差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2003年12月15日月曜日 23:09
宛先: 銭湯ML
件名: [sento-freak:04661] 草津温泉(群馬県吾妻郡)

ナカムラです。

今日(12/13〜12/15)は、草津温泉に行ってきました。
思い返すと、寒い中で温泉に浸かるのが好きで、この時期に山のいで湯に行くことが多い気がする。
草津は、自噴量日本一で、温泉番付東の正横綱の大温泉。
山のいで湯という雰囲気には欠けるけど、標高1000メートル以上、さすがにキリっと冷えている。

草津は、10年以上前にツーリングの途中で寄って、1泊しているけど、どの宿に泊まったか思い出せない。
外湯は、確か、「千代の湯」と「地蔵の湯」の2つに入ったような・・・。

《高砂館》
さて、今回は、「一湯入魂温泉(郡司勇著)」という本の中で、「ひなびた雰囲気がかなーりいい。風情が四ツ星の温泉」と紹介されていた宿。

 テレビチャンピオンは見たことないので、著者については良く知らないけど、選ばれている温泉は魅力的なものが多かった。

地蔵源泉近くの「高砂館」。館主に聞くと、旅館業は昭和30年代に始めたけど、建物は大正時代のもの。もとはパン屋だったとのこと。
木造3階建て、ハタゴ風の階段の手摺には彫刻が施されていたり、客室の天井はかなり立派な格天井だったり、なかなかの雰囲気。
但し、一泊7500円につき、簡単に言えば「ボロ銭」的な趣き。

でも、湯は良かった。(質素だけど、食事も満足な内容だった。)
「ボロ銭」につき他の客はおらず、2泊で朝・昼・晩と計5回入ったけど、湯殿にはいつも小生ひとり。
湯船は銭湯とは異なり、掘り込まれて、大谷石風の軟石で組まれている。床も同じ材。
壁には岩が配され、岩風呂風になっている。

泉質は白濁しているほどではないけど、硫黄分が多く、湯畑源泉よりも酸性が弱く落ち着いた感じ。しかし、浴感は十分という湯。
湯船へのパイプが2本あって、それに差し込まれている木の栓を外せば54度の地蔵源泉が流れ込む。それによって温度が調節できるようになっている。

内湯だけどかなり外気が流れ込む構造で、胡坐をかいて床に座っていると、直ぐに身体が冷えてくる。外は氷点下。
なので、出たり入ったりを繰り返す。これが、冬の温泉の醍醐味・・・。

これ以外に、3連の小浴槽がある。それぞれが、大きな内湯と同じく源泉を自在に流し込める構造。
他の客はいないので、いろんな湯温が楽しめる。

《草津はシーズンオフ》
「熱の湯」の湯もみのパフォーマンスは11月で終了。
西の河原の超大型露天風呂、大滝の湯はともに設備のメンテナンスで2週間ほどの休業期間中だった。
年末年始を前に、草津は最も客が少ない時期なのかも知れない。

《外湯》
草津には18箇所の共同浴場があり、すべて無料で入ることができる。さすが、温泉番付東の正横綱。
いくつかを除けば、3人くらい入れる浴槽と、脱衣所には籠が置いてあるだけというものが多い模様。
今回は、源泉が異なる5つの外湯に入ってきました。

〔煮川の湯(煮川源泉)〕
 3人入れば一杯になる湯。しかし、そんな小さな浴槽にドドーっと源泉が音を立てて流れ込む豪快な感じ。
 硫黄分は多いけど新鮮な湯につき白濁していない。落ち着いた感じのお湯だった。
 但し、温度は44度を少し上回るくらいで、熱めの湯。顔をゆがめて入っている人がいた。
 
〔凪の湯(西の河原源泉)〕
 地図片手だけど、今回入った中では一番判りにくい場所にあった湯。
 通りから路地を入り、浴舎の地下に湯船がある。
 今回入れなかった、西の河原の大露天風呂と同じ源泉。一番硫黄が少ない湯だった。

 たまたまだと思うけど、強烈に熱かった。(とても入れなかった)
 本来は源泉の投入を止めて、かき混ぜ棒で湯もみしなければならないとのこと。
 (他には無かったと思う)ここには水道の蛇口があったので、加水したけど、これは禁じ手らしい。

〔関の湯(湯畑源泉)〕
 ほんの少し硫黄の濁りがあって、酸性も強い感じがした。
 湯船は台形で3人ではキツいという、入った中では最も小さな湯。
 みやげ物屋が多い通りにあるけど、あまり観光客が入っている感じではなかった。

〔白旗の湯(白旗源泉)〕
 湯畑に面しており、最も観光客の多い湯。
 6人ほど入れる浴槽と3人ほど入れる浴槽の2つがある。
 大きい方は、硫黄で乳白色に濁っていて湯温は41度くらい。
 もう一方は、透明で湯温は44度くらい。
 これくらいの温度になると、熱くて入れないのか、手を入れて止める人が多かった。

〔地蔵の湯(地蔵源泉)〕
 浴舎は大きいけど、「時間湯」を行うスペースにつき、一般の人が入れるスペースはやはり4人ほどで一杯になる。
 ほんの少し硫黄の濁りがあるけど、酸性がやや弱く落ち着いた湯。
 横に小さな湯畑と地蔵堂があり、独特の趣がある湯。

草津を堪能してきたけど、(イメージ先行だったためか)予想よりはこじんまりした印象だった。
老舗旅館でも、ビル旅館と、木造建築の面影を残している旅館とが混在している。
どことなく、旧いビルの大型旅館は空虚な感じがした。




煮川の湯


凪の湯


関の湯


地蔵の湯


千代の湯