、途中のレトロ銭湯の「玉の湯(荒川区東日暮里)」を見ながら、日暮里駅から1.2キロ 程の道のりをたどりました。

佐渡島へ行ったり、今週も暑い中で週日にも銭湯&飲みをやっていたので、少しバテで夏風邪 を引いてしまったようだ。朝起きると喉が痛いし、頭がフラフラする。しかし、整形外科で身 体のメンテナンスをして、昼過ぎに横浜での雑用をこなし、4時前には日暮里駅に降り立つ。

7月最終の土曜日は隅田川の花火大会。浴衣を着た若い女性が結構歩いている。中年以上の女 性で浴衣姿というのを見ないけど、それは何故なのだろう・・・。

日暮里図書館に近い「玉の湯」はダブル破風。アプローチに敷石を使っている。いい感じにレ トロさが残っていて、強く惹かれた。ペンキ絵もあるようだ。しかし、今日は体調がいまいち なので、緊張感を強いられそうなレトロ銭湯でななく、ゆったりできそうな喜楽湯に向かう。

同湯は、荒川仲通り商店街というクルマが容易には通れないような細い商店街の中にある。自 転車の通行が多く、それなりに機能している現役の商店街だ。同湯はこの地で大正時代から営 業している。現在の建物は昭和32年築。千鳥破風の脱衣所棟を持つ喜楽湯は、永らく荒川仲 通り商店街のランドマークになってきたはずだ。

昔は、破風屋根のエントランス部分があったんだろうけど、現在は白タイル張りの直方体のフ ロントスペースの増築建物に置き換わっている。階段を2段ほど上がる入口には暖簾はない。アクリル扉に松竹板鍵の下足箱に靴を放り込んで、自動ドアを通る。

風呂銭450円にサウナ代200円でバスタオルを貸してくれる。今日は外出があったとのこ とで、少しお洒落している女将さんは、お孫さん?とフロントのテレビ番組に興じている。

商店街からの視界をさえぎるかたちで本格的なステンドグラスがあったり、女将のお兄様の手に なる佃島の風景を描いた油絵の大作がある。絵は、素人の域を超えた描きこみがなされた渋いタッチものだ。

冷房が効いている脱衣所は、幅3間、奥行3間半ほど。オリジナルは幅2間半だけど、庭を潰 しサウナ室増設とともに脱衣所を拡幅している。天井は折上げ格天井。部材にはモスグリーン のペンキが塗られているので良くは分からないけどさほどの材料ではない感じがする。ただ、 折り上げ部を支えるために、寺社の軒支えのような部材を使う構造が凝っている。

TNITAのデジタル体重計の他、新型のマッサージ機2台が置かれ、サウナ途中の休憩か、 爺が寝ている。風邪引かんのかなぁ・・・。

浴室は、幅2間半、奥行4間半ほどの少し小じんまりしたもの。天井は2段型。足を踏み入れ た途端に、いい銭湯だと分かる。

タイルは、10センチ角厚手の濃いグレー、淡いグレー、白の足ざわりのいいもの。カラン周 りも御影石様のタイルが使われ、全体的にシックな感じでまとめられている。外壁側の窓は全 面がガラスで浴室全体に明るさが満ちている。大きな水銀灯設備があるので、夜も明るいのだ ろう。

島カランは1つ。奥壁には丸山師の本栖湖18.12.17。1年は経過していないけど、やや黴が目 立っている。それに、男女境側の浴槽がカプセル囲いで細かな霧が落ちてくる岩風呂風のミス トサウナ浴槽になっているため、男女境の中央にある大きな富士山が窮屈そうだ。

浴槽は、男女境から、ミストサウナ、主浴槽にバイブラ、6点座ジェット×1、ショルダーマ ッサージ。湯温はそれぞれ42度くらいとお疲れモードの今日の小生にも心地いい温度。さら に、L字型に曲がって外壁側にサウナ用の水風呂がある。20度強の井戸水が心地いい。気に はならない程度に臭いがある。開発が進んだ地域の浅井戸。それは仕方ないだろう。

上がりにビールを探すが冷蔵庫には入っていない。テレビの横に小さな家庭用冷蔵庫があるの で、女将にビールが有るか尋ねる。「小さいのしかないですよ」と、やはり、くだんの小さな冷 蔵庫からスパードライとキリンラガーを出してくれた。

「小さい缶」を想像していたけど、手渡されたのはレギュラーサイズ350mlのキリンラガー 250円。南千住に続く商店街。三河島一帯は、気取らず、あまりお上品な街ではない。レギュ ラーサイズが「小さい」となると、やはりビールは大瓶(663ml)サイズがレギュラーな土地柄 なのかも知れない。

土曜日の17:00から17:45に滞在。ゆっくりサウナを楽しむ御仁を含め、相客は10数人と そこそこと繁盛している。いい銭湯だ。金曜日の夜に、再訪して、もっとサウナと水風呂の往 復を楽しみたい。荒川仲通り商店街にも地味な飲み屋がいくつもある。また、三河島界隈は韓 国人も多いのか、韓国系の店も集積していて価格も安い。銭湯&飲みにも多様な選択肢がある 面白い地域だ。

今日は、18:00から鳥鍋の名店、池之端「鳥栄」での集まりがある。上野の山を経由してタク シーで急行した。古い日本家屋の2階に3室ほど。空調設備はなく開けた窓には簾が下がり、 隅田川花火の音が遠くから響いてくる。隣も向かいもラブホという地域の中で奇跡の空間が残 る。

空調がないだけでなく、座卓に仕組んだ小さな囲炉裏に大ぶりの炭火が置かれる。案内のドレ スコード欄には「冷房無しの灼熱に耐えられる服装」とあるので、半数が女性だけど早々にラ ンニングシャツと団扇という姿で鍋に臨む。

鶏肉の水炊き。鶏肉、つくね、豆腐、ネギを、大根おろしにお好みで山椒をかけて頂く。素材 がいいからだろう、鍋の鳥スープを何杯も頂いたし、最後は鶏雑炊ならぬ、鳥スープによる茶 漬け風。一同、店側が他の客のご飯を心配するほどにお代わりを頂いてしまった。

隅田川花火大会に人が流れたのか、そぞろ歩く帰路の不忍池畔は空いている。上野夏祭り骨董 市が開かれ、テントの下には裸電球に照らされた品々が並ぶ。夕暮れての池のほとりの骨董市。 郷愁を誘う、いい風景だった。そして、かき氷なんて何年振りだっただろうか。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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玉の湯


玉の湯の通り


三河島


三河島


池之端・鳥栄





不忍池・骨董市