差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年7月25日日曜日 14:32
宛先: 銭湯ML
件名: みなと湯(藤沢市下土棚)

ナカムラです。

今日(7/24)は、「みなと湯(藤沢市下土棚)」に行ってきました。
長後駅(小田急江ノ島線)ホームから、はっきりと煙突が見えます。駅から0.1キロくらい。

長後の駅前に再開発前なのか、営業店が僅少のバラックのようなアーケードがあって、そこをウロウロしていると、高校山岳部時代の先輩に遭遇。
かつては越後の冬山で越年したり、近年は「湯賊の会」なるOB会で、山ならぬ温泉巡りをする間柄。
アフリカのダムを造ったり、羽田のトンネルを掘っていたり、いまは東京湾を掘っているらしい。
数人を連れて歩いていたので、あまり話しができなかったけど、遭った場所も妙だったし、奇遇である。

さて、みなと湯。
エントランス棟の前にはコンクリ四角錘の門柱。
その脇には、定番の松の木ではなく、大きな桜の木が葉を繁らせている。
「こども110番」の黄色い旗もヒラヒラ・・・。

エントランス棟、脱衣所棟とも簡素なモルタル造り。
正面にサクラ錠の傘入れ。下足箱は「SakuraG」錠。

脱衣場は、幅3間、奥行4間と広い。
天井は、屋根の形そのままで逆V字型。天板がなく、山小屋風の造りになっている。
番台は、新建材を張った全面がカーブしているもの。高さも高く、庇も大きい。

「SakuraV」錠の島ロッカーが、縦置きに2つで50個ほどのロッカーがある。
いくつかの扉に「鍵を持って帰った人は、差しておいて下さい」という貼り紙。
鍵が紛失したロッカーがちらほらある模様。

入口側の壁は、全面が常連桶ロッカーになっている。
さくら錠が付いているけど、扉がピンク系統の色でサクラかな、かなり目立つ模様が入っている。

外壁側は全面がアルミサッシで外光が入る。
残念ながら、若干の庭木があるだけで、いわゆる庭にはなっていない。

その他、冷蔵庫、ヘルスメーター、ベンチ、テーブルがある程度。
番台の上の小島時計支店(だったかな)のレトロな広告が眼を引いた。
そう、今日は暑い日につきクーラーが結構効いている。

浴室。
一見して、明るくレトロな雰囲気が残る浴室だなぁという印象。

広さは幅3間、奥行4間。
天井は2段型。
島カランは1つで、カラン数はセンターから8・5・5・6。センター以外にシャワーが付いている。
カランは日の丸扇の刻印がある旧型。磨き込まれているのがいい。

床のタイルは茶色のタイルを風車型に組んだもの。
この模様は時々見るけど、茶色とベージュの組み合わせはなかなかいい。

カラン周りのタイル、浴槽の壁面タイルともピンク色で、所々に紅葉のアクセントが入っている。
タイル類は古いというほどに古くはないけど、丁寧に維持されていて清潔感が高い。この銭湯すべてに通じるところ。

浴槽は、深浅2槽。
浅槽がジェットで、深槽は底から泡が立ち上っている。
特段の特徴はなかったけど、湯が少しやわらかかったかな。

ビジュアルは、奥壁は白ペンキで塗りつぶされている。昔はペンキ絵があったんだろう。
その下には章仙画のタイル絵(縦3枚×横18枚)。
急峻な渓谷を猿が手足をつなげて橋となって、その上をカエデを抱えた1匹の猿が渡っているという珍しい図。

男女境にもタイル絵(縦3枚×横6枚)が4幅。
奥壁側から「川に帆かけ舟」「金太郎と熊」「いかだの川流れ」「洋風の山水風景」という図。
奥の3枚が鈴榮堂の章仙の銘のあるもので、手前の1枚は後から入れ替えられたのか。
しかし、縁取りのタイルは古く同じタイルだった。

それと、タイル絵とともに、この浴室をレトロに感じさせているものに、釜場への戸がある。
ブルーのペンキで塗られた木戸の上に、木の桟のガラス窓があって、それがアーチ型になっている。
簡素ながらなかなかいい雰囲気を出している。

これといったものはないけど、清潔で、浴室はふんだんな外光で明るい。
なかなか快適な銭湯だった。