差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2014年8月9日土曜日 13:19
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: オリーブ温泉(呉市和庄町)

ナカムラです。

今日(6/16)は、「オリーブ温泉(呉市和庄町)」に行ってきました。 呉駅(呉線)から、1.9キロ、20分くらいです。

一昨年の暮れに神原湯に来て以来、呉は4度目くらいだろうか。ここ1、2年で数軒の廃業が続き、 呉市の銭湯は11軒にまで減っている。廃業のペースに追い越されて、意中の銭湯が無くなっていく なか、駅から遠いオリーブ温泉への想いは募っていく。

同湯は今風のカタカナの屋号ながら、昭和中期的なタイル張りの箱型エントランスと木製の窓枠を 持つ。坂の町の呉。急な坂の途中にある銭湯だ。

カーブした坂の下からアプローチすると、コンクリの煙突が見え、次第に擁壁から迫り出る感じで モルタル造の同湯全貌が見えてくる。

車1台分ほど停めることができる三角のスペースがあって、小さいながらもコンクリの瓢箪池とそ れに掛かる橋がある。

淡い緑色の豆タイルのエントランスには丸っこい書体で屋号が記されている。黄色のペンキで綺麗 に塗り直されて分かりにくくなったけど木彫りの物だ。

冬でもないのに扉は閉ざされている。しかし、色あせた暖簾が下がって、脱衣所の明かりが点って いるので安堵する。

中に入ると内部は外観通りの直方体の空間で、脱衣所に通じるサッシの扉の両サイドに鶴亀錠の下 足箱が置かれている。

脱衣所の広さは、幅2間、奥行3間ほど。天井は2階が載っているのでさほど高くはなく1間2/3 程度。細いながらハーフティンバー調の桟があり緩やかな山型になっている。

広い板の間には特に何もなく、外壁に鶴亀錠で扉に漢数字が記されたオール木製ロッカーと、常連 の留め桶が並ぶ硝子扉の戸棚が並ぶ。そして隅にベンチとテーブル。

外壁側にトイレの扉も有るけど、やっと昇ることが出来る高い位置にある。建物が急斜面に建って いるためだろう。そして、普段は使われていないようだ。蜘蛛の巣に閉口するトイレだった。

その他、Kamacyoのアナログ体重計、旧型マッサージ機、男女境上のテレビ、廣島高井証券(昭和 46年に東洋証券に改称)のホーロー看板があるくらい。飲料の販売は無かった。

浴室の広さは、幅2間、奥行3間ほど。天井は、四角錘型のプラ板張りで中央に湯気抜きがある。 床のタイルは6センチ角のグレーのもの。壁のタイルは中判の白色で肩の高さに緑色の雷文の装飾 が走る。さらにその上には天井までベージュの丸タイルがぎっしりと張られているのが珍しい。

島カランはなく、カラン数は男女境に6機、外壁に3機。にじり口のような釜場への扉と3枚ほど の銭湯を詠んだ川柳が張られた奥壁には3機。カラン台を削りその下に溝を置く構造は、中京地方 の銭湯と同じだ。

浴槽は、外壁に接して、その中央に深浅の浴槽。広島銭湯の最大の特徴である内部が3段の構造に なっている。さらに、男女境と奥壁に接した薬湯の副浴槽が置かれている。

お湯は、井戸水を重油で沸かしている。湯温は41度くらい。柔らかく、かなり上質のお湯だ。戦前 からの軍事都市呉は水道施設がかなり堅固に造られている。そもそも呉の水自体も、艦船に積むに 耐える優れた水質なのだろう。

ビジュアルは、奥壁上部にモザイクタイル絵。瀬戸内海の入江に架かる吊り橋と、行き交う船が描 かれている。地域色のあるモチーフを穏やかな感じと印象的な色使いで描いている。美しい優れた タイル絵だ。

また、浴槽のある外壁の中央に緑色の雷文のマジョリカタイルに囲まれた、池に鯉が泳ぐ絵柄の絵 付けのタイル絵がある。関西ではよく見る浴槽配置だけど、ここにタイル絵があるのは珍しいと思 う。

月曜日の18:55から19:45に滞在。雨の日ということもあるけど、相客はなく男湯は終始小生だけ。 それが、坂の途中の静かな郷愁銭湯の印象を増幅させた感じがする。相方によれば、ちょっとハナ 肇似の番台の大将のもとに、女子高生風の娘さんが夕飯を届けに来たという。坂の町・呉の静かな 静かな同湯の夕暮れにふさわしい光景だと感じた。

上がりの一杯は、小さな呉の繁華街である「有楽街」に近い「三とり」。呉には例えば「第三○×」 など、支店の表し方に独特のものがある。「三とり」を意識したのか、近くの「第一とり」には、(三 とりではない)○△の系列店と大書きされていた。

「三とり」は前回も訪れた生け簀からの刺身を提供する魚系の居酒屋。閉店間際なので、半ば仕事 から上がった大将は、孫と戯れるのに忙しそうだった。

《前回訪問:2011.02.04.》

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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          海上自衛隊関係の服を扱う店が何軒かある。




                            「国際服」って何だろう。




                                      有楽街




              寂れたシャッター街になっている。












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