差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2005年1月30日日曜日 22:49
宛先: 銭湯ML
件名: 水口第二共同浴場(熱海市水口町)
ナカムラです。
今日(1/29)は、「水口第二共同浴場(熱海市水口町)」に行ってきました。
来宮駅(JR伊東線)から、0.3キロ、5分くらいです。
午後から、降雨確率80%の予報。熱海の共同浴場にでも浸かって、やや寂れた、雨の熱海の風景でも撮影しようと出かけた。結局、雨はほとんど降らなかった。
先ず、来宮駅から最も近い「水口第二共同浴場(熱海市水口町)」へと急坂を下っていく。一番目の客が湯を張るらしい。16:00スタートなので湯は張っていないけど、アルミの戸は開く。川に近い、かなり古い建物。
小学生の時、蔵王温泉の共同浴場に浸かって以来、数多の温泉共同浴場に行った。ここは、小ささとシンプルさでは、マイベストワンかも知れない。西島精肉店の脇の、路地とは呼べないような、恐らく私有地、極めて細い路地の奥にある。知らなければ、決して辿り付くことはできないだろう。(インターネットによる情報発信コストの低下は凄いものがある。)
次は、メイン目的地の「水口第一共同浴場(熱海市水口町)」へ。ここは、5の付く日が休みなのに、何故か「定休日」の札がかかって鍵がかかっている。かなり古い木造の建物。正面はトタン板が張ってある。浴槽の広さは「水口第二共同浴場」と同じらしいけど、開けた場所にあるので、「秘境度」は第二共同浴場ほどではないかな。
次に「清水町共同浴場(清水町)」。清水町は、かつて熱海の中心地らしく、古いアーケードが続き昔からの店舗も多い。同湯の場所を尋ねたら、隣の人にあそこ(清水町共同浴場)は誰でも入れるんだっけと・・・。付近には、地元民しか入れない共同浴場があるんだろう。新しい、同町の公民館ビルの1階だった。
「管理人が抜き打ちで確認します。」との貼り紙。敷地には、愛らしい「笑い少女」の銅像。どんな由来があるのかなぁ。
次に「上宿新宿共同浴場(上宿町)」。建物は、隣接する誓欣院の所有で、昭和6年築の古い共同浴場。そもそもは、二階建で観音講の宿泊施設だったらしい。紺色の「熱海立ちより温泉」の洒落た暖簾がかかっている。
次に「渚共同浴場(渚町)」。古い飲食店が並ぶ繁華街。直ぐ先は、名前どおり海になっている。建物は新しいけど、間口は狭い。ここも、紺色の「熱海立ちより温泉」の暖簾がかかっている。
途中に中央町という場所があったけど、ここは「糸川」という旧カフェー街。カフェ−調の建物がいくつか残っていて、予備知識がなかったせいもあり、息を飲む。売春防止法以後は、「青線」として、その機能が新開地の「渚」に移ったらしい。近くに、新宿のゴールデン街を思わせる飲み屋街や現役の風俗店が1、2軒。
旧岩崎家別荘の「起雲閣」と「山田湯(和田町)」もリストアップしてたけど、ここらへんで力尽きた。回った中で、一番鄙びていた、「水口第二共同浴場」に入浴することにした。
さて、「水口第二共同浴場」。土曜日の18:00。先客がいた。
「入ってもいいですよね。」
「タダじゃないよ。」
「250円は、外の箱に入れればいいんですか。」(状差しのようなものがあった)
「外に箱なんかないよ。」(貯金箱のようなものが浴室の中にある)
「何でここを知っているのか」
「インターネットで・・・。」
「まだ、載ってるのか・・・。消したって聞いてるが。どこから来た。」
「横浜です。」
「旅人か。」
まぁ。こんなやり取りがあった。つまり、どこの馬の骨とも判らないヤツが来たことをあまり快く思っていない様子。小生もその気持ちは理解できる。発祥は、地元民専用(ジモ専)の共同浴場。恐らく、源泉を熱海市が管理することになったため、形式的には共同浴場。しかし、実質的には今も「ジモ専」の温泉なのだろう。
先客は帰り際に、金払ったんからって、デカい態度するなよ・・・。余所からやって来て、入らせてもらっているという気持ちでいろよと。言葉はぶっきらぼうだけど、温かい忠告と感じた。「わかりました。有難うございます。」と応える。
浴室の広さは、幅1間、奥行1.25間くらい。天井は、古い木組みで、真中に湯気抜きがある。その他、靴脱ぎ、極小の脱衣スペース、脱衣を入れるボックス型の棚がある。
浴槽は、底だけはタイル張り、その他らコンクリ打ち放し。幅1.2メートル。奥行半間ほど。源泉はとても手では触れない温度。常連は、温泉の蛇口と、水の蛇口を双方開けている。温泉が薄まるけど、仕方ないだろう。石鹸箱の蓋で、蛇口の源泉を汲んで飲むと、かなり塩気のある湯だった。
若い常連とはいろいろと話した。安くて美味しい魚が食べられる店を聞いたが、そういう店は夕方に閉まってしまうらしい。それ以外は観光料金だよと。夏なら、ここで温泉に入り、魚屋で刺身を買って、缶ビールで一杯やるのが一番いいと。
年配の常連には、先の常連の忠告どおり「お邪魔しました」と言ったら、「おう」と快い返事が返ってきた。
何回か訪れたけど、熱海という地に、今まで特段の印象は無かった。しかし、共同浴場に浸かり、、なかなか悪くないところと感じた。つるやホテル、金城館なんかに泊まっていては、熱海はわからないのかも知れない。
糸川の旧カフェー街に戻り、「大一楼」で、生ビール、焼きそば、15年物の紹興酒、焼き餃子。ノドが潤い、ハラもくちたので、夜の旧カフェー街へと散歩に出る・・・。
西島精肉店の裏側にある。 |
下足棚と料金箱。 |
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椅子のある所が脱衣スペース。 幅50センチくらいか。 |