差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2011年7月17日日曜日 22:51
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 根岸浴泉(川口市安行領根岸)

ナカムラです。

今日(7/9)は、「根岸浴泉(川口市安行領根岸)」に行ってきました。 蕨駅(京浜東北線)から、3.0キロ、40分くらいです。 蕨駅から東浦和行(蕨02)の国際興業バスがあり、「伊刈仲通り」で降りて2分ほど。

今日、関東地方は平年より10日ほど早く梅雨が明け、一気に気温が上がる。風も夏風に変わった。

いつもの通り、午前中は整形外科などで身体のメンテナンスをした後、近所のカジュアルイタリア ンで昼飯。午後は、今月半ばから夏休みで訪れる大阪と京都の銭湯を吟味したりして過ごす。

それにしても半世紀を過ぎた日本家屋でノーエアコン。簾を下げ、路地に何度か打ち水なんぞを試 みるが室内の温度は37度強と体温を上回る。家の中でも熱中症になる恐れを感じなくもない。。。

梅雨も開けたので、前から気になっていた根岸浴泉に出かけることにする。赤羽駅まで歩いて出て、 京浜東北線で蕨駅へ。

この駅からアクセスする銭湯は多い。2年に満たない間に蕨駅で降りるのは6回目か7回目くらい か。都合、10は超える銭湯があると思う。大宮や浦和に銭湯は多くない。埼玉県の銭湯の中では随 一の多さかも知れない。もっとも、一部の特殊な人しか、そんなことを考える輩はいない。

歩けば駅から3キロもあるので、東口の一番外れのバス乗り場からのバスに乗る。車窓から、昨年 廃業した「いさみ湯」は新しい駐車場に変わり、花道の飲み屋は屋号が変わっていた。前は通らな いものの三晴湯のコンクリ煙突が確認できた。

バスを降りると、伊刈神社、古い平屋の住宅群、用水路・・・。外環道路の高架が横切っている他 は、田舎の風景といっていい。

そんな中に同湯はある。用水路を渡り、雑草地の花道の奥にコンクリ煙突、モルタル造。築40年く らいというから昭和40年代の前半頃の建物か。

クルマで来る人も多く、数台は止められる砂利のスペースにはクルマの出入りが多い。入口の両サ イドのコインランドリーを利用しに来る客のクルマもあるようだ。

直方体のファッサードには屋号とともに「二股カルシウム温泉」「湯の花温泉」などの大きな看板が 掛かっている。

暖簾をくぐれば、土埃が堆積するエントランススペース。左右には松竹錠の下足箱が左右に並ぶ。

番台への扉を開ければ、前面がカーブしているグレー木目プリントの既に干からびた新建材貼りの 番台。そこに、風呂屋の女将さんというよりも、農家のお婆ちゃんという風情の皺が刻まれた方が タバコをくゆらせている。番台で大将がタバコというのはままあるけど、番台の婆ちゃんがという のは極めて希だ。ただ、いい人生の年輪と気さくな人柄のようで、嫌な感じはしない。

脱衣所の広さは、幅3間半、奥行3間ほど。天井は大きな木質の天井材の中央にそこそこ太さの桟 を男女湯に跨って1本渡してある。壁はクロス張り。簡素な造りの脱衣所だけど、意外にも大きな 銭湯だ。

ロッカーは島ロッカーが縦置きに1つと、外壁側の一部にSakura3錠のものがある。島ロッカーの 上にはメダカの水槽。男女境側には金魚の水槽が2つ。広い脱衣所につき、島ロッカーの外壁側に はソファセットが置かれロビースペースのような使われ方をしている。アナログ体重計は、古くは ないものの寺岡式のゴツい感じのものがある。

浴室は、幅3間半、奥行4間。幅が広いので入口は左右2つある。その間のサッシ窓の基部にはガ ラスブロックが積まれるという構造になっている。天井は木板張りの2段型天井。床のタイルは、 ピンクと白の斑のユリ模様という初めて接するもの。壁はうっすらとペイズリー模様が入った白タ イルに一部ワンポイントでやはりペイズリーの模様が入ったもの。勝浦・松の湯で見たけど、かな り珍しいタイルが使われている。

島カランは2列で、カラン数はセンターから5・5・5・5・0・0。外側のコースには、1穴スーパー ジェットとボディマッサージのぬる湯槽と水風呂が縦置きにあるため、カランというか洗い場の設 置はない。

浴槽は、外壁側の増設浴槽の他、奥壁に接した3槽。 センター側が「温室」囲いのある熱気浴兼用の浴槽41度半位。少々換気が過ぎるのか湯気のこもり が乏しい。 中央の主浴槽は仰々しいステンレスの箱が設置されて、湯はそれを通して吐き出されている。同じ 蕨のあづま湯などにもあった北海道の「二股ラジウム温泉」というもので42度位。大々的に”厚生 大臣認可”とあるけど、何ということはない、「医薬部外品なので、当時の厚生大臣が製造を承認を した」というのが正確なところだ。製造会社の名前を見て少し笑ってしまった。水の素(株)(北海 道札幌市)という会社。もう25年も前の申請書のコピーだった。。。

一番外側の浴槽は、センジウム&ゼラニウムとある薬湯で、黄緑色の透明な41度弱のお湯だった。

入った時には高窓から見える空は明るかったが、それがだんだんと暮れていく頃。客は老いも若き も案外に多い。同湯の売りは”湯の花温泉”だけでなく、軟水もある。そこそこのツルツル感があ って石鹸の泡立ちはいい。もっとも、不覚にも風呂道具を持ってくるのを忘れたので、いつもの石 鹸とは違う石鹸を使っているのだけど。

ビジュアルも充実している。奥壁は中島さんの渓流を描いたペンキ絵。男女境の上には男女湯に跨 る富士山が見える。

ペンキ絵の下には海中の熱帯魚が描かれた昭和中期的なモザイクタイル絵。章仙画の絵付けの池に 鯉のタイル絵は無論、こういったモザイクタイル絵も少なくなってきた。

サウナはないものの、それ以外の浴槽群がレベルの高い水準で揃っている。ビジュアルも抜かりな く、埼玉の銭湯らしく清潔。これらが、木板張りの2段型という伝統的木造銭湯の空間の中にある のがいい。優れた銭湯だ。

上がりは、森永のエースミルク120円をいただく。

帰りは、家とは反対に北上し、さいたま新都心のショッピングモールに寄り道。ビールが飲みたく なったので消去法的に「紅虎餃子房」に入った。この手の類は大きくは外さないものの、ちょっと ずつ物足りない。そして、大餃子なるものを頼んでしまった。餃子は皮が重要な要素。大きいとい うことは、はなから餡と皮のバランスを失していた。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
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伊刈中通りバス停