差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2009年5月17日日曜日 14:38
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 下風呂温泉・大湯(青森県下北郡風間浦村下風呂)

ナカムラです。

今日(5/4)は、「下風呂温泉・大湯(青森県下北郡風間浦村下風呂)」に行ってきました。 下北駅(大湊線)からレンタカーを走らせ、30キロ、50分くらいです。

現在は、掘削技術の進歩で、至る所で温泉が出ている。下風呂温泉も現在では本州最北から3番目の温泉になってしまったけど、室町時代の古文書にもその名が出てくるような歴史ある温泉だ。 「下風呂」とは、アイヌ語の「臭い岩」から来ているという。刀傷に効くとされた淡い硫黄の温泉が湧いている。

さほど大きくないこの温泉街の離れていない場所に、古くから「大湯」と「新湯」という2つ の共同浴場がある。いずれも、今は素っ気ない切妻の体育館風の建物で、温泉場の風情といっ たものは乏しい。むしろ、安造りの銭湯といった趣きだ。

この共同浴場は、長らく下風呂の集落により所有し管理されてきた。しかし、近年に風間浦村の所有に移った。村営になったゆえに、漁師を中心とした村民から、大きくて、きれいで、設備が立派な施設への要望が高まっている。浜の方に新しい設備が出来れば、伝統的なこれらの 共同浴場が廃止される可能性が高いようだ。

坂の途中の踊り場的なロケーション。男女それぞれの暖簾の間にプラスチックも入浴券の自販機がある。下風呂の集落の人が100円、風間浦村の村民が150円、その他一般客が300 円と価格差が設けられてる。

暖簾をくぐれば簀の子を敷いた靴脱ぎスペースと下足棚。さらに戸を開ければ番台があって、 まさに普通の銭湯と同じ光景がある。壁に先代建物の写真が掲げられていた。現在の建物とは 全く異なる木造の洒落た洋館風の建物だったようだ。

浴室は、脱衣所からは階段を2段ほど降りた、幅3間、奥行6間ほどの広いスペース。天井は への字型で真ん中に四角い湯気抜きがある。この屋根は太い柱や梁で支えられているようで、 男女境の上には立派な梁がクロスしている。

カランは外側に混合栓のものがいくつかあるだけ。床は木製。浴槽は男女境に接した掘り込み 式のものがやや離れて2つある。一方が熱くて、もう一方が低温なのだけれど、熱い方は47 度以上あって入れない。ぬるい方も45度以上はある。普通の銭湯だったらかなり高温の部類 に入る。

相客は小生と同様の旅行者が1人だけ。彼が水をドバドバと投入していたら、「まだ入れませんか」と女将さんに軽く注意されていた。

旅館のお湯は、源泉が違うことと旅行客仕様の温度だった。しかし、ここは漁師を含めた地元仕様の温度。全く異なっている。ただ、ほのかに硫黄が香る温泉はいずれも優れてたものだ。 長い歴史を生き抜いてきた温泉街だけのことはある。

*************************************************
ナカムラ (Masayuki Nakamura)
メイン:masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp  
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
*************************************************






さつき荘


温泉街


打ち捨てられた大間までの未成線の跡
ペンキが塗られ、遊歩道として整備されている