差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2010年1月17日日曜日 7:59
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 又六湯(荒川区南千住)

ナカムラです。

今日(1/8)は、「又六湯(荒川区南千住)」に行ってきました。 三ノ輪駅(東京メトロ日比谷線)から、0.7キロ、8分くらいです。

3日に、「石鹸渡し」があるという与野本町・鈴の湯に入り損ね、遅れ馳せながらの初湯。好き な居酒屋の「奥様公認の店/森島屋」で、湯上がり後の一杯をイメージし、三ノ輪に向かった。

都電の三ノ輪橋駅から、千住間道に抜ける辺り、南千住の濃い街の風景に驚きながら向かう。 さすが、かの「大一湯」があった南千住。奥深い・・・。

さて、又六湯。昭和26、27年築の伝統的木造銭湯。後方には、解体思案中の、役目を終え た銀色のコンクリ煙突が見える。隣はマンション用地として更地になっている。

隣湯の第三桜湯もそうだったけど、通りに対して斜めに建っている。紀州・黒江など、古い家 並みにもそういったケースがある。当地においても何か意味はあるのだろうか。

接面道路との間、その三角のスペースに、敷石として見事な御影石が使われ、銭湯としての風 格を高めている。千鳥破風2段重ねの面構え。向かい側の「ハトヤ」という裏ぶれきった菓子 店。廃業なのか崩れかけた「エリカ」という美容院など、湯前町の脇役にも凄みがある。

暖簾を潜ればシンプルながら広いエントランス。カナリア錠の下足箱の銭湯は、いい銭湯が多 いので期待感が高まっていく。

番台は木組のしっかりとしたもの。現在の感覚では高さも少しばかり低い感じがする。脱衣所 の広さは、幅3間四方で天井は折上げ格天井。さらに外壁側に6畳間ほどの張り出しがある。 レトロで大型の銭湯だ。

中央に、松竹錠でアルミ板鍵の島ロッカーがあるほか、張り出し部に総てが茶色のオール木製 ロッカーがある。錠は帆船が前に進む姿を刻んだもので初めて見るレアなものだった。脱衣籠 も2つほど現役。

その他、先代建物から引き継いだという総欅で釘を使っていない6角形のテーブル、旧型マッ サージ機、Yamatoのアナログ体重計、レトロな大型扇風機なんかがある。

浴室は、幅3間、奥行4間ほど。三角鏡の島カラン1つで立ちシャワーもない銭湯の原風景が がる。相客が1人もないなか、早川氏のペンキ絵(平成十五年六月二十二日/富士川)がある。

浴槽は深浅2槽のシンプルなもの。南千住界隈の銭湯は土地柄のせいもあるのか、清潔な銭湯 とそうでもない銭湯に2分される感じがする。同湯は、シンプルで清潔。なかなか好感度が高 い銭湯だ。

ビジュアルは、奥壁のペンキ絵の他に、男女境一面に富士山川の大絵巻き。大きいことが一番 の特徴だけど、見応えもあるいいモザイクタイル絵だ。

上がりは、しばし喉の乾きを我慢して「第三桜湯」隣の「森島屋」。去年、第三桜湯に来た時に 寄って気に入った昭和32年からやっている老舗の居酒屋。もう21:30を回っているので静かに なっているもののピークはこのカウンターと3テーブルだけの店の喧騒が凄い。昔は2階もあ って、5人で切り盛りしていたという。今はご夫妻だけでやっている。

ハイボールが美味しいのでそれから初め、次に「麗人」の小瓶をぬる燗で。肴は、豚チリ鍋、 串焼き数本、焼きうどんなどを頂く。勘定はひとり当たり漱石先生が2人とは要らない。あま り知られていないものの名居酒屋のひとつだと思う。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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荒川区役所前・森島屋