差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2010年11月3日水曜日 0:18
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: ニコニコ湯(板橋区徳丸)

ナカムラです。

今日(10/29)は、「ニコニコ湯(板橋区徳丸)」に行ってきました。東武練馬駅(東武東上線)から、0.6キロ、7分くらいです。

御成門から、巣鴨、池袋を経由して東武練馬駅へ。

同湯は、坂の下にある北野浴場にやって来た時に、一度眺めている。前方と横が広い駐車場になっていて、堂々とした浴舎とコンクリ煙突が月夜に浮かぶ。

昭和26年築創業。千鳥破風妻入りの脱衣所棟に黒瓦のエントランス。無地洗い晒しの暖簾を潜れば、左右に松竹錠の下足箱。見れば扉に傘マークのシールがある。傘入れ兼用という合図で、扉を開ければ、奥に傘を差し込む丸い穴が見える。専用の傘立てがない昔ながらの構造が残っている。

中に入れば前面がカーブした番台。心持ち高さがあるような気がする。ちゃきちゃきした感じの方が座っている。

脱衣所の広さは、幅3間に奥行3間半ほど。天井は折上げ格天井ながら天板はクロス張り・・・。床も木目プリントのクッションフロア。致し方ないことだろうけど、チープな材料での更新が目立つ。しかし、それらを差し引いても風格のある空間がある。

男女境の鏡の上には、仕切壁が増設されている。ポスターが何枚も貼られているのでその為とも思えなくもないけど、少し珍しい構造ではある。

ロッカーは、外壁側、浴室方そして男女境側の一部に松竹錠シリンダ式のもの。中央部には籐式の幅広の縁台とテーブル代わりに昔のゲーム機だけが置かれている。

島ロッカーがない広々とした空間。島ロッカーが無くても済むならば、撤去して、広いくつろぎの空間を提供した方がサービス面でいいと思うことが多い。どうなんだろうか。

その他、Keihokuのアナログ体重計、旧型マッサージ機、自販機など。入口方のコインランドリー側に、バレーのレッスン場にあるような鏡が、床から立ち上がり、壁一面に張られていた。何に使うのだろうか。

浴室は、幅3間、奥行4間ほど。天井は2段型。島カランは1列でカラン数はセンターから5・6・6・3。外壁側のカランが少ないのは、奥壁から深槽、円形のバイブラ、8点座ジェット×2と並ぶ各浴槽に続いて、足湯槽が設置されているから。

伝統的銭湯の浴室内で足湯に遭遇するのは初めてだ。底には石が埋め込まれて、足ツボを刺激する仕組みになっている。「足湯」と書かれた後に、自由な発想でくつろいでとある。しかし、頭が固いのか足ツボと歩行するくらいしか思いつかない。そして、寝るには少々深さがある。

深槽は何の設備もない。浴槽の底までが澄んで見える。そして、湯温44度くらいの熱い湯。井戸水を廃材メインで沸かしたお湯は、ピリピリとはしない。柔らかいお湯だ。他の浴槽は42.5度くらい。やはり柔らかい湯。週末の解放感の中で柔らかな湯に包まれる心地よさ。一週間、色々と失ってきたものを少しだけ取り戻せた感じがする。

ビジュアルは、奥壁に「利尻」。高嶺をバックに穏やかで緑豊かな湾と船を描いた明るく軽やかなペンキ絵だ。小林正二氏という銭湯専門の絵師とは違う流れにあるペンキ絵らしい。中島さんや、丸山さんと比べると、勢いも精緻さも及ばない。しかし、この明るく軽やかな感じは故早川氏を加えた三絵師にはないものだ。極上の昆布で有名な香深湾なのだろうか・・・。何かほっとさせてくれる、いいペンキ絵だと感じた。

堂々とした外観、広々とした脱衣所、珍しいペンキ絵。建物のコーナーにあるコインランドリーが何故かいい絵になる感じがした。もちろん薪焚きの天然水のお湯もいい。しかし、金曜日の21:15から22:00の滞在で相客は2人ほど。やや寂しい客の入りだった。

上がりの一杯は、駅からの途中にあるイタリアンに目星を付けていたが、やはり時間切れで「CLOSE」の札が・・・。

駅周辺では既に今日の営業を終えた店も多く、また惹かれる居酒屋も見つからなかった。結局、「道とん堀」というお好み焼き屋に入った。オーダーする度に店員々々が「ポンポコ、ポン!」と輪唱していく不思議な店だった。

道頓堀と言いながら、都下・福生を発祥とするチェーン店。かなり広範囲で展開しているようだったけど、初めて見る店。22:00を回ると割り増し料金が加算されるタクシーみたいな店だった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
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東武東上線・ときわ台駅(昭和10年築)