差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2013年6月29日土曜日 8:27
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 三谷浴場(武蔵野市西久保)

ナカムラです。

今日(5/24)は、「三谷浴場(武蔵野市西久保)」に行ってきました。 三鷹駅(中央本線)から、0.9キロ、10分くらいです。

三鷹駅の繁華な南口は三鷹市。北側は武蔵野市。裏口といっていい北口を北上した、三谷(さんや) 通り商店街にある。

コンクリ煙突を有する黒瓦を頂く伝統的木造銭湯。平入りの脱衣所棟にむくり破風のエントランス が付いている。前栽が広く、前面道路から2間ほど奥まった所に紺地に「三谷浴場」と染め抜かれ たオリジナル暖簾が強い風に揺れている。また、庭が広いせいで、それを囲む塀にある樹脂製の目 隠しもアンバランスに大きい。アプローチがコンクリートの塊というのも風情に欠ける。

暖簾を潜れば、正面に傘入れ、左右におしどり錠の下足箱がある広いエントランス。番台裏のガラ ス窓が開いて、季節が夏に向かっていることを感じる。

番台への扉を開けると木目プリントの前面がカーブした番台。大きい銭湯ゆえ高さがある。

脱衣所の広さは、幅4間半、奥行4間ほど。島ロッカーはもとより、基本的に無駄なものが一切な い広々とした空間が印象的。天井は格天井ではなく、木製の天板が張られたフラットなもの。

ロッカーは、1間の幅で増築された外壁側にのみある。この部分の天井は一部がガラスで天井から 陽が込むようになっている。ロッカーの錠は”Oshidori”の刻印があるブロック状の錠前で、小さ なアルミ板鍵をロータリー式に使うもの。丸籠も現役で使われている。

広い前栽への戸が開け放たれ、庭池はないものの濡れ縁を介して手入れされた庭木を眺めることが できる。表に通じる扉に非常口を示すイルミネーションがあるのに驚かされる。

基本的に最小限のものしか置かれていない。天井まで伸びた観葉植物の鉢、メダカが泳ぐ小さな水 槽、冷蔵庫、Hokutowのアナログ体重計。これらが広い脱衣所にあるものの全て。

浴室は、幅3間半、奥行5間。天井は最高部が3間の高さがあるカマボコ型でプラ板が張られてい る。

島カランは、鏡すらないプレーンなものが1つで、カラン数はセンターから7・5・5・6。床のタイ ルはユリ模様の白とグレーのタイルが井桁状に使われている。壁は白の大判のもの。古いタイルは ない。

浴槽は、奥壁に接した深浅2槽。浅槽は2穴ジェット×2があるシンプルなもの。しかし、焚出し 口からは、井戸水を薪で沸かした清澄なお湯がふんだんに供給されている。温度も42度くらいで心 地いい。深槽は何らの仕掛けのない素の浴槽で、やや熱めの43度くらいのお湯を通し、浴槽の底の タイルがはっきりと見通せる。

ビジュアルは、外壁側を除く3方にある。奥壁には早川さんの「北海道/大沼(H11.4.26.)」のペン キ絵が残る。しかし、ヒビ割れがひどい空部分は綺麗に剥がされ、雲と駒ヶ岳などに、早川さんと は異なるタッチの補修が入っている。男女境には鳩を描いた珍しいモザイクタイル絵。脱衣所と浴 室の間にある透明な硝子窓には、回教寺院やオリエンタルな装いの女性と花壺を描いたガラスエッ チング画。低い位置にあるので、近くで大きくながめることができる。

金曜日の20:00から20:50に滞在。広くて清潔。女将さんの人柄もあってゆったりとした銭湯で好 感が持てた。しかし、相客はこの大型の銭湯に4人ほど。1人は孫娘の運動会を観に大阪からやっ て来たという一見客。こんなにも大きな銭湯だけど客は少なかった。

上がりの一杯は、三谷通り商店街の「山形料理/もきち」。往路気になっていた郷土料理を売りにし ている居酒屋。しかし、目当ての芋煮(芋っこ汁)は冬の限定メニュー。山形名物の玉こんにゃく は品切れだった。同じ居酒屋でも神奈川とも城東の酒場とも明らかに雰囲気が違う。時間がゆった りと流れ、客の顔に浮かび上がる喜怒哀楽も穏やかな感じがする。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
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