差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年3月6日土曜日 10:34
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 清の湯(荒川区荒川)

ナカムラです。

今日(3/5)は、「清の湯(荒川区荒川)」に行ってきました。 町屋駅(東京メトロ/京成本線/都電荒川線)から、0.3キロ、3分くらいです。

町屋駅は鉄道が3路線も通っているけど、便利なのかそうでないのか地味な地域だ。そして、 銭湯の密集地域でもある。さる情報筋から、故早川師の「裏磐梯」を描いたいいペンキ絵があ るということで気になっていた。

町屋駅からも近い、京成線の高架から少し入った場所にある。同湯の前庭だったと思しき、入 口のサイドは居酒屋「ぽんた」と家庭料理「今宵」という飲み屋。向かいは同湯の屋号と似て いる「清鮨」というちょっと良さ気な寿司屋がある。廃業店舗も含め、数軒の飲食店が集積し ている。

同湯は油井型の煙突を持つ古い感じの銭湯だ。入口はガラスブロックを積んだモルタル造とな っているので、後から部分改築されたものだろうか。

エントランスに入れば両サイドに松竹錠の下足箱を置いていてそこそこ広い。サッシの戸を開 ければ高さのない番台があって、スリ硝子の囲いや暖簾で、脱衣所より奥に向かっての視界を 遮っている。「フロント式」の銭湯と表明しているようだ。

脱衣所の広さは3間四方程度。天井はアールが90度の円弧を描いている古い感じの折上格天井。 築60年くらいと言うが、15センチ角もある四方の柱や梁、木製桟の高窓のレトロな意匠など を見ていると、恐らく戦前期の建物だろうという印象を受ける。

そして、一番驚くのは内装が鉄平石を張った石張りということ。しかし、過剰装飾ではなく、 濃い焦げ茶色や臙脂色の調度とマッチした落ち着いた空間に仕上がっている。

ロッカーは男女境と外壁側。真中にテーブルがあるシンプルな空間。その他、無料のドライヤ ーや寺岡式のがっしりとしたアナログ体重計、天井には番台上と脱衣所に大小の天井扇がある だけだ。

浴室は、幅3間、奥行4間。天井は2段型で、剥がれて落下しないか気になるような大きな剥 がれがあったりする。

島カランは1列で、カラン数はセンターから5・5・5・5。カラン回りは大理石紋様の肌色タイ ル、床は星形紋様のタイルで更新されている。椅子は最近は珍しくなった緑椅子で、湯桶は「清 の湯」と焼き印が押された木桶が清潔にメンテナンスされている。東京の銭湯にしてはカラン の湯が火傷するほどに熱い。

荒川区の銭湯の多くは井戸を沸かしているという。感触からすれば同湯も井戸水の感じだ。浴 槽はシンプルな深浅2槽で、浅槽は2穴ジェット×2の白湯、深槽は白濁系無臭の薬湯になっ ている。同じ町屋の「竹の湯」の「別府カルシウム」に似ている。温度は42度くらいか。入り やすい温度だ。

さて、目的のペンキ絵。故・早川師の故郷、福島県の「裏磐梯」。平成十五年十月四日とあるペ ンキ絵は、多少、補修されているものの珍しい絵柄だ。檜原湖辺りから磐梯山を望むバランス が取れた絵で、優美かつどっしりとしている。やや退色が進んでいるので古さは感じるものの 力作だと思う。

上がりは冷蔵庫が見あたらないので「牛乳か何かありますか」と問えば、無いとのこと。しか し、女湯には牛乳以外の若干の飲み物があったらしい。尋ね方が悪かったようだ。

寒くはない金曜日、20:10から21:00に滞在。銭湯マップに「いつでも楽々入浴できます」 通り、相客は7、8人ほど。ひっそりとした感じの落ち着いたいい銭湯だった。

牛乳にはありつけなかったものの気を取り直して町屋に飲みに出る。しかし、広島風お好み焼 きの「ひな」は満席で入れず、近くのインド料理屋でムンバイセットなるカレーのセットを頂 いた。美味しさは可もなく不可もなくといったところ。かなり大きなグラスで出されたジント ニックを頂いたけど、多少の疲れもあって、思いの外効いたかな。。。







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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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