奥の湯（渋谷区代々木）

差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2011年1月26日水曜日 0:00
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件名: 奥の湯（渋谷区代々木）

ナカムラです。

今日（1/16）は、「奥の湯（渋谷区代々木）」に行ってきました。南新宿駅（小田急線）から、0.03キロ、0.5分くらいです。

早朝から高輪浴場近くに所用があって打ち合わせ。五反田で昼飯を食べ、午後は渋谷区立の松濤美術館で最終日に「大正イマジュリィの世界」を見る。300円と安くて見応えもあったけど、人が多く消耗する。。。

松濤美術館は初めて訪れる。爆発事故を起こした「松濤温泉シェスパ」の近く。白井成一の設計で、バブル期の1980年に開館している。3階の喫茶室は最近に営業休止。建物も少々草臥れていたけど、コンパクトないい美術館だった。

JR渋谷駅のホームに日清食品の「どん兵衛」のアンテナショップがあって驚く。4月末までの期間限定のようだけど、そこそ広い店内で地方の限定品を含め、200円でどん兵衛を食べることができる。山形の芋煮のどん兵衛に惹かれたものの入りはしなかった。しかし、男ばかりで繁盛している様子だった。みんなカップ麺が好きなのねぇ。。。

さて、久し振りに代々木の町を歩き奥の湯へ。

同湯は「東京で一番駅に近い銭湯」を標榜している。先々週に再訪した富ヶ谷の八幡湯も代々木八幡駅のホームの傍らにあるという近さだった。しかし、何と同湯は南新宿駅の改札の脇にコンクリ煙突がある。ガス焚きに転換したようで、近年長さを短くしている。

改札口から同湯建物を回り込んで、入口まで30メートルといったところか。久が原駅（東急池上線）の横にある益ノ湯や、武蔵新田駅（東急多摩川線）の森ノ湯も改札口からかなり近かったが、確かに同湯の方が近いのは間違いない。

ホームの盛土との間の通路を進めば、モルタル造の簡素なエントランスがある。屋号を記したオレンジ色の行灯看板。そして暖簾が揺れる。後方を見上げれば、群青の夕空にNTTDoCoMo本社の尖り屋根の高層ビルが見えた。

暖簾を潜ると正面に、傘を立てたまま収納するロッカー式の傘入れ。左右にはSakuraG錠の下足箱がある。コンパクトなエントランスだ。

自動ドアを通れば、木組みのどっしりとした番台。側面には昭和中期の壁材だった木製の波板が張られている。代々木という都心にありながら、フロント式でもないし、女湯側に特段の衝立などもない。昔ながらのスタイルで営業を続けていることに少し驚く。

脱衣所の広さは3間四方。天井には木目プリントの古い合板が使われ、折上げではないが周りに白いスペースが置かれている。壁は白塗り。この建物は昭和38年に改築されている。簡素ではあるけど、明るく、清潔。いい銭湯ということが直ぐに分かる。

ロッカーは中央に島ロッカーが縦置きに1つ。そのほかに外壁側と丸太を渡してある男女境の下部にある。いずれも錠はSakuraⅢのシリンダ式のもの。その他、デジタル体重計、冷蔵庫、椅子＆テーブル、ドライヤー、コイン式洗濯機が4台あるくらい。余計なものは一切ない。

コイン式洗濯機が並ぶスペースは、以前は狭いながらも前庭だった所だろうか。現在は、増築され、脱衣所と一体となる明るいスペースになっている。

古い物はない脱衣所ながら、壁にはおくむらの新装再開店の墨書のかなり古いポスターがあった。NHK西門前の蕎麦屋だけど、同湯の関係者の店なのだろうか。。。

浴室は、幅3間、奥行4間。天井は2段型で白とブルーのペンキ塗り。くすみはない。奥壁が、両サイドのウィング部分の高さでカールを描きオーバーハングしている。珍しい構造だ。

島カランは1列で、カラン数はセンターから6・5・5・7。ユリ模様の床のタイルや、白い大理石紋様のカラン周りのタイルなども磨き込まれている。明るく清潔度の高い、いい浴室だ。

浴槽は奥壁に接する深浅2槽。主浴槽は2穴ジェット×2にバイブラと側面に赤外線ランプ付。湯温は43度くらいと高目だ。深槽は浴槽の底が見通せる何の仕掛けもないもの。何となく熱そうと思ったら、やはり熱かった。44.5度くらいはある。かなりのご高齢と一緒に浸かっていたが、次の人がかなり水を投入していたので、いつもより熱かったのかも知れない。

ビジュアルは、オーバーハングする奥壁に、紫・薄紫・白の小タイルで、「濃」から「淡」へのグラデーションのみというモザイクタイルがある。絵ではないもののデザインであることは間違いない。モザイクタイル作品として、その簡素さは極めて希なものだ。最初は遠目からはトタン張りに見えたくらいだ。

それが浴槽に浸かると頭上にくるため、接着剤や目地の劣化で、落下しないのかと少々心配になった。

男女境のモザイクもこの3色のタイルによる、簡素極まりないデザインだ。

上がりには、小岩井牛乳の紙パック入り110円を頂く。

日曜日の17:15から18:00に滞在。前日の土曜日が休業日ということもあって、夕飯前のゴールデンタイム。相客は10数人はいただろうか、そこそこの客の入りだった。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura）
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