差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2014年2月26日水曜日 9:15
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 清春湯(中野区弥生町)

ナカムラです。

今日(1/10)は、「清春湯(中野区弥生町)」に行ってきました。 中野新橋駅(東京メトロ丸ノ内線)から、0.5キロ、5分くらいです。

東京メトロ丸の内線は中野坂上から方南町駅までの支線が出ている。その支線の中野新橋駅という 地味な駅が最寄り駅。未だ散策したことがないけど、花街があった所でもある。

商店街の名残が微かに残る通りの端っこの角地にある。蔵を構えた質屋が残るなど、かつては栄え ていた風情が感じられる。同湯はそんな一角、古いコンクリ塀が残る角地にある。コンクリ煙突が 確認できなかったので、ガス焚きに変わっているようだ。

中野区には26軒の銭湯があるけど、今年、元旦から営業していたのは同湯とマジックで有名な昭和浴場の2軒だけ。9月に内外ともに大幅に改装され、塀と建物の躯体以外はピカピカの真新しい姿となっている。

当地は戦災を受けた地域のようだ。昭和22年の航空写真では道路の跡を残し原っぱが広がり、銭湯 の建物は確認出来ない。昭和38年の航空写真では伝統的木造銭湯の建物が確認出来る。現在の建物はその建物なのだろうか。

元々は脱衣所およびエントランスと千鳥破風が重なる銭湯だったようだ。今は前栽を潰し、ロビー スペースとコインランドリーを含む箱型の増築建物に置き替わっている。改装で取り付けたのだろ う。”銭湯マーク”の大きな行灯とともに、唐破風をイメージさせるオブジェが載っている。新柄だ ろうか、初めて見るデザインの暖簾が掛かっている。

2段ほどの階段を上るとアクリル扉の下足箱。錠は、おしどりとアルミ板鍵の混成。脱衣所のロッ カーが100円リターン式のものに替わっているので、更衣ロッカーからの流用なのだろうか。

サウナはタオルが付かずプラス300円。この前の高砂湯がバスタオル付でプラス400円。新宿区の 隣の区だけあって、サウナが少々お高い。

脱衣所は、オリジナルは3間四方。しかし、フロントとサウナ室が食い込んでいるのであまり広く はない。天井は格天井が壁とともに真っ白に塗られ、大きな照明灯が埋め込まれているなど大々的 に改装されている。ただ、塗られているので良くは分からないものの、太さなどから見て、格子の 材料はさほどの物ではないのかも知れない。

ロッカーは3カ所ほどに100円リターン式の物が分散して置かれている。すると、リュクの中の携 帯が振動している。急ぎ取り出すと女湯の相方からだった。100円玉を持っているかの確認の電話 だった。

小生は相方と行動する時は小銭入れすら持っていないことが多いけど、たまたま持っていた。スー パー銭湯ではよく見るけど、確かに一般の銭湯では余り見かけない。100円は鍵の持ち帰りを防止 するデポジットの意味合い。銭湯側の都合と言われればそうかも知れない。

男女境の上には、改装時に置いたのか商売繁盛の飾りと、代々受け継がれた煤けて剥げた福助と招 き猫の置物が並べられている。未だシャビーなアパートが多く残るという土地柄もあるけど、福助 と招き猫の霊験が、これほどまでの再投資を可能にしたのだろう。

浴室の広さは、幅3間、奥行4間ほど。2段型の天井には1点の曇りもない真新しいプラ板が張ら れている。

島カランは1列で、カラン数はセンターから6・5・5・3。全てが低い位置にコックがあるハンドシ ャワー付。椅子は屈まなくていい高さのあるものが使われている。タイルは、床がベージュの足触 りのいい中判。ただ、カラン周りは素っ気ないプレーンな肌色の物が使われているなど、壁を含め てタイル類は殺風景でやや落ち着かない。

浴槽は、奥壁に沿って1穴スーパージェット、3点座ジェット、バイブラ、電気。お湯は42度くら いの円やかで寛げる感じのもの。さらに外壁側に回り込むように20度強の水風呂がある。水風呂の 水とカランのお湯は、鼻にかざすと本当に微かにドブ臭さを含むものだった。

露天風呂は狭いながらも黒いスレート張りのシックなもの。この冬一番の寒さが心地良い。サウナ は、テレビ付の横長のもの。7、8人は入れそうな大きさがある。

ビジュアルは、奥壁にちぎり絵調のモザイクタイル絵。男女に跨った富士山と白鳥3羽が湖を泳ぐ 図。改装に伴って磨き直したのは勿論だけど、ひょっとしたら目地もやり直したのかも知れない。

金曜日の20:05から21:05に滞在。相客は7、8人といった所。外で見ていたら客の出入りが多かっ た割には空いている時間帯だったのかも知れない。内部はピカピカで快適だったけど何か物足りな い銭湯だった。周りにいい銭湯が多いということもあるけど、内装のタイルが淡泊で、それ故に殺 風景に感じるからだと思う。

上がりの一杯は、近くの貴乃花部屋の相撲取りとすれ違って青梅街道沿いの焼き鳥屋へ。さほど便のいい場所ではないのに、会社の新年会客を含めほぼ満席。十条界隈と比べ店員も客も若いという のがこの辺りの特徴か。繁盛店だけあって、そこそこ納得度のいい店だった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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