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ソール・ライター展(Bunkamura ザ・ミュージアム)
 2017.05.13.




旧玉電ビルディング〔昭和13年築〕3階から発着する東京メトロ渋谷駅。
玉川電気鉄道は当ビル計画後に東急に敵対的買収され、東急系列だった銀座線の駅がここに設置された。
2階は買収された玉電の駅、山手線、井の頭線に接続。乗り換えのキーとなる建物になっている。
さらに、1階には玉電天現寺橋線が乗り入れていた。

渋谷のBunkamuraのザ・ミュージアムでやっている「ソール・ライター展」を観に出かけた。知らなかった写真家けど、アメリカの黄金期のファッション雑誌ハーパース・バザーでリチャード・アベドンと両雄をなすように誌面を飾った商業カメラマンだったようだ。

しかし、今回の写真展は本人曰わく”生きるために撮っていた”ファッション誌の写真ではなく、未だカラー写真が作品とは認められていなかった時代に、仕事の余りだろう期限切れのフィルムで撮影された私的なニューヨークのストリート写真。不思議な色合いは期限切れフィルムの影響らしい。

カラー写真が写真作品として認められる頃には商業写真の第一線から身を引き、一方で私的に写真とは関わり続け、30年近く経って写真集『アーリー・カラー』が出版されて再評価された。写真集のタイトルは、カラーが写真作品として認められた1970年代半ばの”ニューカラー”を意識したネーミングだろう。

”印象的な光景を撮るのにわざわざ地球の裏側まで出かけて行く必要はない”と1950年代の自宅周辺だけを撮影している。力まない構図とシャッターチャンス。その自然な感じに惹き込まれる写真が多かった。

相方は木村伊兵衛や桑原甲子雄に似た雰囲気で、構図は安藤広重の浮世絵だと言いながら観ていたけど、なるほどそんな写真だった。




ソール・ライターは、ラボマンがもう勘弁してほしいという程に傘の写真が多い写真家だった。










ミュージアム横の喫茶室でオーガニックのアールグレイ。ウィルス性胃腸炎に罹り、酒等の刺激物は”謹慎中”。