差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年4月10日水曜日 21:56
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: ニュー恵美須(荒川区東尾久)

ナカムラです。

今日(3/29)は、「ニュー恵美須(荒川区東尾久)」に行ってきました。 田端駅(山手線)から、0.8キロ、10分くらいです。

今日で、旧年度も終わり。年度末だからどうということもないけど、周りは少し慌ただしい。そん な中で会社を出て、東京駅から田端駅まで。田端は山手線の駅の中で、かなり地味な駅だと思う。 特に南口の地味さはかなりのもの。今日は、跨線橋上にある北改札から出る。こちらは綺麗に改築 されてとても洒落た感じに変わった。元々ある駅舎を建替えたというだけでなく、切り通しに繋が る山肌をだいぶ削って再開発した感じだ。

駅から繋がる跨線橋を降り、東北回送線など鉄道の町ならではの幾つかの踏切を渡り、田端新町を 経由し”尾久銀座”に南から入って行く。同湯は、近くには映画館「尾久セントラル(廃業)」の跡 なども残る、古くからの商店街にある。

戦後の写真を見ると、付近一帯は空襲で焼け野原になったけど、同湯(旧恵比須湯)も昭和初期創 業のパン屋のなどと同じく戦前からの銭湯なのかも知れない。

油井型の煙突が後方に見える、黒瓦を載せた平入りの脱衣所棟。その前にロビースペースの白いタ イル張りの建物が増築されている。住宅密集地にありながら、後方に駐車スペースを持つ広い敷地 に建っている。

エントランスを入れば、Sakura-G錠の下足箱がずらりと並ぶ。自動ドアを入ると、ポツンとカウン ターがあって、外から感じることができなかった絨毯敷きの広いロビーが広がっていて驚かされる。 さらに、L字型にロビーを回り込むと優に10畳以上はあるオープンな大広間がある。

脱衣所は、幅4間、奥行3間ほど。天井は、石膏ボードに置き換えられて久しいのか、煤けたボー ドと更新されたものがパッチワークのようになっている。壁はチープな白いクロス張り。

籐敷きの広い空間に島ロッカーはなく、木目プリントのシール張りの大型のスチールロッカーは、 外壁側と、浴室側に低目のものが並ぶ。脱衣かごも多数あって、現役で使われている。

その他、無造作に団扇が置かれた籐敷きの幅広の縁台、TANITAのデジタル体重計。広々として明る く使いやすいけど、実用一点張り。必要最小限の投資という感じで、休息空間としては潤いに欠け るかな。

浴室の広さは、幅4間、奥行4間半ほど。天井は、木板にやや草臥れた白ペンキ塗り。足を踏み入 れた途端、その広さに驚かされる。今まで出会った伝統的木造銭湯の中で最も広い空間だと思う。

島カランは1列で、カラン数はセンターから9・5・5・5。さらに奥壁に1機、脱衣所方に5機のカ ランがある。

浴槽はL字型。奥壁に沿った浴槽が90度手前に折れ、花道のよう入口近くまで延びる。L字型でも、 浴室が広いので男女境あるいは外壁に接したものではない。”花道”の先端部は、オーバーフローし て循環に回るスーパー銭湯仕様だ。

浴槽の踏み込み段、宝マークのレバーを後方に押すカラン、2穴ジェットが縦並びと横並びの2種 一対、タイルの色使いなどから、一見して王子の橘湯と同じ関西系の施工業者と感じる。

設備は、奥壁に接した部分に、6点座ジェット×2、寝ジェット×2、電気、2点ジェット×2。花道 のように延びる部分は、その半分以上が深槽になっている。湯温は42度強。沸かしても微かに臭い を感じる。恐らく、井戸水を沸かしているんだろう。

同湯は印象的なくらいに広いけど、さらに浴舎の横に広がる幅2間の広い庭の一部を潰し、露天風 呂と無料のスチームサウナがある。

石張りの浴槽に”硝子の屋根付き”の露天風呂。傍らのサッシの扉を開ければ、灯籠がある和風庭 園風の洗い場(カラン2機)に繋がる。

何らの仕掛けもない。お湯は42度弱というやや温い温度。スチームサウナは独特のすえた臭いが残 る。やや、メンテナンスが不十分なんだろうけど、最近はこの独特の臭いを放つスチームサウナも 珍しい。恐らく、淘汰されたということなんだろうけど。。。

金曜日の20:15から21:30に滞在。相客は”今日は空いているな”というご常連がいたものの、そ の時で10人以上。延べ20人以上はいたと思う。しかし、大きな空間なので混んでいたという印象 は全くない。本当に大きな木造銭湯であることと、フロントのおばちゃんの紺色の制服があまりに” 昭和”していることが記憶に刻まれた。

上がりは、行きに目を付けていた、近くの「鳥幸」という焼き鳥屋。”鳥幸/田端”という提灯と、 緑色の洗い晒しの暖簾に惹き寄せられた。入れば、息子と80歳くらいの婆が2人でやっている店。 建具にガムテープの補修があったりする店だけど、先代からの長い歴史を感じる。

出された焼き鳥は、息子さんの風貌とは結びつかない、かなり繊細な細工が施されたもので、味も 良かった。ちょっとのどを潤す程度でもいいかなという感じで入ったけど、締めの丼までの焼き鳥 屋でのフルコース。無粋な長っ尻になってしまった。

最近、日曜劇場の「とんび」というドラマにも登場したようだ。いい焼き鳥屋だった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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                                      田端駅




                                       田端駅




                 ”田端駅下仲通り商店会”




                       田端・鳥幸




                東北回送線・与美東踏切




                   東北回送線・与美東踏切と与美西踏切に挟まれたガード下




                      与美西踏切




                                   尾久銀座商店街




              名画座とダイエーの組み合わせ




                                   途中の神社にて


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