桜湯(京都市上京区中町通丸太町)

桜湯(京都府京都市上京区中町通丸太町)　2006.11.17

ナカムラです。

今日（11/17）は、「桜湯（京都市上京区俵屋町）」に行ってきました。
丸太駅（京阪線）から、０．２キロ、２分くらいです。

京都大学と京都御所に挟まれた狭い地域。路地も、何かいわく有り気に入り組んでいる。そんな所に同湯はある。

町屋風の二階家。門柱の上に、雰囲気のある三角錘の照明器が載っていて、｢サウナ｣と書いてある。入り口にはアーチ型のエントランス部が増築され、その上に、アンコウのように、やはり電球色の照明器具が付けられている。

こんな銭湯があるだけで、ここの路地が暖かいものになっている。

整備されているので、それとは判らないけど、大正８年に建てられた建物だ。暖簾の下にある、タイル張りの脱ぎ場の形状が優美だ。下足の錠は、旧型のＫＩＮＧ錠。関東ではあまり見ないものだと思う。

番台への戸を開けると、かなりご高齢の大女将が座っている。｢おいでやす｣と声がかかる。いいものだ。京都の料金は３９０円。

天井高さは２間。レトロな板張りで古い天井扇が付いている。
ロッカーは木枠に硝子のもので、中に柳行李が入っている。錠はＫＩＮＧ錠。

その他、旧型のＩＳＨＩＤＡのアナログ体重計、新型マッサージ機、大きな水槽なんかがある。
客も多いんだろう。冷蔵庫にはぎっしりと飲料が入っている。

浴室は、外観とは異なって設備系の銭湯だ。この辺りが関西銭湯の特徴かも知れない。
幅２間、奥行４間。プラ板張りの天井の形状が変わっていて、円弧状が二連で、手前、真中、奥が低くなっている。

最奥には、硝子で囲われた明るいスチームサウナ。客はマットを敷いて使っている。

浴槽は、男女境に縦置きで、奥から３９度のジャスミン湯、４２度の１穴ジェット×２の浴槽、４２度の主浴槽で男女境に作られた３段の段差からお湯が落ちる構造のもの。そして、何の仕掛けのない白湯槽がもう１つある。少し離れて、緩衝地帯側に水風呂がある。

カランは、赤･青レバー式のものが、外壁側に７つだけ。

客は、若い学生風からお年寄りまで幅広く、途切れなく入れ替わっていく。
雰囲気もあって、設備も整ったいい銭湯だ。

女将さんは書道の先生もされているらしい。臨時休業の張り紙の、その優美な字に、思わず見入ってしまった。


	旧京都中央電話局上分局（カーニバルタイムス）　Ｔ１２（１９２３）／設計吉田鉄郎／上京区丸太町通