おとめ湯(文京区千石) 2010.08.18

ナカムラです。

今日(8/18)は、「おとめ湯(文京区千石)」に行ってきました。 千石駅(都営三田線)から、0.8キロ、8分くらいです。

千石の古い蕎麦屋が気になっていた。旧小石川林町、かつて林町商店街と呼ばれて賑わいがあっ たらしい。そんな、今は寂れた通りにある、下見板張りの昭和4年築の蕎麦店「進開屋」。内部 も、昔の蕎麦屋はこうだったというイニシエの光景が満ちている。

燗酒と野菜天盛りを注文する。そうしたら、燗は付けるから酒は向かいの酒屋で買って来てほ しいという。多くの蕎麦屋に入って来たけど、初めての体験かも知れない。

腰が直角くらいに曲がったご主人が揚げた天ぷらは素朴過ぎる。お婆さんが担当する蕎麦は、 濃い汁で食べる、普通に満足できるおそば屋さんの蕎麦だった。

何とも風前の灯火感が強い。今日、ここを訪れることができて良かったと強く思う。

風呂は不忍通りの反対側。こちらも戦災を逃れた古い町並みが残る。立ち飲みも出来る「十一 屋酒店」、白い暖簾が掛かるおとめ湯向かいの寿司屋も気になるのは、去年同湯を訪れた時と変 わらない。

おとめ湯は、フロント式であることと、サウナの水風呂が無いことが少し残念だけど、男女湯 の間に庭池がある希有で風情がある構造、和歌山瀞峡の早川さんのペンキ絵、その下に広がる 章仙氏の穏やかかつ雄大な川の流れをモチーフにした絵付けタイル絵などわき役陣に隙がない 優れたレトロ銭湯だ。

何より明るく清潔な浴室。薪焚きの実母散湯は精神の安息に効くし、アクリルの広告看板も昔 の姿で残っている。中庭だけでなく、浴舎の脇や脱衣所の傍らの庭の手入れも手抜かりはない。 再訪してさらに好きになった。

帰りは、巣鴨・大鳥神社を経由して巣鴨駅へ。去年の暮れ、すごい人出の酉の市にやって来た。 市が立っていない神社は驚くほどに小さく感じた。
《前回訪問:2009.06.19.》