差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年6月24日土曜日 16:08
宛先: 銭湯ML
件名: 小山湯(横浜市中区石川町)

ナカムラです。

今日(6/23)は、「小山湯(横浜市中区石川町)」に行ってきました。
石川駅(根岸線)から、0.4キロ、5分くらいです。

同湯は駅から元町商店街とは反対方向に進んで行く。3年ほど前に、外観を見に訪れたことがあるけど、夜で、地図を持っていないせいもあり、少し遠回りをしてしまった。細いながら、駅からは一本道だった。

同湯は、元町とは反対方向だけど、「グレース元町」と名乗る1986年築のワンルームマンションの地階に入っている。表に大きく「小山湯」という行灯型の広告看板とともに、入り口脇には屋号を彫り抜いた扁額が掛かっている。

表通りと裏通り、双方から、階段を下りると靴脱ぎがある。下足箱の錠は松竹。男湯と女湯の間には、行灯方の照明が置かれ、コンクリートの空間ながら和みを出している。

暖簾を潜りながらサッシの戸を開けると、女将が男湯の方を向いて座っている。銭湯の女将にしては洗練された顔立ちだけど、愛想がないこと甚だしい。パートのおばさんなんだろうと、自分を納得させるしかない。上に立派な書が額装されている。くだんの女性に尋ねるも、無駄なことだった。

やや潤いに欠ける雰囲気の中で、風呂代400円と、50円で貸しバスタオルを借りる。

脱衣所は、幅3間、奥行2間半。天井高は、地下のビル銭湯につき、1間半とやや低い。いわゆる天井扇ではない、普通の扇風機が2台天井にある。

同湯の脱衣所は、いろんなものが置かれていて雑然としている。しかし、明るいし、活気がある。大げさに言えば、「ドンキ・ホーテ」のような脱衣所か。

府中は3300人、横浜は1500人。何の人数かというと、府中刑務所と横浜刑務所の収容人数らしい。両方でお務めしたらしい、全身総刺青のあんちゃんが話している。今は、工事現場の監督に信頼されていることを、先輩に自慢している。混んでいる脱衣所で、手がぶつかる。返ってくる、いい笑顔、詫びの言葉が自然だ。

ロッカーは、緑色基調。錠は「Osidori」の板鍵をシリンダ錠ごとく使うもの。一部更新されていて、松竹錠板鍵に置き換わっている。アナログの体重計はTANAKA。

その他、飲み物販売が充実している。ビール、発泡酒がそれぞれ複数銘柄あるし、氷結や、ワンカップ。ひとくちサイズの小さな小さな缶ビールまである。さらに、ビールサーバーで生ビールを販売したり、「ハワイ水」なるハワイの井戸水を50円で販売している。ビンのコーラやセブン・アップ。もちろん、自販機ながら牛乳販売がある。神奈川ブランドのタカナシ乳業だ。

浴室は、幅3間半、奥行3間。少し横に広い浴室。天井高は脱衣所と同じで1間半。外壁側上方には、斜め45度にの明り取りのサッシが一列に並んでいる。そして、脱衣所との境が前面のガラス張り。それが奥行きのない浴室の窮屈な視界を補っている。

同湯の浴室・・・。入ってすぐ、レトロな感覚を受ける。床が、3センチ角の古風な白タイルで、さらにカラン周りも洗い湯を流す溝を含めて、大きさは異なるものの白いタイルで統一されているからだろう。島カランは2列で、カラン数は、センターから7・5・5・5・5・0。カランは日の丸扇の刻印がある赤・青レバーの旧型。

外壁側には、壁にへばり付くように湿式サウナがある。プラスチックの椅子が3脚押し込まれた、マイ・ベストワンの小ささ。中にはカラン台や洗い湯を流す溝が残っている。スチーム器の隣の席は、蒸気が体にあたり、熱い。

浴槽は、幅広い奥壁側に、ワイドかつ奥行きも1間弱と大きなものがある。外壁側が青い「森林浴」と言う薬湯でバイブラバス。温度は41度くらい。隣が主浴槽で、1穴ジェットが間隔を開けて4機ある。温度は43度くらいと案外に高い設定だ。

白タイルの壁に一部、色違いのタイルが嵌められているだけで、ビジュアルはない。強いて言えば、浴槽上の照明器具が、円錐を逆さまにしたような白いガラス製のもので、どことなくレトロさを出している。もっとも、同湯の照明は白色の蛍光灯のみなので、暖かい感じはない。

個人的には電球色の照明が好きだけど、体を洗う「機能」を提供してきた銭湯としては、同湯のように蛍光灯の白い明かりが正統的なのかも知れない。

上がりは、アサヒのスーバードライのスタイニーボトル。300円。
脱衣所は22:30の先頭にしては客が多く、テレビを囲んで寛いでいる。これといったものはないけど、細部に特徴がある、居心地のいい銭湯だ。

金曜日の夜、21:35から22:35に滞在。相客は20人以上だったかも知れない。元町が近いせいもあって、金曜日、駅近くは酔客が多い。