masayuki-nakamura
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2024/03/12 17:28

ナカムラです。

今日(3/3)は「松の湯(北区田端)」に行ってきました。

駒込駅(山手線等)から0.4キロ、5分くらいです。

同湯は駅と田端駅の中間くらいにある『田端銀座』という、寂れきって住宅地に変ろうとしている商店街にある。前に郵便ポストがある。ポストがある場所は商店のなかで人が集まる場所だった証だ。小生が育った小さな商店街も銭湯のすぐ近くに郵便ポストがあった。その商店街はほぼ消失したけどポストは今も残っている。寂しくなっているけど、田端銀座も同湯辺りを中心として賑わいを極めた時代があったのだろう。

同湯はそんな商店街の盟主だったことを想像させる、「繁栄ビル」と名付けられた4階建のビルの2階に入っている。商店街なので1階は店舗になっていて、商店街に必ずあった格安の衣料品店が入っている。しかし、この「ファッション市場サンキ田端店」は全国で100店舗以上も展開する企業だった。田端店が一番小さい店ということだ。東京では他に浅草に店舗がある。3階、4階は経営者の居宅と賃貸マンションになっている。1972年築の古いビルだけど、内部は純白のペンキ塗りでなかなか綺麗に整備されている。

さて、繁栄産業有限会社の松の湯。丁寧に滑り止めが張られた階段を昇ると、開口部の上に「浴場入口(201号室)」という大きなプレートが貼られている。上がり框には松竹錠の下足箱。自動ドアを入ればソファや冷蔵庫などが置かれた広くはないロビーになっている。元々はエントランスホールだったのかな。フロントには綺麗な方が詰めていて、軽やかに応対をされているのが印象に残った。

脱衣所はブース型のフロントと、ビルの階段室にスペースを取られて少々手狭に感じた。以前来た時は相客が疎らだったけど、日曜日の16:00頃、明るいうちに風呂に浸かりたい御仁で相客は10人弱とそこそこの入りだ。

荒川区や北区の銭湯は水(お湯)がいい。同湯は湯温が温めで、じっくりと寛いで入るには都合がいい。主浴槽は41度くらい。今日はラベンダー湯になっている薬湯槽はさらに温い温度だった。しかし、高温槽もある。42度はないけど。

奥壁は絵付けのタイル絵で欧州の山城が描かれている。男女境には錦帯橋と近代的な吊り橋の絵付けのタイル絵が並んでいる。主浴槽、ラベンダー湯槽を往復して最後に高温槽に入る。上がる際には数多くのノズルがついたボディシャワーを浴びる。使う相客がいなかったようで、なかなかお湯にならなかった。

あがりは、初めて見る250CCのドクターペッパー100円。そういえば、缶ジュースはいつからデフォルトが350CCになったんだろう。大昔は250CCだった。

日曜日の16:00から16:45に滞在。相客は10数人といったところ。表の写真入りの案内表示には「昭和レトロなビル銭湯」と書いてあったけど、まさにその典型という銭湯だ。

帰りは、隣にできた「村上コーヒー」で豆を買う。昨年の9月に開店したばかりの真新しい店だけど、地上げの影響で立ち退きを迫られ困っているという。開店半年、ようやく軌道に乗りそうなかでまた物件探しにリソースを割かなければならない。大変そうだった。

さらに歩いて、道端で焼き立ての食パンの粗熱を冷ましている「パンのかわむら」でスライスされた食パンを1斤買い求める。松の湯に入る前、全て予約制だからと訪れる客を断っていたからキャンセルが出たのかも知れない。それにしても、商店街の道端に置いたラックにパンを置いているのはなかなかインパクトがある光景だ。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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ぱんのかわむら



 

繁栄ビルの1階はサンキという千葉の衣料品店が入っている。

 



 

繁栄産業㈲の「繁栄ビル」201号室に松の湯が入っている。
 

田端銀座の近くの不忍通りには都電が通っていて、明神車庫があった。
駒込明神町の車庫の跡の公園に都電の車両が置かれている。
最後は都電荒川線を走っていた。