桜湯（名古屋市西区名駅）

差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2006年5月14日日曜日 0:37
宛先: 銭湯ＭＬ
件名: 桜湯（名古屋市西区名駅）

ナカムラです。

今日（5/5）は、「桜湯（名古屋市西区名駅）」に行ってきました。
名古屋駅（東海道本線）から、０．６キロ、１０分くらいです。

「金時湯(中村区竹橋)」か同湯か、駅の反対側だけど、どちらかが名古屋駅に最も近い銭湯だろう。
今日は、携帯から１９：５４発の「のぞみ」のチケットに予約を入れてある。
一日の疲れを癒し新幹線で寛ぐには、一風呂浴びるのがいい。

中村遊廓跡から名古屋駅へ戻る。途中の｢住吉温泉｣は、去年訪れた時は廃業したのか営業の気配を感じなかった。今回通ると営業している。そして、金時湯の前を通過。恐らく、次回名古屋に来た時は、帰り際に入ることになるだろう。

さて桜湯。名古屋駅は名駅と略されるが、同湯はその｢名駅｣という地にある。位置する道は、表通りと平行する古くからの道のようだ。同湯以外にも古い建物がある。

同湯は創業１００年を超える。現在の建物も昭和１５年頃に建てられたもの。２階は古色蒼然とした町屋になっていて、一階部分はモルタルと腰周りは石が張られている。

表の暖簾を潜ると、番台裏が「ハ」の字型になっていて、男女湯の硝子戸の上にまた暖簾が下がっている。入るとコンクリのたたきに番台が立っている。白と緑の化粧板の張られたもの。番台自体は、それほど趣きがあるものではない。女将に３８０円を払う。

靴脱ぎと脱衣所の境は、緑色の豆タイルで処理されている古風な造り。下足箱の扉は、扉を手前から上に引き上げる名古屋式だけど、肉抜きの金属扉のほか、木製格子扉の古いものもある。

脱衣所の広さは幅３間四方。その他に入口側に１間の奥行きのタタキ、浴室側に奥行１間半の緩衝地帯があって、半分が流し、半分が屋外の壷庭になっている。天井は２階があるので、さほどの高さはない。壁は昭和中期的な新建材が張られている。

ロッカーは、扉の真中が縦縞の硝子のもの。錠は｢SEKIYA｣製。その他、日本海衡機工業のアナログ体重計。テーブルと歴史を刻んできた木製の縁台、男女境は一面の大きな鏡が張られている。

浴室は、幅３間、奥行４間ほど。コンクリ造の浴室だ。
床はレトロな亀甲タイルが平滑に張られている。カラン台の下だけでなく、センター浴槽との間にも真鍮の蓋を載せた溝が縦に２本走る。壁は正方形の白タイル。

カランは温のみのものが、外壁側に１０、男女境側に７くらい並んでいる。

実にレトロな浴室が、清潔に維持され、そのまま残っている。

清潔さえの自信からか、同湯には椅子が置いていない。つまり、床にペタンと座る他に方法はない。椅子がない銭湯は初めての遭遇かも知れない。まぁ、常連客は「マイ椅子」をロッカーに入れてる向きもあるようだけど･･･。

浴槽は、センターに古風な小石形の豆タイルが側面に張られた小判型のものが１つ。これが、深浅２つに区切られている。真中にジェットがあり、静かな浴室に｢シュー｣という何処となく懐かしい音を出している。

今日は、５月５日の子供の日。子供の客どころか、相客すら居ない中で、久し振りに主浴槽で菖蒲湯を楽しむ。夏を前に、毛穴を殺菌する効用があるという。

その他、奥壁に白濁した薬湯槽、デンキ槽、２穴ジェット×２(縦･横各１)がある。

上がりはビールを頂く。
相客が居なかったものの、写真撮影のお赦しは頂けなかったけど、こんなにも名古屋に近いところに典型的レトロ銭湯が残っているのは貴重だ。時間が無いので、入れなかったけど、向かいに良さ気な飲み屋がある。

名古屋もなかなか、レトロなものが残る面白い町だ。また、何回か通うことにだるだろう。新横浜まで１時間半はかからない。

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ナカムラ　（Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com（風呂屋の煙突）
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