差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年9月21日土曜日 10:37
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 桜湯(杉並区和田)

ナカムラです。

今日(8/9)は、「桜湯(杉並区和田)」に行ってきました。 東高円寺(東京メトロ・丸ノ内線)から、0.8キロ、9分くらいです。

夕方に広尾で業務終了。霞ヶ関駅経由で東高円寺駅に向かう。この駅で降りるのは初めてかも知れ ない。蚕糸の森公園が広がり、その周囲には街路樹が巡らされた落ち着いた住宅地が広がっている。

暗渠となった川跡の道に向かって緩やかな傾斜を進み、そこを通過すると坂を登り返す。しばらく 進むと”和田帝釈天通り”と小さな商店街に出る。総菜屋、牛乳屋、金魚屋などが残っている。小 さいながらもいい雰囲気の商店街。同湯はそんな一角にある。

昭和26年築創業。コンクリ煙突を有するむくり破風の伝統的木造銭湯。桜が咲く季節に建ち上がっ たたことから、桜湯と名付けられたという。女将によれば阪神大震災を契機に瓦屋根から金属板の 軽量な屋根に変えたという。しかし、伝統的な外観は往時とさほどの違いはないだろう。

エントランスは”箱型”。段を昇って暖簾を潜れば、左右に松竹錠の下足箱がある、ニス塗りの広い 上がりかまちのエントランス。さらに入れば、パーティションで仕切られたスペースにフロントが ある。サウナはプラス200円で下足の木札と引き替えにバスタオルが貸し出される。

脱衣所へ進む。オリジナルは3間四方の空間。それを、外壁側に半間、さらに前栽を潰し縦方向に も1間ほど増築している。女湯側にはサウナ室とフロントにスペースが割かれているので、都合、 幅3間、奥行4間という広さ。壁には焼き色が付いた杉材が横に張られ、天井はオリジナルから張 り替えられている。

島ロッカーはなく、ロッカーは外壁側にブロック錠のシリンダ式の錠が付いたものが並ぶ。旧前栽 のスペースにはテレビとソファーセットが並べられ、上がった後の休憩スペースに充てられている。 その他、TANITAのアナログ体重計、血圧測定機、冷水機などが並ぶ。クーラーが効いた居心地のい い脱衣所だ。

浴室の広さは、幅3間半、奥行4間ほど。天井は木板の2段型。この浴室に足を踏み入れた時、か なり驚かされた。奥壁の野路菊のような柄のタイルの上、高い位置なので丈が2/3間ほどの”帯状” といっていいペンキ絵が描かれているのだ。

丸山さんの手による、男女湯に跨る雄大な富士山のペンキ絵(25.1.24.)。未だペンキに豊かな艶が 残っている。

女将によると”模様のタイルに飽きたから”ペンキ絵を復活させたという。何十年振り。希有なこ とだ。日々通って来るご常連が当初の10日くらい気が付かなかったと女将さんは笑っていた。ロビ ーなどに多く掛かっている絵を入れ替えても、暫く経ってからその変化を指摘されるという。。。新 しいペンキ絵は匂いがすると思うけど、有りそうな話ではある。

島カランは2列で、カラン数はセンターから6・5・5・5・0・0。昭和末期頃の中普請だろうか、床 は6センチ角の四角のベージュ色で滑り止めの突起があるレトロではないけど古いタイプのもの。 全体的に同湯のタイル遣いは品が良く惹きつけられる。さすが、絵心に通じた方が経営する銭湯だ。

浴槽は、奥壁から外壁側にかけてL字型に連なっている。センターから、気泡湯の深槽。主浴槽に は2穴ジェット×1、電気、2点スーパージェット、7点座ジェット×1。そして、リスが壷を抱える 陶器の吐水口がある水風呂。浴槽の内側に深緑色の丸タイルが使われているのはなかなかいい。

もちろん、井戸水を重油で沸かしたお湯は柔らかく、42度弱。夏仕様の絶妙の温度になっている。 水風呂も冷たくなく温くなく寛ぐことができる好みの温度。窓からは夏風。ついでにカナブンが飛 び込んできて、ひとしきり浴室を舞った後に出て行った。夏だなぁ。。。そんな中で、嬉々としてサ ウナと水風呂を往復する。

ビジュアルは、奥壁のペンキ絵のほかに、男女境にモザイクタイル絵がある。松林の間に紺碧の日 本的な海の風景が描かれている。行ったことないけど、松島を描いた絵だろうと思う。

金曜日の18:55から19:45に滞在。相客は10人弱。上がりには久し振りに風見飲料の”タワーラム ネ”80円を頂く。女将さんに勧められ、見たこともない高機能のTANITAの体重計に乗る。体重だ けでなく、体脂肪をはじめいくつものデータが表示された記録シートが打ち出される。身体年齢が 実際より8歳ほど若かったので気分が良くなる。

まだまだ、こんなにも素晴らしい伝統的木造銭湯が近くに残っていることに驚くやら反省するや ら。。。

上がりの一杯は、予め相方が目を付けていた和田帝釈天近くの蕎麦屋系居酒屋「まん月」。しかし、 人気店のようで満員で入れなかった。暑いけど、地元に戻って、いつもの居酒屋へ。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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