松美湯（横浜市南区堀ノ内町）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2007年1月23日火曜日 0:03
宛先: 銭湯ＭＬ (sento-freak@kt.rim.or.jp)
件名: 松美湯（横浜市南区堀ノ内町）

ナカムラです。

今日（1/21）は、「松美湯（横浜市南区堀ノ内町）」に行ってきました。
蒔田駅（横浜市営地下鉄）から、０．８キロ、１０分くらいです。

付近は、横浜の下町の雰囲気が濃いエリアだ。
同湯の前までは、かつて２度ほど来たけど、２回とも定休日で入れなかった。

後方には赤く塗られた、油井型でミリタリータイプの煙突。ファッサードは、伝統的木造銭湯に、タイル張りのフロントスペースを増築したパターンになっている。増築スペースの１／３くらいが、廃業した、｢斑鳩｣という喫茶店跡になっている。

入口の暖簾を潜ると、小さな靴脱ぎスペース。下足箱の錠はほとんどがＳＳＬＯＣＫ錠だけど、一部松竹の木札横差しがあったりする。

自動ドアを入ると、かなり広い独立フロントスペース。１／３くらいが旧喫茶店スペースだとすれば、建替え前はかなり大きな前庭があったんだろう。そんなスペースに、壷庭や何と囲炉裏が切ってある。さほど雰囲気がある造りではないけど、囲炉裏の炭火に鉄瓶というのはいい。何より、その匂いが精神の安息を促す感じだ。

同湯では、定休日の金曜日に陶芸教室が催されている。生徒の作品か、先生のの作品かは判らないけど、フロント横に沢山並べられ、販売している。｢お買いにならない方は触らないで下さい｣とある。いくらなのか、価格の表示はない。

愛想は足りないけど、チャーミングな女将に４３０円を払う。なにやら、端末でピコピコ熱中している。陶芸教室の先生なのかな･･･。

脱衣所は、幅３間、奥行２間半くらいか。外壁側にだけロッカーなので広々というか、やや殺風景な感じがある。天井も壁もクロスが煤けている。昭和５０年代前半に中普請するまでは寺社型だったというから、この脱衣所も、以前は立派な折上げ格天井だったんだろう。

今では、男女境も可動式の折り畳みの壁に変えられていて、昔日の面影を追うのは難しい。強いて言えば、１０個ほど積まれた脱衣籠だけが、古い時代から引き継がれたものだろう。

その他、ぶら下がり健康器、｢故障｣と張り紙があるマッサージ機、ヘルスメーターなどがある。

浴室は、幅３間、奥行５間と大型だ。天井はペンキの剥離が目立つものの大型の２段型だ。外壁に大きなガラス窓があるものの、すぐ外は、何故か板で目隠しされている。穴倉のような雰囲気は、陽が落ちたからだけではないだろう。

浴槽は、幅１間、奥行２間の小判型のセンター浴槽だ。横浜でセンター浴槽は珍しい。ブルーと濃紺の小石型タイルが張られた昭和中期の雰囲気が濃厚な造りだ。前後に水栓があるだけで、何の仕掛けもない。湯温は４４度強か。外気は、さほど寒くなかったけど、ジーンと脳に突き上げてくる熱さだ。

更に、奥壁外側に一辺が１間幅の扇形の幅浴槽がある。こちらも熱い。バイブラの湯だ。

カラン数は、男女境に１３、奥壁に４、外壁側に７。そして、センター浴槽の手前に小さな島カランが２列で３･３･３･３という構成。カランはＷａｇｕｒｉの取っ手が茶色のもの。

ビジュアルは、奥壁と男女境にモザイクタイル絵。絵柄は湖に風車、田園風景というよくあるパターンだけど、蒲田･福の湯と同じく、微妙な黴が、絵に陰影を与えている。苔むした寺社の石段は評価される。カビたタイル絵に価値はあるのか･･･。

やや暗いし、清掃も今いちの感の浴室。Ｂ級的な雰囲気が濃厚だ。しかし、相客は誰もおらず、ずっと小生のみ。日曜日の夕飯前はどこの銭湯でも客が居るというのが小生の認識だけど、同湯の浴室は、そんな時間でさえ、幽玄さが漂っている。一般人には理解できないだろうけど、Ｂ型、いやＢ級の小生、この雰囲気に満足。堪能していた。

女将によれば、｢大おじいちゃん｣は、子之神社の前と少し先で３軒の銭湯を経営していた。震災と戦災で、同湯のみが残ったとのことだった。

上がりは、スーパードライ３００円。囲炉裏に向いながら、ビールを飲むのはいい。炭が香り、隣では、セキセイインコがチュンチュンしている。

壁に、建て替えられる前の、草津湯の２階で、前高秀横浜市長と南区の銭湯経営者が一同に会した写真が掛けてある。タッチの差で、旧草津湯には入れなかった。同湯の２階には、後方には大きな松の絵が描かれ立派な舞台があったようだ。まさに能舞台。緞帳には｢草友会｣なる金糸での刺繍も見える。

三吉橋端の三吉演芸場に併設されていた、洋風銭湯の｢草津湯｣かと思い、女将に尋ねたら、井土ヶ谷の草湯湯だった。

夕飯は、道すがらの古民家で活魚料理を供する｢魚末｣に行ったが、｢今日は予約で･･･。｣と断られた。１８：３０なのに、まだ客が入っている気配はなかった。ひとり客なので断られたのかな･･･。

鎌倉街道に出て、｢長崎ちゃんぽん　雲仙第三横浜店｣なる派手な看板の店に入る。ちゃんぽん８００円。なんだが胡椒が効き過ぎた辛いちゃんぽんでいまいちだった。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
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