目次へ

差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2015年6月20日土曜日 23:14
宛先: 銭湯ML (sento-freak@freeml.com)
件名: 四の湯温泉(別府市亀川四の湯町)

ナカムラです。

今日(2/18)は、「四の湯温泉(別府市亀川四の湯町)」に行ってきました。亀川駅(JR日豊本線)から、1.1キロ、12分くらいです。

赤線跡で、今でも転業旅館が並ぶ仲間通り。その「北部旅館街」の海側に位置する「山田別荘(昭和5年築)」に宿を取った。海は埋め立てられて遠くなったものの、直ぐ近くまでが海辺だったんだろうと想像される。

繁華街で廃業スナックなどが並んだ梅園小路の「梅園温泉」か、亀川の「四の湯温泉」のどちらに入るか迷ったけど、より別府らしい温泉に入ろうということで、半日ほど市街地を散策した後、大分方面に2駅戻る亀川駅に向かった。

先ず、竹瓦温泉より2年ほど古い建物の「旧浜田温泉(昭和10年/現浜田温泉資料館)」を見て、さらに、道すがらに建て替え目前の亀陽泉、バラック然とした亀川筋湯温泉を見ながら、駅から1キロほどの「四の湯温泉」へ。

町名が先なのか温泉が先なのか「亀川四の湯町」という地名。この市営の温泉はかなり古くから有るようだ。古風に見える木造の建物は昭和40年代築。実は見かけほどは古くはない。

幾つか遊具が並ぶ校庭のような広場。その奥に分教場のような木造の建物がある。入口正面に小さな窓口があって、相方が湯屋番のおばちゃんに2人分の湯銭200円を払う。湯桶を持っていないのを見て、桶を2つ貸してくれた。この桶は有料という噂もあるけど、本当の所はどうなんだろうか。

そして、おばちゃんは正面の窓口から小生が”下手な鉄砲”を数撃っていたのを見ていたんだろう。”写真撮りまくりだね”と茶化された。一発必中とは対極の鈍臭さ。いつもながらに少々気恥ずかしい。

男湯の扉を入り、幅1間ほどの階段を2/3間ほど降りると、別府の温泉の多くがそうであるように、引湯のため半地下に浴室がある。男湯だけで幅4間、奥行5間の大きな空間だ。木板張りの天井には簡素な菱形のメダリオンが2つある。現在は蛍光灯の照明器になっているけど、元々はここにつるされた裸電球が浴室を柔らかく照らしていたのだろう。

独立した脱衣所はなく、湯舟の直ぐ傍ら、外壁側に簀の子が敷かれ脱衣スペースに充てられている。壁には四角く区切った脱衣棚(3段×16)が設えられ、その下が靴棚になっている。何れにも鍵などはないけど浴室のどこからでも見通すことが出来る。もっとも、ここには湯道具しか持ち込む者はない。

浴槽は中央に掘り込まれた大きな大きな小判型。床のタイルは赤と黄色のタイルが3D然と張られている。湯温は42度強。あっさりとした泉質。

飲泉場はあるけどカランは無い。もちろん椅子なんて物もなく、みんなべた座りで湯船からの汲み湯で石鹸やシャンプーを使う。クセの無い湯質なので、白湯同様の使い方が出来るようだ。

ビジュアルは無い。男女境に幅2間ほどで温泉の能書きや、別府温泉病院による温泉の入り方がしたためられている。

陽の光が段々と暗くなって行く頃、寛ぎのゆったりとした雰囲気の中で浴室の光景が少しずつ移り変わる。

ご常連たちは、半地下の浴室内に降りてくる時と、湯船に入る時との2回、先客に挨拶をする。市営の温泉だけど竹瓦温泉のように観光客はいない。礼儀正しい地元の方のみが訪れる。

壁に小さく『温泉の恵みに感謝』とあった。薪や油を燃さずして大量の湯がここに有る。温泉という恵みの偉大さと、苦労して湯を沸かす銭湯というものの尊さに思いを巡らしていた。

水曜日の17:55から18:35に滞在。いつも小1時間を目安としているけど、同湯では上がってから脱衣所で寛ぐということもない。この時間で十分にゆっくりとすることが出来た。

かなり遠回りにはなるものの、同湯の前には別府駅行きのバス停がある。バス停の名前は「四の湯前」。

*************************************************
ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://furoyanoentotsu.com(風呂屋の煙突)
*************************************************









                   居酒屋・夢倉庫




                            隣湯の亀川筋湯温泉に強く惹かれる