差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2011年1月22日土曜日 0:55
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 栄湯(板橋区赤塚)

ナカムラです。

今日(1/14)は、「栄湯(板橋区赤塚)」に行ってきました。 下赤塚駅(東武東上線)から、0.4キロ、4分くらいです。

最近は純レトロ系の銭湯ばかり回っていたので、久しぶりに金曜夜のサウナ重視のピックアッ プ。。。無理やり19:30に会社から遁走。池袋駅経由で東武東上線の下赤塚駅へ。

駅前(北口)に降りれば、下赤塚一番街なる商店街があって、相方はめざとく「フランス製菓」 なるレトロ洋菓子店を見つけている。ケーキ屋ながら「大仏サブレ」なる地元銘菓をも作る創 業40年に及ぶ老舗。

頑固な風貌の老職人は、ショーケースの裏で、既に缶ビールを3缶は空けているご様子。店仕舞い前の晩酌だ。手塩にかけたケーキを勤め帰りの客に、出来る限り売りさばきたい。この老練な職人に似合った風景があった。

惹かれるケーキがあったけど、持って歩けない。。。オリジナルのレトロな包装紙に入ったマドレーヌや普通のサブレ数種を買い求めた。

さて、栄湯。表通りから30メートルほどの花道の奥にある。その両側は舗装もしていない砂利敷き。奥にコンクリ煙突を擁する、黒瓦平入り、白壁の脱衣所棟が見える。昭和32年の築創業というから、長方形で白タイル張りのロビースペースが増築されるまでは、旧来型のエントラ ンスとその両側に前庭があったと想像される。

中に入れば、松竹錠の下足箱。自動ドアを入れば赤じゅうたんを敷いた広いロビースペースが広がる。ぶら下がり健康器や、何枚もの城のポスター、額縁に入ったジグソーパズルなどが貼られている。

カウンターにはサウナ200円と書いてある。しかし、よく聞けば入浴料との合計は600円。同湯に限らず、銭湯はサービス業なのに何故かサウナの料金を明確にしていない。組合発行のマ ップなどには掲載されないし、自らの銭湯のHPを持っている場合もサウナ料金を明らかにしていない銭湯が圧倒的に多い。あまり公にしたくはないという心理を感じるがどうなんだろう か。。。

脱衣所に進めば、3間四方の広さ。折上げ格天井は、折上げ部分に肘木がある凝った造りになっている。壁に張られた白いクロスと合わせたんだろうけど、格子や天板が白いペンキ塗りというのがもったいない。

ロッカーは、島ロッカーが縦置きに1つと、サウナ室の張り出しのため外壁側に不規則に並ん でいる。木目プリントの茶色のもので、錠はシリンダ錠。

何とはない脱衣所ながら、延々、C級な演歌が流れ続けているのがいい。聞いたことがない実にマイナーな曲しかかからない。出来の良くない楽曲ながら、這い上がろうと必死の、あるいは全てを諦めた売れない演歌歌手たちが奏でる歌声。板橋の外れの場末にも合っている。

浴室は、幅3間、奥行4間半ほど。天井は2段型の大型の空間。入って奥壁全面に広がる切り絵調のモザイクタイル絵に引き付けられる。小さな月を中心に茜空が渦を巻く。その渦の中で丹頂が舞い羽ばたいている。小さく描かれた地上には満開の桜や色鮮やかな紅葉が彩っている。 モザイクタイルの中でも1、2を争う幻想的なものだ。

島カランは、やや男女境寄りに1つで、カラン数はセンターから6・6・6・3。床のタイルはパ ール色に鈍く光るもの。カラン周りも昭和末期に張り替えられたと感じのものだ。壁は大判の白いタイル。無地と思ったが、よくみると薄く菖蒲の花があしらわれたものだった。全体的に清潔度の高い、明るくいい浴室だ。

浴槽は、センターから、座ジェット×2、寝湯×2、バイブラ、水風呂。それらが、奥壁から外壁に沿ってL字型に並んでいる。湯の温度はいずれも42度くらい。井戸水を沸かしたお湯が直 ぐに優れたものと分かるいいお湯だ。

最近は建材のリサイクルが進み、以前よりも廃材が集まりにくくなったと聞く。同湯においてもそんな状況で、ならして見れば、重油が7、薪が3くらいの割合になっているという。だだ、小生が入った21:00くらいからは薪焚きに変わっていると教えてくれた。

サウナは乾式。どうってことの無い普通のサウナだけど、例のC級演歌が、浴室には流れてい ないものの、サウナ室では唸っている。相客は競馬ではなく戸田や桐生といった競艇の話で盛 り上がっている。競馬ではなく競艇の話っていうのがなかなかディープだ。

小生は気が付かなかったが「揺れて、名ァ古屋〜…」という聞いたこともない曲が流れていた ようで、上がってから相方と話が盛り上がった。聞けば、歌詞の端々に揺れて、〜名ァ古屋〜 が繰り返されるという、印象的というか、頭から離れなくなる歌のようだ。小生、洗い場に居 たのか、惜しい逸曲を聞きそびれてしまった。

上がりは瓶牛乳を頂いた。明治か森永だったが、その2つはメグミルクより美味しい。金曜日 の21:00から22:00に滞在。相客は10人くらい。いいお湯があって、演歌好きには外せない銭 湯だった。

駅前(北口)にある小さなレトロ中国料理屋が気になっていたものの、既に22:00を回って看 板の灯りが消えていた。上がりの一杯は南口に回り「居食屋・炭旬」という新しそうな炭火焼 き鳥の店に入る。

安いけど、料理はどれも大味な感じがするものだった。一所懸命さが伝わってくる店なので、 今後の変化はあるかも知れない。何より、騒々しすぎる三人組が隣のテーブルに居て相客に恵 まれなかった。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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下赤塚駅前