差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年1月22日日曜日 3:49
宛先: 銭湯ML
件名: 紅梅湯(広島県因島市)

ナカムラです。

今日(12/26)は、「紅梅湯(広島県因島市)」に行ってきました。

尾道水道に面したホテルからの夜明けの風景はなかなかいいものだった。
朝食後に旧遊廓跡を散歩。知らなかったので尾道の遊廓探索の予定は無かったけど、オリジナル度は低いものの、結構大きな建物が現在も使われている。
その後、ロープウェーで千光寺の展望台に登り、周防口から因島へのバスに乗る。

尾道水道対岸の向島を経由して、因島へ45分くらい。尾道の人は「イントー」と呼んでいる。

同湯は、同島の中心地、土生港の市街地の商店街が尽きて、街が飲み屋街に移る辺りにある。
向かいの洋品店も化石化して、現代のお店とは思えないもの。隣は廃屋住戸が多い長屋・・・。近くの医院跡と思しき建物もなかなかにいい雰囲気を出している。

煙突は、他の因島の銭湯と同様に煉瓦積み。他のものより細身で長い感じがする。
小さいながらも破風屋根があり、渋い茶色の暖簾が架っている。町屋風で、外からだと、2階は居住スペースに見えるけど、脱衣所の上に2階はなく、脱衣所の採光窓になっている。

戸を開けると、コンクリのタタキに番台が立っている。広島市銭湯は12月8日から値上がりしているので女将に370円を渡す。番台と反対側に下足棚のみで、錠が付いたロッカーはない。
互い違いに木の棒が出ているだけという、古い傘立て(傘掛け?)を初めて見る。さすがに、築100年以上の明治期の建物だけはある。

脱衣所の広さは、幅2間弱、奥行は3間。天井は2間くらいと高い。平格天井になっている。
床も見るからに古いもの。外壁側にあるロッカーも、扉の後ろに木製の鍵がある古いもの。物資不足で、金属製の錠が造れなかった時代の物のようだ。

浴室は、幅2間弱と細いけど、奥行は4間ほど。天井は四角錘型で真中に湯気抜きの穴がある。湯気抜きの上部には窓があるけど、男湯から見渡せる女湯側の窓はなぜか蓋されている。さらに、メインの湯気抜きの他に、サブの湯気抜きがあるのも特徴的。

まだ陽があるので脱衣所側からの光があるけど、浴室に窓はないので、そのためやや暗い感じがする。

床は一面の豆タイル。昭和中期に改装されているようだ。
浴槽がある奥側が1段高くなっていて、ご常連は、浴槽から湯を掬って身体を洗っている。カランは両サイドにあるけど、男女境側のレトロなカランは壊れている。

浴槽は、男女境に接するかたちで、中央奥側にある。何の仕掛けのない浴槽ながら、循環設備が整っていて、綺麗な柔らかさを感じる湯だ。

相客は長崎の方だった。早めの里帰りかなと話しをしていたら、因島の造船所に出稼ぎに来ている方だった。因島の各銭湯に言えるけど、地元の人とともに造船所で働く人々に支えられてきたようだ。

同湯の定休日は、木曜日と日曜日。週5日しか湯を沸かしていない。設備の老朽化は今に始ったことではないだろうけど、女将もご高齢のようだし、いつまで湯を沸かせるのかな、そう感じさせる湯だった。




複数出ている木の棒は、傘架けだと思う。


番台。飲み物の販売もある。


男女境側のカランはレトロ(今は使われていない)


天井は低い。最奥部は1間ほどしかない。
上には、サブの小さな湯気抜きがある。


天井は平格天井。この手の地方銭湯にしては天井が高い。


古色蒼然としたロッカー。

四角い煉瓦積の煙突。


左の建物は恐らく旧医院の建物。
廃業はしているものの玄関周りは綺麗に整備されていた。


週2回の休業日。そんなに古そうな掲示ではない感じ。




土生のメインストリートの端っこの方に同湯はある。
入口左右が変っている。

《H18.1.28追加》
紅梅湯についてるびーさんより追加情報と画像の提供を頂きました。
同湯の両サイドは、何かのお店だとは思っていたのですが、食糧品店だったようです。


(H16.11撮影)