差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年4月30日日曜日 8:40
宛先: 銭湯ML
件名: さくら湯(横浜市中区鷺山)

ナカムラです。

今日(4/23)は、「さくら湯(横浜市中区鷺山)」に行ってきました。石川駅(JR根岸線)から、1.0キロ、15分くらいです。

途中には「山手トンネル(昭和3年)」という重厚な近代化遺産がある。関東大震災の復興事業として造られたもので、これによって横浜と本牧の間の地蔵坂越えがなくなった。今となっては218メートルのただのトンネルだけど、一見の価値はある。

石川町駅のホームからフランス山庭園に「外交官の家」が見えたので、今日は山手トンネルを通らず、フランス山を登る。ブラフ18番館と渋谷南平台にあったガーディナー設計の旧内田邸(重要文化財)が移築されている。どちらも無料だけど、閉館時間前の雨降り。訪れる人はまばら。ゆっくりと建物に接することができる。

フランス山からは、二度と辿れないような複雑な細道で麦田に下りる。同湯はもう間近だ。本牧通りから少し奥に入った、崖の袂にある。傍らには暗渠化されているけど川があり、橋を渡って入る。川が暗渠化され、同湯がビル銭に替わる前は、近くの山手トンネルとも相俟って、独特の雰囲気を持っていただろう。今は、2階建てのビル銭で、後方に四角いコンクリ煙突が立っている。

エントランスを入るとおしどり錠の下足箱。自動ドアを通って、フロントスペース、自販機が2台、アイスの販売なんかもあってゆったりしている。「サウナとで。」と女将に言って、590円払う。「10円おまけ。」と言いながらバスタオルを貸してくれる。

脱衣所は3間四方くらい。2階に居宅が乗っているからか、天井は1間半弱程度でやや低い。真中に万能台というか、幅広のベンチがある他、デジタル体重計、飲料の自販機などがある。ロッカーは外壁側とフロントとの背側で、錠は「Oshidori」と刻印のあるブロック形状のもので、小さな板鍵をシリンダ錠のように捻るもの。レアというほどではないけど、少数派だ。また、脱衣籠も積まれていて、現役で使われているようだ。

浴室は、幅3間、奥行3間半程度。天井の高さは2間でプラ板張り。島カランは1つで、カラン数はセンターから6・5・5・7。床はパール色のもので照明は蛍光灯のほか、男女境に電球色の照明器があり、雰囲気を和らげている。

浴槽は、センター側に薬湯の副浴槽。釜場への通路を挟んで、8点座ジェット×2、ミクロバイブラとデンキの主浴槽。薬湯は「海草湯」とあるやや緑がかった初めて見るもの。

サウナは外壁側に、脱衣所に食い込む形で設置されている。4、5人用といった感じ。水風呂も脱衣所方にある。しかし・・・、同湯の客には刺青をしている若い人が多い。本牧が近いからか洋物の絵柄の人や純和風の見事な人も。刺青は、人間というか背負う者の器とバランスが取れていないと、迫力というか真に見事だとは感じられないようだ。なかなかバランスを取るのが難しい・・・。

サウナはなかなか居心地がいいもので、水風呂とサウナを3、4往復する。

ビジュアルは、奥壁に古いものではないけど絵付けによる大きなタイル絵がある。長瀞なのか、瀞を舟が下っているものを描いている。

上がりはエビスビール260円。自販機のビール・発泡酒の銘柄が多彩だ。キリンだけでラガー、ラガークラシック、一番搾り、秋味、淡麗生。サッポロも黒ラベルとエビス、まだあったような気がする。

女湯の客は「これ春菊?」と女将に尋ねている。春菊の花というのを初めて見る。鑑賞に堪えうる可憐な黄色の花だ。

日曜日の17:00から18:15の入浴で、相客は10数人といったところ。休日の夕方にちょっとサウナでもという感じの客が半分くらいかな。

麦田は市電の車庫があった場所で碑が立っている。市営バスで麦田バス停から野毛に出て、「トモ」へ。今日は野毛の大道芸だったらしく、品切れも多いし、女将一人では注文を捌き切れず混乱していた。大根を筍で包んで揚げたものと、筍とミョウガのおしんこで「菊水」を一杯飲んで、料理もなかなか出てこないし、落ち着かないので直ぐに出る。いい店だけど、女将一人じゃ仕方ない、また普通の日に来ることにする。

中区鷺山さぎやま) [昭和8年4月1日設置]

町名の由来
昭和8年の町界町名地番整理事業の施行に伴い、根岸町の一部から新設された町です。

古くは久良岐郡(くらきぐん)根岸村といい、明治34年の横浜市編入の際、根岸町となりました。

町名は字名を採りました。横浜本牧三之谷生まれの作家、平塚武二(たけじ)(1904−1971)は『ヨコハマのサギ山』の中で「横浜に、サギ山という山があります。山といっても、高い山ではありません。昔、そのへんにサギがいたのでしょう。こんもりとした丘です」と書いています。町内を根岸線のトンネルが通り、中央を町名に由来する「鷺山竹之丸通り」が通っています。

「横浜の町名」(横浜市市民局)より