差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年4月25日日曜日 11:36
宛先: 銭湯ML
件名: 桜湯(横浜市磯子区)

ナカムラです。

今日(4/24)は、「桜湯(横浜市磯子区滝頭)」に行ってきました。

横浜市歴史博物館で「東海道と戸塚宿」を見た後、阪東橋駅(横浜市営地下鉄)で降りて、市営バスで根岸橋まで10分くらい。そこから歩いて5分程度です。
根岸駅(JR根岸線)からだと1.8キロ、20分くらいです。

「大盛館(横浜市磯子区上町)」の予定だったけど、寒い小雨の中、「美人湯跡(横浜市磯子区上町)」、「大盛館」、「金晴湯(横浜市磯子区岡村)」「桜湯」と見て歩いたら、身体が冷えたし、戻るのが億劫になってしまった。大盛館より、桜湯の方がボロそうだし・・・。

一見して変った構造の銭湯だった。
木造の銭湯だけど、トタン張り脱衣所棟は2階建てになっていて、2階は外付け階段で出入りするアパートになっている。
高さは2.5階建といった感じ。

2階建のアパートにモルタルのエントランス部が付けられている。
両サイドに玄関灯が付いていて、そのカバーにマジックで「桜湯」と書かれている。
暖簾をくぐると、正面におしどり錠の傘立て。下足箱もおしどり錠で60個ほど。

同湯の左側が駐車場のオープンスペースにつき、左側が男湯になっている。
自動ドアを抜けると全面がカーブした新建材を張った番台。女将は女湯側に立っていてテレビを見ている。
脱衣所は、幅3間、奥行3間半。天井は木目調の天板が張ってある。高さは格天井のような高さはないけど、低くもなく、圧迫感はない。
ロッカーは、島ロッカーが縦置き(40個)なのと、外壁側に24個のロッカー。錠はおしどり錠。

その他に、洗濯機、Keihinのメインの目盛りが「貫」となっているアナログ体重計、ヘルスメーター、足ツボマッサージ、テープで補修だらけのソファー、冷蔵庫などがあった。
男女境の大きな鏡は、「贈」と書いてあって、下にこの銭湯の工事関係者がずらりと記載されていた。
施工は、「幾久の湯」でその名を教えてもらった、貫名工務店だった。
おしどり錠の下には「笛吹」と書いてある。どこかでも見たことがある。おしどり錠の会社名は笛吹なのかな・・・。

浴室は幅3間、奥行4間。余計なものは何もないだけに広々とした印象。
天井は2段型。脱衣所の上に2階が乗っているので、脱衣所側の男女境に1本支柱が立っている。また、脱衣所側の天井もカーブしている。

特徴的なのは、普通は奥壁側の男女境の所にある釜場への出入口がない。
釜場は浴室棟の後ろではなく、向かって右側、つまりは女湯の向こうにあるようだ。
男湯には、脱衣所側に女湯へ抜ける?サッシの戸があるだけ。どういう構造か、戸の向こうは暗くなっている。

島カランは1列で、カラン数はセンターから、6・5・5・6。カランは日の丸扇の刻印がある取っ手が茶色の5角のもの。すべてにシャワーが付いている。
タイルは床(パール色)、カラン周り(肌色の大理石模様)とも新しいものに改修され、古いタイルは残されていない。

浴槽は、外側の深槽が薬湯で温度は40度くらいと温かった。浅槽は1穴ジェット×4で温度は43度くらい。
この「共立式超音波温浴泉」の効能書きのホーロー看板が、脱衣所の男女境に、古い広告看板とともに立て掛けられていた。
そういえば、このジェット(超音波風呂)っていつ頃出てきたのかな。小生が小学生の頃だから、もう30年以上になるハズ・・・。

ビジュアルは、奥壁に早川師の伊豆海岸、平成14年6月10日とある。
男女境の上に男女ぶち抜きの富士山が描かれている。
早川師の特徴である、波にぶつかってはじける白波は、男湯側に描かれている。

ただ、ぶち抜きの富士山の下にSEIKOのクォーツ時計が掛かっている。
これは、どうかなぁ・・・。脱衣所側にある大黒柱に付けている銭湯が圧倒的だから異色ではある。
ペンキ絵の下には、よく見るモザイクタイル絵。洋館、湖、舟、山という絵柄のもの。

そして、男女境にもモザイクタイル絵があるけど、これが珍しく日本調のものでなかなかいい。
宮島なのかな、水に浮かぶ赤い鳥居、松、舟、山という絵柄。落ち着いた感じの日本の風景になっている。

小雨が降っている土曜日の18:00から18:45に滞在。相客が出た後は、小生1人、とても贅沢な空間だった。
帰り際に1人やってきたけど、客が1人なのは変らない。
200メートルくらいしか離れていない「金晴湯」が最近改装されたのか、ピカピカだったので同湯は辛いかも知れない。

帰りには、住宅地の真中にある、混んでいた焼き鳥屋で休憩。
爺さんと婆さん2だけの小さくかなり質素な焼き鳥屋。昭和30年代的な空間。混んでいるので、なんらかの価値があると思って、帰りに寄ろうと決めていた。
味は並だったけど、生ビール1杯と焼き鳥11本食べて850円。格安だった。

帰りは、市営バス9系統で、磯子ホーム前から井土ヶ谷駅、弘明寺駅、保土ヶ谷駅と経由して横浜駅まで遠回りして帰った。
乗った時は相客が1人、横浜駅で降りた時は小生のみ。夕刻のバスも、ゆっくりと時間が流れてた。





掘割川


旧美人湯