差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年7月22日土曜日 14:54
宛先: 銭湯ML
件名: 港湯(滋賀県大津市本堅田)

ナカムラです。

今日(7/15)は、「港湯(滋賀県大津市本堅田)」に行ってきました。
堅田駅(JR湖西線)から、1.6キロ、20分くらいです。

堅田は浮御堂で知られている。近江八景の一つ、「堅田落雁」で有名な堅田浮御堂だ。
ここを訪れようとするまで知らなかったけど、タイル絵に描かれた浮御堂をいくつか見ている。

正式には海門山満月寺という臨済宗大徳寺派の寺。琵琶湖に面した景勝地で、昔から多くの文人墨客が訪れてきた。
現在の浮御堂は昭和12年の再建。岸と堂とを25mほどの橋で繋いでいる。

浮御堂近く本福寺・伊豆神社・光徳寺辺りの町並みは、まるで迷路のようだ。そして、路地の角を曲がるたびに神社や寺がが現れる、なんともいえない風情がある。

さて、浮御堂とそんな寺町を経て、港湯にたどり着く。隣の母屋は建て替えられているけど、同湯は築80余年を経過している。しかし、平安時代から湖上交通、漁業の重要拠点だったことをすれば、同湯の歴史は取るに足らないのかも知れない。

間口1間半の板張りの建物。後方には油井型の煙突。
港町の風情に合っている。
入口正面には、大きくなった木が同湯のファッサードを遮っている。その木を避けて暖簾を潜り網戸を開けると、予想に反してフロントになっている。近年、入口付近を増築したようだ。

小さなフロントに収まる女将に、370円と、入浴前の水分補給のためさらに110円を渡す。
下足箱と小さな冷蔵庫、ベンチ、テレビだけがある幅の狭いフロントだ。

戸を開けると幅1間半、奥行3間の脱衣所。改装されているので、あまり古い感じはしない。
棚にプラスチックの脱衣籠と、その横に鍵はないものの木製のロッカーもある。

古いものといえば、男女境の柱と、木製の渋いベンチくらいか。アナログ体重計はカマチョーのものだ。

浴室は、幅1間半、奥行4間と細長い。天井は蒲鉾のように逆U字型になっていて、真中に1間四方の正方形の湯気抜きがある。

浴槽は入口と奥壁の間の中間、男女境にするかたちで、長方形の浴槽が2つ。間中の焚き出し口の湯口が、透明の硝子壜のように、芸術的に湯を放っている。昔、粉ジュースを溶かしたようなオレンジジュースの自動販売機の上に、硝子ケースが載っていて、オレンジジュースが溢れているのを思い出した。

更に、奥壁と外壁に接するかたちでバイブラバスがある。
同湯のお湯は薪焚きで柔らかい。煙突下の釜場では、ご主人がテレビの傍らで薪をくべていた。

カランは、男女境に3・3。外壁側に7。三角の赤・青のレバーが付いたもの。

ビジュアルは、奥壁の逆U字部分に琵琶湖大橋のモザイクタイル絵。入口上にはどこかの瀧の絵柄になっている。さしたるものではないけど、琵琶湖で、地元の絵というのに少し感慨がある。

上がりは、ラムネ100円。
テレビには、中田英寿引退の特別番組が映っている。

18:50〜19:50に滞在。相客は3人。
天候は不安定で、また雨が強く降ってきた。