差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2008年9月27日土曜日 13:13
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 中島湯(高岡市中島町)

ナカムラです。

今日(9/8)は、「中島湯(高岡市中島町)」に行ってきました。 高岡駅(JR北陸本線)から、1.0キロ、12分くらいです。

昨夜は魚系居酒屋「たかまさ」で飲み過ぎて、今朝の始動が遅れた。朝食はサンドイッチをパ クつきながら、明治時代半ばに高岡の町外れに創られた羽衣遊廓へ歩みを急ぐ。

街路には広かった廓の痕跡が明確だ。それと判る建物は2軒くらいしか残っていなかったけど、 お決まりの稲荷神社に「創廓」の顕彰碑があったり、数軒の転業旅館が残っていたり、十分な 趣きが残っている。

その後、古い町並みの吉久町、庄西町へ移動。そして、新湊・十銭町。庄川を義経由来の「如 意の渡し」で渡り、伏木・玉川新地と遊廓跡を巡った。

高岡駅に戻ったのは昨日と同じで日が暮れた後。一日中町歩きをして、知らない高岡の町を、 さらに建物が見えなくなってからも歩くことが億劫になった。中島町までタクシーで向かう。

同湯の前でタクシーを下されたものの、別の建物の脇を通った奥にあるので、同湯がどこにあ るのか最初は分からなかった。高岡の銭湯で数少ない木造銭湯。朝日湯と違って、屋根だけと いうシンプルな黒瓦のエントランスもオリジナルな姿で残っている。路地の奥に白熱灯を灯し たレトロな佇まいは素敵だ。

なぜか女湯に客がどんどんと入って行く。いつものことだけど、「変な人が外で写真を撮ってい る」という通報だろう。自然な成り行きでもある。同時に男湯と女湯の扉が開いて、ご主人と 女将が横並びで突進して来る。いつものことだけど、同時に2人が別々のドアから出てきて突進してくるという、「映像」として記憶に残る、初めての遭遇だった。

趣旨を説明して、暖簾を潜る。暖簾はドアの内側に目隠し兼用で下がっている。入れば、番台 にコンクリのタタキ。小さなKING錠が付いた古い木製の下足には、25センチの小生の靴 が入らないほど奥行が浅いものだった。古い銭湯に行くと、たまに25センチの靴すら入らないということがある。

ご主人によれば、経営を引き継ぎ50年になる。それ以前の建物の来歴は分からないけど、戦後の建物だろうと。 脱衣所は幅3間、奥行はコンクリのタタキの部分を入れて4間ほど。表から見れば二階が載っ ている建物ではないけど、新建材のボードが張られた天井は高くない。オリジナルなか分から ないけど、この地方で高い天井では冬が寒い。

また、外壁側脱衣所方に、畳を敷いた4畳ほどのスペースがあって巨木の木臼のような火鉢が 置いてある。冬に炭を起こすのだろうか。冬の湯あがり、この傍らで憩いたいと思わせるものだ。

その他、ロッカーは木製で台形のガラス窓があるもの。錠は下足箱もそうだったけど、小型でやや横長の見たこともないKINGのものだった。その他、旧型マッサージ機、デジタル体重計。木 製の古い丸テーブルに花が置かれているのが美しいアクセントになっている。

浴室は、幅3間、奥行4間ほど。周囲はコンクリ造で天井部は木造になっている。島カランは 1列で、カラン数はセンターから5・3・3・4。立ちシャワーとともに周囲にノズルがある ボディーシャワーがある。

タイル類は古いものはない。床など基本的に淡いブルーを基調とした色使いになっている。外 壁の窓の手前が湯道具置き場になるように奥行きがあって、イスやら桶が積んである。その中 に子供用のキャラクターが描かれた湯桶と椅子が3組あったのが印象に残った。家庭用なのか。 かわいらしいサイズの桶など初めて見た気がする。

ビジュアルは、奥壁に額縁の絵のようにあるモザイクタイル絵。絵柄は白樺林をながれる小川 で奥に白峰が見える。額縁のようにあるのは、新潟の「門の湯」もそうだったけど、日本海側 の特徴なのかな。東京や神奈川ではあまり見ない。

19:45から20:50の滞在。最後に何人か入ってきたものの、ずっと相客はひとりだけ で、 「あやめ湯」のご主人だった。 聞けば、燃料高騰で5月末日に廃業したという。やはり 銭湯には内風呂なんてないようだ。銭湯をやめれば、銭湯のご主人が銭湯通いということにな る。40数年使った銭湯の建物は来週から解体工事に入るという。

高岡では、去年も白山湯、竹の湯ともう1軒の計3軒が廃業したらしい。

同湯にはビールは無かった。昨日と同じく、末広町の魚系居酒屋「たかまさ」に向かう。生ビ ール、五箇山の純米酒「三笑楽」、富山湾の宝石と言われる白エビの刺身、カレイの煮付け、バイ貝の刺身などを頂いた。

白エビは甘エビに似た味の上品な味。バイはこりこりとした食感がよかった。そして、板前がワタに塩を振って丁寧に焼いてくれた。ごく少量しか無かったけど、何とも酒に合うものだっ た。

そして・・・、 昨日に続いて少し飲み過ぎた。。。

*************************************************
ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
*************************************************









高岡駅。城端線ホーム。


高岡駅前路面電車の有る街は素敵だ。「音」を含め街に彩りを与えてくれる。


高岡駅


本丸会館前電停。北陸最大のレトロ建築がある。