差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2011年3月6日日曜日 14:17
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 中島湯(姫路市飾磨区中島町)

ナカムラです。

今日(2/13)は、「中島湯(姫路市飾磨区中島町)」に行ってきました。 飾磨駅(山陽電鉄)から、0.5キロ、5分くらいです。

9泊10日に及ぶ遠征の最終日。漠然と、姫路の街でも散策しようとイメージしていたけど、特 に決めていなかった。

結局、少し足をのばして淡口醤油と揖保素麺の町、龍野に向かう。山陽本線の竜野駅で降りた らチト遠い。何とかタクシーで行き着いたけど、姫新線・本竜野駅で降りるのが正解だったよ うだ。

龍野には遊廓跡がある。ただ、一カ所に集まっていたわけではなく、街のいくつかに分散して いたようだ。そして、現在の龍野に銭湯はない。廃業銭湯を追うことにした。

近年廃業の「朝日湯(旭町)」は、既に新しい住宅と駐車場に変わっていた。同湯ある通りは向 かいは水神町。三階建ての建物があって遊所跡と思わせる趣がある。特定はできなかったけど 12ヵ町に散在したという遊所跡のひとつが水神町だった。そうかも知れない。。。

旧「日の出温泉」は、朝日湯からも見通せるほどの近さの大きな銭湯だった。釜場と煙突が撤 去され、空家として残っている。立派な母屋が横並びで繋がる少し変わった構造。そして、同 湯近くの質屋跡の3階建。黄緑色の疑似タイル材を張った建物も怪しい。もっとも、病に侵さ れているので、ちょっとした建物は遊所跡に見えてしまうきらいがないではない。。。

その他、ヒガシマル醤油の煉瓦造り風看板建築の資料館ややはり煉瓦風の旧醤油醸造組合を見 る。小さいながらも見所のある街だった。

さて、中島湯の開店時間16:00に近くなってきたので、龍野の醤油饅頭をパクつきながら飾磨 (しかま)に向かう。飾磨には、姫路港の発祥のがんぎがあって、その傍らに遊廓が置かれて いたけど、既に面影は無くなっている。

飾磨駅からの目抜き通りにある薬師湯と、中島湯のどちらに入るかかなり迷う。いずれも煉瓦 煙突の古銭湯だ。

薬師湯は、かなり古い長期滞在希望旅館を併設。暖簾を潜るには忍耐と精神力が要る感じのデ ィープなオーラを放っている。脱衣所と浴舎が古い木造ながら、釜場は3階建ての古いビル。 古い煉瓦煙突がそのビルの上に聳えるという何が何だか分からない構造だった。

水路べりの中島湯は、整った掛り松とコンクリの古い塀を従える姿が端正だ。結局、石造りの 浴槽がある中島湯にした。

同湯の建物は築70年は超えているらしい。昭和39年から現在の経営者の先代が引き継いでい る。

牛乳石鹸の2房の暖簾が下がる。ニューモデルなのかな。コントラストが強く鮮やかな色使い の富士山の絵柄。なかなか主張が際だつ暖簾だ。

同湯は2年前に訪れている。その時は休業日で入ることが出来なかった。前で写真を撮ってい ると向かいの犬に吠えられるのも前に来た時と同じ。ただ、定休日が月2回から週2回に増え ていた。先代が亡くなり、定休日が増えたようだ。

暖簾を潜って中に入ると、本当に小さなエントランススペース。日の出とおしどりを組み合わ せたデザインの錠前の下足箱が両サイドにあって向かい合う。

番台への扉を開ければ、幅2間半、奥行3間ほどの空間。庭方向に奥行半間の増築がある。天 井は30センチ角という小さな格子からなる平格天井。壁は白壁。番台は木目プリントの新建材 になっているほか、男女境も同様の材料で更新されている。

一見してあまりオリジナルが残っていないことに少し落胆する。端正な外観に比べ内部の材料 は少しチープ。シャビーなオーラ出しまくりだった薬師湯にすればよかったかなと少し後悔。 もっとも、昨日の高砂・梅ヶ枝湯のごとく、中に入って見ないことには判らないのが銭湯の奥 深いところ。。。

日曜日の16:45ごろに入った。16:00開店なので、まだ一番風呂勢とかち合う時間帯。広くは ない脱衣所は数人の先客で混んでいる。

ロッカーは外壁側に大理石紋様の白い化粧板のおしどり錠のもの。中央にはベンチと丸籠。そ の他、Yamatoのアナログ体重計と冷蔵庫があるくらい。

浴室は、幅2間半、奥行3間半ほど。天井は四角錘型で、さらに湯気抜きも四角錘のものが中 央にある。カランは外壁側に5機のみ。タイル類は昭和後期頃に更新されているのか、古いも のは残っていない。

浴槽は、男女境にフルに接するかたちで、奥から、ジェット×2、主浴槽である深槽、浅槽、白 濁の薬湯、水風呂になっている。手前の2浴槽が増設されたものなのか、それ以外の浴槽の縁 が黒御影だった。

同湯は、奥壁と外壁に接するように2人用の無料スチームサウナがある。今回の旅行では当然 ながらサウナがあるような銭湯は少なかった。旅の疲れを癒すようにサウナと水風呂を何往復 もする。

ビジュアルは、男女境にやや小振りのタイル絵が2幅。絵柄は池に浮かぶ白鳥と淡い紫のバッ クに野草を描いた渋い絵柄のものだった。

上がりは、瓶牛乳や飲みたいものが無かった。日曜日の16:45から17:35に滞在。一番風呂勢 が引いた後も入れ替わり客が入って、5機しかないカランは埋まるという状態だった。飾磨の2 軒の銭湯は200メートルと離れていないけど、日曜日の夕方、いずれも繁盛しているようだっ た。

廃材を燃すためには、薪割りだけでは駄目なのだろうか。若旦那なのか、水路べりで廃材の柱 に一生懸命にデッキブラシをかけて、こびり付く埃を落としていた。

長い冬のツアーの終わりは、姫路・飾磨の中島湯になった。。。呉で発熱したりのアクシデント はあったものの、走ったり、足裏の皮がむけたりという苦行は少なかった。

夏のツアーは九州に行く予感。下関の銭湯、北九州・若松の銭湯、長崎・島原の銭湯、熊本・ 電信町のくすり湯など、行ってみたい銭湯が頭の中を駆け巡る。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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