差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2014年8月10日日曜日 7:00
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: なみのゆ(杉並区高円寺北)

ナカムラです。

今日(7/11)は、「なみのゆ(杉並区高円寺北)」に行ってきました。 高円寺駅(中央本線)から、0.7キロ、8分くらいです。

北口の「純情通り商店街」を抜け暫く行った所を左に折れて行く。途中に有名銭湯の小杉湯があり通り過ぎれば同湯は近い。

なみのゆ付近は戦災に遭っていない。戦前築と見られる住宅が残っている。昭和22年、昭和38年の航空写真によれば、同湯の位置には、戦前からの建物と推測される銭湯が写っている。

現在の建物は昭和40年代築だろうか。コンクリ造の浴場の建物。しかし、増築だろうかその上に木 造の家屋が載っている。ちょっと変った構造のようだけど暗くてよく分からない。

周囲に高い建物がないのでコンクリの煙突は高く、目立っている。煙突には”naminoyu.com”とペイントされ、LEDランプが光っている。ガス焚きに替ると直ぐに解体されてしまうことの多い煙突だけど、同湯では広告塔として代え難い存在感を発揮している。

軽自動車がやっと通れる細い路地に入口がある。入ると少数のSakura-G錠の下足箱があるささやかなエントランス。プラスチックの札に紐が通されているのが珍しい。

フロントでは、米や酒のつまみだろうか、酢イカなどの駄菓子類が並んでいる。フロントにはアルバイトなのか、オリジナルTシャツを着た若い女の子が詰めている。スタンプを貰うと「これを差し上げています」と言って、たくさんの鯉のぼりがはためく美しい写真のポストカードを頂く。

脱衣所の広さは、幅3間半、奥行2間半ほどでやや入り組んだ形をしている。各所にSakura-3錠の ロッカー。古いながら中段の扉を取り払い、棚のように使うことができる配慮がなされている。そ して、ロッカーの上に磨かれた籐の丸籠が、お椀を伏せるように4つほど載せられている。

その他、TANAKAのアナログ体重計、洗濯機、持ち帰り用の井戸水が出る流し、腹筋台、大阪屋証券 (昭和61年にコスモ証券に改称)から提供された身長計測器などが置かれている。

浴室の広さは、幅3間半、奥行3間半弱。男湯だけでW型を構成するジグザグの多いプラ板張りの天井は、高さ2間半弱とそこそこ高い。さらに、奥壁に接している浴槽の上が吹き抜けになっている。典型的な古いビル銭の浴室は、静かにオルゴールの楽曲が流れる清潔なものだ。

壁は元々のタイルの上に白いペンキが厚塗りされている。所々の剥がれた所を見ると、オフホワイ トのアメーバ模様の縦長、梁より上は1センチ角の小タイルが使われている。

島カランは2列で、カラン数はセンターから4・2・5・4・4・4。床のタイルは膨らみはないものの 3センチ角の白いもので何処となくレトロな雰囲気を醸し出している。

浴槽は、奥壁に接して3槽。センター側から6点座ジェット×2、何ら仕掛けのない素の深槽。主浴槽は焚出し口のある気泡湯で、外壁側には岩盤浴の石を背に簀の子を渡した半身浴コーナーが置かれている。

飲用にも耐える地下70メートル超の深井戸のお湯は清澄極まりない。湯温43度弱。ちょっと熱い温度設定に昔ながらの頑固さを感じる。パウチされた新聞記事が奥壁につり下げられている。お湯に浸かりながら暇つぶしに読むという初めて遭遇するスタイル。

さらに、男女湯を跨ぐようにプールが置かれている。今日は女湯に提供されていて、男湯はアルミの仕切で閉鎖されている。プラス300円だったかな。水泳するほどの大きさはないようだ。

ビジュアルは、奥壁にペンキ絵。誰の絵なのだろうか。簡略にデザイン化された赤富士と大海原。 そこに大きく客船が2艘描かれている。見たことがない類のものだ。

金曜日の20:20から21:10に滞在。清潔でオルゴール流れる静かな雰囲気と熱めの清澄なお湯。プールは見ることが出来なかったものの随所に手作りの工夫が見られる。プロのサービスと手作りの工夫は相容れない部分もあるけど、銭湯というものに対し、一生懸命に取り組んでいることを感じさせられた。

上がりは地元に戻り馴染みの居酒屋へ。電話を掛けても通じないので、立て込んでいると思いつつ、 ちょっと変だなと感じていた。行ってみるとなんと、リニューアルで暫く休業。。。次善の策として、 韓国料理屋で一杯。






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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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