夏に葉山の神奈川県立美術館で行われた松本竣介展を見逃したので、世田谷美術館で今日から始まる展覧会を楽しみにしていた。

1月の寒さという雨が降る夕方。初日なので混んでいるかと思っていたけど、ガラガラ。雨降る夕方の美術館は思いの外いいものだった。

松本竣介は、同じスケッチから何枚もの絵を描いている。それを複数の美術館から借り受け、一同に展示するという力の入った展示だった。例えば、代表作の1つ「Y市の橋」など、東京国立近代美術館、岩手県立美術館、個人蔵、京都国立近代美術館、東京都現代美術館、神奈川県立近代美術館の計10枚もの絵が並んでいる。

多様な絵が並んでいたけど、街路、運河、工場、鉄橋などを描いた絵がやはり良かったかな。

本人にとって夭折は苦しいものだけど、啄木、中也など夭折の芸術家は、他とは違った輝きを秘める。意図せざるものだろうけど、それが無意識に評価に織り込まれているのではないだろうか。

美術館を出れば夜。砧公園の夜はかなり暗かった。サイクリングコースを迷いながら、当初の方向とは違う方向に出て、苦労して二子多摩川駅行のバス停に辿り着いた。

時間が遅くなったので、予定していた銭湯に行くことが出来なかった。













松本竣介展(世田谷美術館) 2012.11.23.