中嶋湯（小田原市中町）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年4月11日日曜日 15:27
宛先: 銭湯ＭＬ
件名: 中嶋湯（小田原市中町）

ナカムラです。

今日（4/10）は、暖かかったので少し遠出して、「中嶋湯（小田原市中町）」に行ってきました。
まず、手前の二宮駅で降りて、２年ほど前に廃業した「大正湯（二宮町）」の建物が残ってないか訪れたけど、駐車場になっていた。
次に、国府津駅で降りて、国道沿いの古い看板建築の商店を眺め、次は小田原・寺町の「田浦湯（小田原市扇町）」を眺めて・・・。

田浦湯は、「入りたい」という思いに駆られる、かなりレトロな銭湯だった。
土曜日が定休日なので、今日は入れなかったけど、そのうちにやってこなければ。

さて、中嶋湯。
表のモルタルのファッサードには「中嶋湯」の屋号が大書きされている。その下の行灯には「中島湯」。どっちが正しいのかな・・・。
昭和９年創業の同湯の由来は、旧町名が「中島町」であったことによる。
小田原駅から０．９キロ程度、１０分程度の道のり。

モルタルのファッサードの下に破風型の小さなトタン屋根が付いて暖簾がかかっている。
正面に小さなタイル絵があるけど、料金表が貼ってあり、ほとんど見えない。淡い色調の風景画だった。
煙突は細い銀色のパイプ型。

角地につき、曲がり角側の左手が男湯になっている。
アルミサッシの戸を開けると、畳１畳ほどの土間（タイル）があり、左側に指物師が作ったようなオール木製の下足箱、右側に前面がカーブしている番台。
料金は、公定料金の４００円より安くて３６０円。

小さな銭湯だけど、脱衣所は広々としている。広さは２間半四方。
天井は、昔の民家によくある押し縁天井。なので、高さはさほど高くない。
壁は、新建材だけど昭和中期的なチープなものではなく、木材の質感がある最近のもの。
風格はないけど、マズマズ落ち着ける空間になっている。

脱衣籠が１０個と男女境側にロッカーが１２個。
このロッカー「SakuraⅡ」の錠がついているけど、番号が飛び飛びだし、赤（女湯用）と黒（男湯用）の錠が混在している。

その他には、フジの旧型マッサージ機、ケイホクのアナログ体重計、冷蔵庫、その上に番台用のテレビ、洗濯機&乾燥機、テーブル&丸椅子などが置いてある。
冷蔵庫にはたくさん飲料が詰まっていたけど、ビールが３００円とチト高かった。入浴料は安かったけど合算すると少し高目。

浴室は脱衣所より幅が狭くて２間、奥行は３間。天井は小さいながら２段型。天窓は回転式になっていて、その操作綱が伸びている。
カランはセンター側に４（&立シャワー１）、外壁側に４。計８個のカランしかない小銭湯である。
カランは日の丸扇の刻印のある角型のもの。取っ手はブルーとピンクになっている。

タイルは創業５０年の約２０年前に改修されているので古いものはない。
床はパールに輝くものだし、カランの台も幅が広いものになっている。
男女境も一部が花模様のタイルで、タイル絵等はない。

しかし、奥には縦板に直接描かれた富士山。女湯には富士山ではない連峰が描かれている。
北鎌倉の新世美術によるもの。東京の現役３師の絵に比べると大味だけど、この小銭湯には似合っている気がした。
その下には、隣のパン屋さんと、近くの酒・食料品店の広告がかかっていた。

浴槽は深浅２槽。
浅い方は半分がバイブラになっている。温度は４２度くらい。
深い方は、床から少し泡が立ち上ってくるもの、温度は４３度くらい。

土曜日の１７：４５から１８：３０くらい滞在したけど、延べ１０人くらいの相客がいた。
なかなか現役系の銭湯という感じがした。

中嶋湯を出ると近くにコンクリートの煙突。ここら辺には銭湯はないはずだし・・・。銭湯跡かなと行ってみると・・・。
（資）相田酒造店の酒蔵だった。調べてみると平成１０年の横浜ベイスターズ優勝の時に「横浜の星」を売り出した酒蔵らしい。
売店は臨時休業なのか、酒は買えなかった。
貼り紙があった。どうやらこの酒蔵は今年限りで他の場所に移転するらしい。その関係で仕込みを行っていない酒がある旨、書かれていた。

それと古い教会（小田原カトリック教会《S６年築》）があって眺めていると、信者が中に入れてくれた。
明日は復活祭でその準備をしているとのことだった。
非公開の建物のはず。私はクリスチャンではないけど、細い階段を登って聖歌隊が歌を歌う２階から聖堂を眺めていると荘重な面持ちになってくる。
神父さんは若いかなりハンサムで穏やかな人だった。小田原で一番古い幼稚園を併設し、カルチャーセンターなどが行われ、昔はかなり賑わいがあった場所らしい。

最後は、つかささんが教えてくれた「Ryo」へ。１９：００、１階は満員だった。
おおトロのあぶりは２カンで１６８０円もしたので手が出なかったけど、日本酒の揃えもいいし、刺身、寿司も旨かった。
ちょっと食って、飲んで５０００円～６０００円といったところ。
このお店、もとは中嶋湯にも近い栄町で、かなりお高い寿司屋をやっていた人らしい。

小田原カトリック教会