差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年11月13日土曜日 12:58
宛先: 銭湯ML
件名: 西の湯(横浜市西区西前町)

ナカムラです。

今日(11/7)は、「西の湯(横浜市西区西前町)」に行ってきました。
戸部駅(京浜急行)から、0.8キロ、10分程度です。

高架の戸部駅に、明るいうちに降りたのは初めて。
すぐ傍らに、伝統銭湯「記念湯」の赤いペンキ屋根が見える。
ここは、入るまで、ビル銭だと思っていた銭湯。
違和感を感じながら、出るころになって、ようやく伝統銭湯を大掛かりに改造したものと理解した・・・。

戸部辺りは銭湯密集地で、繁華街横浜駅の隣ながら、いずれも伝統銭湯。
「萬歳湯」や「朝日湯」の煙突を眺めながら、西の湯へ。
西の湯は、「藤棚一番街」、「西前商店街」という横浜の古い商店街の端っこに位置している。

綺麗に銀色のペンキが塗られた油井型の煙突、立派な塀を持っている。
入口は、ペンキ屋根ながら、立派な千鳥破風。
「西の湯」と書かれ、中に蛍光灯が入った大きな行灯看板が、入口の壁面にある。

入口を入ると、松竹錠が付いたロッカー式の傘立てが、正面にずらりと並んでいる。
右に折れると、アクリル板に松竹錠がついた今風の下足箱。そしてフロントが続く。
フロントは、脱衣所の真中に設置されたものだけど、なにせ大型の銭湯につき、低い天井を張ってあることもあり、完全フロント式の感じ。

脱衣所は、フロントスペースを含め、3間半四方。
天井は折上格天井。床は細い材で組まれた今風の床材。
フロントにスペースを取られているものの狭くはない。大型の銭湯だ。

ベンチ、文字盤が膝の位置の「タ」の商標を記したアナログ体重計、洗面台の脇にドライヤーがある程度。
余計な物は一切ない。

ロッカーはフロント側壁と外壁側にあって、松竹のシリンダ錠。
入口側のサッシが開け放たれていて、外は池、滝を設えた、同湯の規模からすれば小振りの庭がある。
しかも、池や滝に水がない。残念・・・。

浴室は3間半四方。ウィング幅が2間と幅広の2段型。
白と茶色のペンキ塗りが珍しい。

島カランは2列で、カラン数はセンターから、6・5・5・0・5・6。
カランは、日の丸扇の刻印のある丸型だけど、湯口が少し細身で流線型というか、前のめり型のもの。
初めて見る形だった。

日曜日の17:00から17:45くらいの間滞在したけど、子供の客もいたし、客が多い繁盛店という感じ。

浴槽は、センターから、弱弱しい床バブル、座ジェット、電気風呂、薬湯(じっこう)。
温度はそれぞれ42度ぐらい。

ビジュアルは、奥壁にある巨大な章仙画のタイル絵(縦12枚×横46枚)。
島がある静かな入り江と帆かけ舟。
舟は和風ながら、麦わら帽子をかぶった開襟シャツを着た男の人が乗っているなど、どことなくヨットのように描かれている。
「幾久の湯」のような繊細な絵柄ではないものの、鈴榮堂章仙のクレジットがある旧来型のタイル絵、マズマズの光景だ。

同湯隣のモルタルの「全治堂薬品」。
5月、坂の上の「中の湯」に行った帰りに通った時は、商品が満載だった。
しかし、棚に、商品がまばらだった。

銭湯だけでなく、町の薬局も時代に取り残された業種なんだろう。
建て替えて、今風のドラッグストアというのも考えにくいから、おそらく廃業なんだろうと感じた。



西前商店街



全治堂薬品。いかにも昔風のネーミングだ。
2007.4.21.に再訪すると、隣を含めた一角がマンションになっていた。


(出所)横浜市浴場組合HPより。