差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年3月7日土曜日 8:20
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 寿湯(台東区東上野)

ナカムラです。

今日(3/6)は、「寿湯(台東区東上野)」に行ってきました。 稲荷町駅(東京メトロ)から、0.2キロ、2分くらいです。

町屋の千代の湯を考えていたけど、夕方までは前線通過による強い雨が降っていたので、日和 って駅から近い設備系の伝統的木造銭湯に進路を変更。。。

会社を出た20:00頃には、既に雨は上がっていたのかも知れない。地下鉄を乗り継いで稲 荷町駅に着いた時は星が出ていた。同湯の隣の旧同潤会上野下アパートの写真を撮ってから寿 湯へ。

しかし、「上野下」っていうアパートの名称も古めかしい。既に取り壊されたけど旧同潤会には 「猿江裏町」というスラムに建てられたアパートもあった。今では「裏町」なんて地名にはお 目にかかることは無くなったけど、昔の地図にはそんな地名が多く残っていた。

そう言えば、旧青線だった新宿ゴールデン街一帯も以前は「内藤新宿北裏町」という場末感漂 う地名で、まさに場末にだけ咲くことだけが許される陰性の花の街だった。差別的な土地の記 憶は当然だけど抹殺されて来た。「上野下」も物理的だけでない響きを感じるのは、どうなんだろうか。

さて寿湯。何年振りかな。50円のタオルセットには大・小タオルにアカスリタオルまで付い ている。サウナも200円と新宿区の銭湯が見習ってほしいくらいにリーズナブル。ボ ディーソープもシャンプーも備え付け。かなり「最強」といっていいクラスの銭湯だと思う。

さらに、カウンターの女性スタッフがすこぶる美人ときている。だからかは判らないけど、金 曜日の21:00。男湯の相客は10数人。若い客はもちろんのこと、中学生の悪ガキ風情も 友人と連れ立って遊びに来ている。刺青鮮やかなお兄さんも多い土地柄。ランナー誘致も図っ ている。客層は多彩だ。

清潔に整備された銭湯。田中みずき嬢もアシストした中島師のペンキ絵もある。絵柄も海が描 かれていない山上からの富士山で少しばかりレア。

同湯には立派なコンクリ煙突があるけど、ガス焚きに変わったため、今度、解体するという。

石油が高かったので、思い切ってガスに転換を図ったのだろう。客も入っているので設備投資 余力があって、さらに「銭湯」というものを続けていくという意思があるなかなか頼もしい店 だ。少なくとも、直ぐに廃業ということはないだろう。

上がりは、友人と待ち合わせて御徒町の「佐原屋本店」へ。2回ほど振られているので、やっ と入ることができた。昭和22年創業。アメ横で、まだ由来のアメが売られていた時代だ。

佐原屋は、22:30ラストオーダーで23:00閉店。入りしなに「時間厳守」とクギを刺 されての45分間1本勝負。燗酒とともにポテトサラダ、煮こごり、煮込み、サンマの丸干し、 湯豆腐、辛子高菜・・・、などを頂く。要領を得ない客が来るので土日の営業はやめにしたと いう。長居無用の小さくてやや座りにくくしてある木製の丸椅子。まさに大衆居酒屋。意外に も横浜には少ないジャンルの店だ。

なお、「時間厳守」には細心の注意が必要だ。時間を少しでも過ぎれば、下町の姉御風からキッ チリと「終わりだよ!」キツい突っ込みが入る。隣席の客がその洗礼を受けていた。並の人間 ならば、ビビる迫力だった。行かれる方は「時間厳守」が必須だ。

《前回訪問:2008.04.04》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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