日本船燈株式会社の石油ストーブ 2013.12.13
目次へ
映画に出てくるような十条の古い陋屋を辞するに当たって心残りがあった。暖炉や囲炉裏は望むべくもなかったのだけれど、薄暗い古い家で、そんな役回りを務めてくれた日本船燈という会社の石油ストーブ。

手入れを怠ると部屋中が煤に染まるやんちゃな石油ストーブなのだけど、20燭光ほどのオレンジ色の心和む灯りを届けてくれる。

レトロ銭湯に囲まれた引越し先は生憎石油ストーブを使うことが出来ない。捨てるには惜しいので嫁ぎ先を探していたら、学生時代の後輩で長野県の須坂で江戸時代から続く味噌蔵(清右衛門蔵)を継ぐ老舗塩屋の大将が引き受けてくれた。

こちらの蔵のどこかで、再びオレンジ色の暖かい光と暖気を放つ機会に恵まれたと思うと、何とも胸をなで下ろす次第。

おまけに、自慢の伝統のお味噌まで頂戴してしまった。わが屋の味噌汁は、京都にわざわざ買いに行ったかつ箱で、一本釣りのかつ節をかいて出汁を取っている。老舗塩屋さんの味噌も先ずは味噌汁から、いろいろと楽しませて頂こうと目論んでいる。