差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年5月22日日曜日 15:16
宛先: 銭湯ML
件名: 協和湯(横須賀市久里浜)

ナカムラです。

今日(5/7)は、「協和湯(横須賀市久里浜)」に行ってきました。
最寄駅は、京急久里浜駅ですが、浦賀の街を散歩しバスで向かいました。

西浦賀商店街という鄙びた商店街の奥に「喜楽湯」という、つげ義春的な銭湯があったというので、その街を歩いてみたくなったから。
天保13年築の(西)叶神社の彫刻(幕末の名工、後藤利兵衛橘義光作)は見事だった。
横須賀で最初の公園という「浦賀園」入口の扁額の揮毫は榎本武揚。
奉行所や回船問屋が多かった由緒と懐かしい風景がそここにある。

廃業した旧喜楽湯が更地になったのは近年らしいけど、廃墟の奥、そして東福寺の山門前の山裾に佇む小銭湯だったようだ。
草の生えた更地を眺めていて、なんか悠久というか無常というか、そんな感覚にとらわれる。
鉄道趣味の分野では、廃線跡や木造駅舎に興味を持っているけど、銭湯も「跡」にまで興味が及んできた。ヤバい。

浦賀湾の対岸の東浦賀との渡し船(渡し船だけど「市道」)のある紺屋町から久里浜方面へのバスに乗る。
10分ほど。京急久里浜駅の1つくらい手前のバス停で降りると同湯はすぐ近く。

築30年くらいと、新しくはないけど、趣きまではないかなという横須賀サイズの小銭湯。
銀色の油井型の煙突。
入口は切妻で、ほとんど出っ張りがない。簡素な造り。

暖簾をくぐると、正面には4枚構成の小さなタイル絵。
男女とも28個ずつしか下足箱がない。

番台は、大きな衝立があり、コックピットのようになっている。
若い女性客も多いのかな。近年付けられたもののようだ。
主人は、そんな番台にも入らないのか、男湯に主人用のスツールが置いてある。

脱衣所は、2間四方。天井の高さは1間半ほど。
天井はクロス張り。床はグレーのビニールと趣きには欠ける・・・。

ロッカーは外壁側にSakuraV錠のもの。
その他、Yamtoのアナログ体重計、冷蔵庫があるくらい。

浴室は、幅2間、奥行3間。
天井はウィング幅1.2間程の2段型。天井高は小銭湯なので2間半くらいと高くはない。

島カランは鏡すらないプレーンなものが1列。手前が円柱形になっていて水のみ場になっている。横須賀で以前見たことがあるなぁ。
カラン数はセンターから7・5・5・6。日の丸扇の刻印がある取っ手が茶色のもの。

浴槽は深浅2槽。
浅槽は2穴ジェットと側面に緑色の赤外線ランプ。42.5度くらい。
深槽は2穴ジェット。43.5度くらい。

深浅2槽の真中にカランがあるけど、その台座が1センチ角の青い小タイルが張られた丸みのあるもの。
浴槽のタイルは全て改修されているけど、これだけがオリジナルかな。そんな感じのものだった。
そして、釜場への階段が高いのは横須賀的。

ビジュアルは新世美術の富士山のペンキ絵。先週「滝乃湯(鎌倉市)」でお目にかかってはいるものの、それ以外では久し振りの遭遇。
男女境には城・湖・山々の既成のモザイクタイル絵。

上がりは、スーパードライ。
常連が丸テーブルで小宴会中。これが楽しみなんだろうな。
外様は、座る場所もなく、庭もない小さな縁側でのどを鳴らしていた。

土曜日の17:25〜18:10滞在。相客は10人以上。
それなりに活気のある銭湯だった。






片側28個しかない。


極度に視界を抑えた番台。