差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年8月12日水曜日 23:08
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 久保の湯(北区上十条)

ナカムラです。

今日(7/31)は、「久保の湯(北区上十条)」に行ってきました。 十条駅(JR埼京線)から、0.2キロ、2分くらいです。

番台を裏返した感じのフロントのお嬢に聞けば、曾祖母の時代からの銭湯だという。現在の建 物は昭和30年代くらいか。いずれにしてもエントランス部と脱衣所妻部のダブル千鳥破風の 伝統的木造銭湯だ。

向かいには、居酒屋「茶の間」など緩い感じの飲み屋が入る長屋。隣は洋風下見板張りとして は大規模な木造の会社社屋がある。この付近だけ、昭和30年代が残っている。

脱衣所は3間四方。男女境には、かつては電灯が仕込まれていたガラスに描かれた広告看板が 残されている。その他、大黒柱の黒柱時計、keihokuのアナログ体重計、ガーと轟音を撒き散 らすAsahiの大型扇風機、籐張りの万能台。島ロッカーを囲んで、伝統銭湯には欠かせない役 者達が並んでいる。

庭には、コンクリ製の浅い庭池が健在で、石灯籠も有る。暑い夏の夜ながらクーラーななく、 扇風機と庭への開放とこれも伝統が引き継がれている。

浴室は、幅3間、奥行4間ほど。天井は2段型。今は珍しくなった断面が三角の鏡を乗せた島 カランは1列で、カラン数はセンターから5・6・6・6。

浴槽は奥壁に接するかたちでの深浅2槽。深槽は少しの泡が立ち昇るばかり。浅槽は真鍮のパ イプによる2穴×2機のジェットがあるばかり。湯温は42度弱。井戸水を沸かしているため 浴槽のタイルには白い析出物が目立つ。

今日、同湯を訪れたのは、かつてここを訪ねた方から、故早川氏でも中島師でもない少し拙い 感じのペンキ絵があるということを聞いたからだった。でも、奥壁の絵は少しの拙さもない中 島師のもの。絵柄は男女境に富士山。くすみやひび割れがそこそこ目立つ、時を経た感じのも のだった。

上がりは、昭和三年創業の「斉藤酒場」。屋号を染め抜いた紺地の暖簾を潜れば酒場の喧噪とと もに、レトロな光景だけが広がっている。濁り酒200円、レモンサワー300円を頂く。酒 なんか170円だった。隣の席の御仁が頼んだサンマの塩焼きがあまりに見事だったので、マ ネしたら、売り切れだった。また行かなければならない。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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