差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年3月9日火曜日 23:10
宛先: 銭湯ML
件名: みなと湯(横浜市金沢区)

ナカムラです。

今日(3/7)は、「みなと湯(横浜市金沢区)」に行ってきました。

追浜駅(京浜急行)から6〜7分くらいです。
追浜駅は横須賀市だけど、国道16号線を横浜方向へ北上して市境を越え、横浜市に戻ります。

みなと湯は、前は国道16号、後ろは京急の線路という立地です。
16号から少し奥まったところにありますが、そのアプローチは、普通の銭湯よりも、庭石あり池ありと立派です。

そのアプローチを進むと、正面にみなと湯、そしてその右側には「みなと旅館」。
銭湯にしては珍しく旅館併設となっています。
まぁ、どっちが本筋かはわかりませんが・・・。

入口は立派です。むくり破風の黒瓦。屋号を染め抜いた紺のオリジナル暖簾。そしてその間口も広い。
さらに、むくり破風の上に大きく立派な千鳥破風の黒瓦。

派手さはないけど、横浜・横須賀方面で、これと比肩する千鳥破風の銭湯は見たことがない。
昭和31年創業。建物は旅館を含め宮大工の手によるものらしい。

暖簾をくぐるとエントランスの天井も格天井。
下足箱は、古い銭湯の証とも言える「富士錠」が整然と並んでいる。
数は男湯・女湯とも88番まで。中型の銭湯。

サッシの引き戸を開けると、番台を撤去した式のフロント。大正時代産の女将がこっちを向いている。
400円を払いながら、この建物いつ建てられたものか問うが、相当昔というだけで明確な回答はなかった。

脱衣所は幅2間半、奥行3間。天井は折上格天井(5×11)。
多少、真中が低く歪んできているが、天板は欅。磨き込まれている。
格子もいい材で組まれている。なかなか立派な天井である。
フロント式になるまでは、テレビドラマのロケに何度も登場したらしい。

下がっている照明器具もレトロである。6本の蛍光灯が放射状の並べられていて、下がすぼまって、上が開いている。
昔はそれぞれの蛍光灯に円柱形の硝子のカバーがあったようだが、今は失われている。
オリジナルは、かなりモダンなものだったと思われる。

男女境の上にも蛍光灯が配されているけど、すりガラスのカバーがかかっている。
なんか照明に特徴がある銭湯である。

縦置きに島ロッカーが1つ(28個)。それ以外にロッカーはない。島ロッカーのみというのは珍しい。
鍵に「SUN」とあったが、扉の錠にはそれらしい刻印はなかった。シリンダー式だけど扉にごつい錠がついているタイプ。
脱衣カゴが10個ほどフロントからの入口のところに積まれている。

外壁側には洗濯機4台と洗剤の自動販売機。たかが洗剤の自動販売機だけどなかなか大きいものだった。
それ以外には新型のマッサージ機、2人掛けのベンチが2つ。サントリーの飲料の自販機。
大黒柱に柱時計の跡は微かに残っていたけど、柱時計はなく、フロント上のつまり入口上に新しい丸時計が掛けられていた。

浴室は幅2間半、奥行3間。天井は2段型だけど、どう見ても普通の銭湯より天井が高い。
しかし、老朽化が進んでいるのか、島カランの両端から2本の角材がつっかえ棒として天井のウィング部に伸びている。
外壁側の脱衣所側に幅1間、奥行1尺ほどの窪みがあり立ちシャワーが設置されている。

島カランは1列。カランはセンターから6・5・5。4。すべてにシャワーが設置されている。
カランはWaguriの角型で取っ手はブルーとピンクの5角形。シャンプーとボディーソープが設置されている。

浴槽は深浅2槽。浅くて広い方は半分がバイブラバス&赤外線ランプ。
深い方が7点座ジェット2機。
温度は双方とも42度くらいと、やや温めだった。

ビジュアルものは、センターに洋館、湖、山のモザイクタイル絵。
ペンキ絵の部分には、やはりモザイクタイル絵。絵柄は荒波の岩礁に鷹がツメを立てて羽をいからしている図。勇壮な絵柄だけど迫力はイマイチ。
女湯の方はよく見えなかったけど、葡萄棚なのかな、そんな感じの絵柄だった。

浴室にレトロ感がないのは少し物足りないけど、道路からのアプローチ、立派な建物といい満足できる湯だった。
帰りは、駅の途中にある洋食&中華屋でラーメンをすする。
なかなかいい雰囲気を醸し出している店だった。