差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年3月20日水曜日 22:55
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 妙法湯(豊島区西池袋)

ナカムラです。

今日(3/9)は、「妙法湯(豊島区西池袋)」に行ってきました。 椎名町駅(西武池袋線)から、0.2キロ、2分くらいです。

今は名ばかりになってしまった「西池商店街」という細い通りの中ほどにある。マンション下駄履 き銭湯。地下に女性専用の岩盤浴サロンが入っている。戦後に経営を引き継ぎ、現在、三代目。紺 地に屋号染め抜きのオリジナル暖簾が、十分に老舗の風格を漂わせている。

小生より少し若いだろうか。その三代目によれば、古くからのご常連に戦前は軍関係の風呂だった と聞いているらしい。しかし、古い地図を見てもそのような記載がなく、それを確認できないとい う。

この付近は戦災に遭っていないようだ。昭和22年撮影の航空写真で、高い煙突を擁する、凸型の建 物を鮮明に見ることが出来る。ただ、これだけでは、軍の倉庫に付属したという浴場なのか、町の 銭湯なのか分からない。戦前派銭湯ということはほぼ間違いないけど、同湯の出自は、どういうも のなのだろうか。

ガラス張りで、通りからも見通せるロビーは開放的で明るい。飲料も目を見張る充実さ。何より、 壁に掛けられたかなり大きな富士山の写真が目立つ。ロビーだけでなく、商店街を往き交う人々の 視界にも入るものだ。

いい暖簾を潜る心地良さ。松竹錠の下足箱がL字型に並ぶ。同湯は、ロビー反対側のコインランド リーにも狭い入口があって、10数個という小さな松竹錠の下足箱がある。

明るいロビーに明るいカウンター。髭面の気のいい感じの若旦那に450円を払う。入らなかったけ ど、サウナ共で700円だったかな。。。

脱衣所の広さは、3間四方。片側だけの島ロッカーでスペースを二分し、センター寄りを脱衣スペ ースに、外壁側をテレビを囲む休憩スペースとしている。相客もそこそこ多く、松竹シリンダー錠 のロッカーに囲まれたスペースは少し手狭。逆に、ベンチ2つの休憩スペースはゆったりとしてい る。まぁまぁ快適なレイアウトになっている。

浴室の広さは、幅2間半、奥行4間ほど。天井はプラ板張りで高さも2間ほどと高くない。機械ス ペースなのか、一部スペースを取られていることもあって、広くない空間だ。しかし、一見して明 るく清潔。客も多く活気がある。いい銭湯だ。脱衣所も浴室も明るいけど、よく見ると、あまり影 響が出ないように蛍光灯が間引かれている。”節電”の不利益を客だけに押し付けるのではない工夫 がある。

島カランは1列でカラン数は、センターから8・6・6・2。カラン周りは、台も側面もサワーピンク の大理石模様のタイル。床は星型模様のオフホワイトのタイルが使われている。昭和末期頃の改装 か、新しくも珍しくもないものだけど、明るく清潔なせいで、快適さを失ってはいない。

奥壁は釜場への扉とサウナ室への扉とで幅を取られているので狭い。そのため、浴槽は、大きくは ないL字型の主浴槽1つと水風呂のみ。入浴剤で微かに白濁したお湯は43度弱とやや高め。バイブ ラと座ジェト×2が多少窮屈に収まっている。

水風呂は、深浴槽タイプで、十分に2人入れる大きさに井戸水が満たされている。カランを開けば 掛け流しで使うことも可能だ。入っているだけでは気が付かない。しかし、掬って鼻にかざすと微 かに臭いがあった。

ビジュアルは、ない。何故か、テルマエ・ロマエのポスターが狭い奥壁に張られ”平たい顔族”に 呼びかけるという、入浴マナーの張り紙があった。

土曜日の19:20から20:00に滞在。相客は10数人。新しくはないビル銭湯。しかし、明るく、清潔 で、活気がある入って心身ともにさっぱりとするいい銭湯だった。隣湯が、極上銭湯の湯〜ゆラン ドあずま(東湯)ということもあって、いい意味の相乗効果があるのかも知れない。

小生の学生時代、この辺りの風呂なしアパートに住む友人のアパートに行くと、友人は銭湯帰りで、 夏の暑い昭和な部屋で一緒にビールを飲んだことを思い出した。この辺りは、立教大学なども近く、 今も学生が多く住んでいるエリアだ。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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