差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年8月22日日曜日 13:29
宛先: 銭湯ML
件名: 港湯(富山県魚津市諏訪町)

ナカムラです。

今日(8/19)は、「港湯(富山県魚津市諏訪町)」に行ってきました。
電鉄魚津駅(富山地方鉄道)から、15分くらい。魚津漁港のすぐ傍らにあります。
まさに港湯。

それにしても、電鉄魚津駅が凄い。
高架線につき3階に駅があるけど、この駅ビル、駅以外のすべてのテナントが撤退して階段以外はすべて閉鎖されている。
4階建ての小ぶりな駅ビル(電鉄魚津ステーションデパート)だけど、付近ではひときわ大きな建物。
その駅ビル自体が廃墟になっている稀有な事例。
昭和42年築らしいけど、周辺のシャッターを閉めた商店街とともに、クルマ社会に置き去られ哀れな姿となっている。

電話帳では魚津市の銭湯は15軒。
とりあえず、地元の地図でも買うかと本屋を探すが見当たらない。
人に尋ねても本屋は無くなってしまったと。
ローソンへ行くがやはり地図はない。
しかし、自店用に周辺地図のコピーがあり、1枚分けてもらった。

現在12時。魚津の銭湯は14時開店なので、それまで歩いて回れる銭湯を見てまわり、木造の銭湯に入ろうという計画。
富山地方鉄道に運転手として38年勤務したという人に、木造銭湯「下田温泉」と居酒屋「浜多鮮魚店」を勧められている。

散策の概要は以下の通り。

@「魚津温泉旅館(魚津市新角川町)」:
 料理旅館の隣に2階建てのビル銭を併設。昭和40年代風。

A「八ツ橋湯(魚津市新角川町)」:
 川を隔てて川城鉱泉と並んでいる。いかにも漁師町の風情。
 しかし双方とも2階建てのビル銭湯。昭和40年代風。
 魚津、特にこの周辺は自噴井戸がそこかしこにある。
 郡上八幡なども水で有名だけど、風情では負けるけど、魚津の方が自然水との密接度は上かも知れない。

B「川城鉱泉(上口町)」:
 2階建てのビル銭湯。昭和40年代風。

C「下田温泉(本町)」
 残念。既に木造銭湯などではなく、3階建ての立派なビル銭。
 貸席および仕出しを提供している模様。昭和60年代風。
 近くに「米騒動」の発祥となった旧十三銀行の建物と倉庫がそのまま残っている。

D「はたち湯」
 電話帳には載っていなかった。3階建ての料理旅館。
 かなり草臥れた昭和40年代風のビル。料理旅館としては入りたいと感じるものではなかった。

E「港湯(諏訪町)」
 2階建てのビル銭湯。駐車場にドボドボと自噴井戸が湧いている。

F「源平湯(火の宮町)」
 2階建のビル銭湯。最近建てられたもののよう。

G「平成松の湯(新金屋町)」
 3階建のビル銭湯。外装がハーフミラーだったり最近建てられたもののよう。
 改築により「平成」を冠したと。

H「鶴の湯(緑町)」
 木造銭湯ではあるが、東京、横浜の銭湯とはかなり趣きが異なっていた。
 「浜多鮮魚店」は「浜多屋」という居酒屋で休みだったが、その系列の「浜っ子 なべっ子」に行く前に入浴。

I「日の丸湯(上村木)」
 昭和41年築の3階建てのビル銭湯。
 昔は貸席を行っていたらしいが現在は廃業。夜は電灯が点っていない不気味な感じのビル。
 一杯飲んだ後入浴。

「下田温泉」が木造とはかけ離れた姿だったのと、鄙びた銭湯を発見できなかったのは残念だった。
第1湯として、「港湯」に入る。

油井型の煙突の2階建てのビル銭。
暖簾は無く、入ると金属ロッカーの下足箱。
戸を開けるとフロントで350円。フロントの上にかなり立派な神棚があるのは関西風かな。

さらに戸を開けると脱衣所。
ビル銭につき天井は高くない。

入口壁側に脱衣籠を載せる3段の棚、上にテレビ。オリンピック中継で井上康生が精彩の無い試合をしている。
外壁側には「折鶴」の錠がついたロッカーが16個ほど。「折鶴」は初めての遭遇だなぁ。

他にはデジタルの体重計、無料のドライヤーがあるくらい。

脱衣所より浴室が20センチほど高い位置にあり、蹴上げの低い階段を2段上がって浴室に上がる。

浴室は3間半四方。天井は緩やかな逆V字型で、上部に長方形の湯気抜きが並んでいる。
浴槽は奥壁から男女境にL字型に配されれいる。水は井戸水を使用とのこと。
タイル(大半の白に薄紫のライン)等は新しく、清潔感高い。建物の外観はそれなりに草臥れているが、意外だった。

メインは薄茶色の薬湯でバイブラバス。44度くらいか。案外、温度が高いんだと思った。
次に白湯で座ジェット。魚津の座ジェットは、スイッチを入れないと稼動していない。
次(手前)はデンキ風呂。
次(手前)はサウナ用の水風呂。
次(手前)は、脱衣所に食い込むかたちで「カルストーン頭足熱式サウナ」。
5人用の普通の乾式サウナ。しかし、無料というのがいい。

カラン数は入口壁側に2、外壁側に7、奥壁側に2。
島カランは1つで4・4。「宝」マークの赤・青のレバー式のもの。
シャワーは島カランにはあるけど、それ以外はハンドシャワーが1つ置きくらいの設置になっている。

ビジュアルはないけど、外壁側が全部庭になっている。
今日は暑い日なので窓は全開。なかなかいい演出になっている。
鏡がサッシのガラスに張られているのを初めて見た。

フロントの女将に木造の銭湯を尋ねるが、「鶴の湯」かなぁと。
でも、中はどうなっているか知らないよと。

魚津の銭湯の休業日は輪番制のよう。
その貼り紙があったけど、「岡町湯」だったかな、2軒ほど廃業した銭湯の屋号があった。

上がりは、駐車場の井戸水をゴクゴク。ペットボトルにも詰めた。確かにいい水。
風呂の水としても申し分ないと思う。
しかし、燃料は恐らく薪ではない。
東京銭湯の井戸水&薪焚きにやや軍配が上がるかなという感じがした。




電鉄魚津駅


魚津温泉


八ツ橋湯



北城鉱泉


下田温泉


またち湯



源平湯



平成松の湯