差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2012年11月16日金曜日 23:54
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 三鈴湯(豊島区池袋本町)

ナカムラです。

今日(11/4)は、「三鈴湯(豊島区池袋本町)」に行ってきました。 下板橋駅(東武東上線)から、0.3キロ、3分くらいです。

今日は板橋駅(JR埼京線)からアクセス。こちらからは、0.8キロくらいです。

小さな交差点の角地にあって、正面は洋菓子屋やコインランドリーなどの貸店舗になっている。創 業50年を超えるという大型のビル銭湯。先代の伝統的な建物とは異なり、入口が側面にある。

表の洋菓子屋の「ゆ」に似たロゴの旗が目を引く。偶然なのか、意識的なのか。。。

同湯の入口の上には、畳半畳ほどの大きさで「ゆ」という文字が黄色く浮き上がっている。それ以 外の明かりは節電のためか消されている。暖簾も裏からの明かりのみで浮かび上がる。少し印象的 な入口だ。

屋号を記したオリジナル暖簾を潜れば、正面にSakura-G錠の下足箱が一列に並ぶ。黒いスレート調 の床がシックだ。そして、自動ドアを進めば、建物の長手方向である側面に沿って、茶系統の色彩 で統一された細長いロビーが伸びている。その中央にカウンター。女将さんに風呂銭を渡す。

脱衣所は、幅4間、奥行2間半ほど。広くはないスペースだけど、ロッカーは外壁側と脱衣所方の み。古い建物なので天井は高く、島ロッカーもないため広々している。

構造的に面白いのは、浴室と脱衣所の天井材が同じプラ板張りで、あたかも繋がっているように見 える。脱衣所と浴室を隔てる壁は細い支持材による”ガラスの壁”。さり気ないけど洒落ている。

梁には、ペンキを塗り重ねられ、かつ煙草のヤニで汚れた旧型の業務用扇風機。男女境には、ビル 銭湯には珍しい敬心社の広告看板。”板橋区唯一のメガネクレジット”とか”不動通り埼玉銀行”な ど懐かしい言葉が散りばめられている。当然、電話番号は3桁。少なくとも30年くらいは前のもの だろう。

浴室の広さは4間四方。縦に、店舗、女湯、男湯と並ぶという間取り。そのため、脱衣所もそうだ けど、極端に外との繋がりが少ない。内装のペンキが、少々草臥れていることもあって、殺伐感が ある空間だ。

島カランは2列で、カラン数はセンターから0・0・6・6・6・8。床のタイルは星形のクリーム色。 壁のタイルは中判の白を基調として少し模様が入ったもの。上部のコンクリ壁にペンキ塗りの部分 とともに煤けている。

浴槽は、奥壁から男女境の實母散の薬湯槽までL字型に並ぶ。外側から水風呂、7点座ジェット×2 水枕付きの中温槽、最も広い高温槽はコーナーの部分が電気風呂。湯温は高温槽でも42度半といっ た所か。井戸なのか、微かに白い濁りを感じるお湯だ。

ビジュアルは、奥壁に葛飾北斎の切り絵調のモザイクタイル絵「富嶽三十六景 神奈川沖 裏波」。 画題が、判読できる筈もない黒い線に省略されていたり、同じ絵柄のタイル絵を横浜戸部の記念湯 で見たことがあるけど、それよりもやや大味に感じるものだった。

上がりは、脂っこい夕飯を頂いた後だったので、瓶牛乳はパスして、外に出て”綾鷹”を買い求め た。

日曜日の20:10から20:50に滞在。すぐ近くに小松湯。さらに新月湯もある。それなのに、相客は 優に20人以上。中学生から年輩者まで、日々生活で使っている風な客が多かった。旧池袋村の中心 地だった池袋本町。今では池袋の外れ、板橋駅からも遠い。安アパートがまだまだ残る地域でもあ る。

帰路は、少々距離があるけど”秋の脂肪燃焼強化月間”ゆえ、スタスタと早足で帰館。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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