差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2003年11月9日日曜日 14:27
宛先: 銭湯ML
件名: [sento-freak:04543] 新湯(横須賀市吉倉町)

ナカムラです。

今日(11/8)は、「新湯(横須賀市吉倉町)」に行ってきました。
新川崎駅から横須賀線に乗り、居眠りしてたら横須賀駅です。
(最寄駅は安針塚駅(京急)です。)

横須賀駅は町外れ。マニアなジャンルには、再開発と後継者難で消えていく「駅前食堂」という分野もあって、横須賀駅前には「旭野食堂」というのがあります。客は小生のみ(どこか銭湯に通じる雰囲気だなぁ・・・)。和・洋・中すべてのメニュー(短冊)が壁に貼ってあり、なかなかの「駅前食堂」的な雰囲気。小生、久し振りにカツ丼(並)を食す。なかなかに美味しい、B級的な味だった。

さて、新湯。
横須賀駅から、16号線を横浜方面に15分程戻り、道からほんのちょっとだけ奥に入ったところにあります。ここらの16号はまさに軍用道路。今でこそ普通だけど、造った時代は、桁外れな高規格道路だったはず。ポルシェがかなりの速度で通過していった。土曜日の19:00。歩いているやつなんて、ほとんどいない。

新湯到着。入口には、穴あき銭の暖簾。入口両サイドと暖簾をくぐった正面に計3種のタイル絵。
それぞれタイル4枚で構成されている。銘等はない。

下足箱は松竹錠。スノコに上がって、靴を箱に入れる。番号は28番まで。横須賀標準の小銭湯である。脱衣所に通じる戸は格子にギザギザガラスが嵌められているもの。マジックで男湯と書かれていた。

外でストロボ焚いたら、親爺が出てきた・・・。もろ、ガラス戸だからな・・・。さらに、幅がない小道なので、小生の35ミリのレンズ(ベッサR+カラースコパー35ミリ)では入口の全容をフレーミングできんんかった・・・。

番台は小ぶりかつ低め。男女の境の通路はカーテン。これも横須賀標準。天井は縦長の天板を並べたもの。真中に蛍光灯が走っているけど、旅館の天井に似ている。壁側に常連桶を置く台があるだけで、この銭湯にはロッカーがない。脱衣カゴが30個ほど積まれているだけ。横須賀ではロッカーが使われていない銭湯はあるけど、1個もロッカーがないのは初めてだ・・・。

梁は太くしっかりしている。戸、窓枠は木で、しっかり組まれている。床は古い板の間。しかし、番台や壁が今風の壁紙が貼られているので、風情はない。流しも今風の扇面台。しかし、「故障」の張り紙。

ここだけはアルミという、浴槽へ通じる戸を開けると、建物の躯体は、古い造りなんだろうけど、タイルはすべて新しいもの。カラン台もすべて新設されらのだろう、角張っていて幅も広い。桶は町で売っている普及品。椅子は緑椅子。

島カランは1つ。カランはセンターから、5・4・4・5。シャワーはセンターと壁側のみ。しかし、10個のうち4つはシャワーがもげている。カランは和栗工業の角張ったもの。しかし、どういうわけか、センターの1つ、それも水だけが、ボール型の取っ手の旧型のカランが残っている。

センター全面(縦5枚×横37.5枚)がタイル絵となっている。しかし、7割くらいが白タイルというシンプルなタイル絵。断崖からリックを背負った親子が海を眺める図。海には3羽のかもめ、2艘の帆舟、海と岩礁があるだけ。大半が白タイル。これはこれで、抑制が効いた、上品な美観がある。

子供がカメラを持っているけど、古い二眼レフのカメラのようにも、今のビデオカメラのようにも見える。さほど、新しいタイル絵ではない感じがしたが・・・。どっちなのかな・・・。

ペンキ絵の箇所はペンキ絵で塗りつぶされている。先月の27・28日に休業して、天井、壁のペンキを塗り直したとき、塗り潰したとのこと。
「もう描かないんですか・・・?」「描かなきゃ、恰好つかないよね」と主人から替わった女将の言。来たタイミングが悪かったなぁ・・・。恐らく、この銭湯の印象が全く異なると思う。いつの時代の建物かは判らない。(昭和44年から)経営を引き継いで34年になるとのこと。

天井は2段型。当然小ぶりなんだけど、張り出し部分に曲線がなく角張っている。浴槽は深浅2槽。浅い方は2穴ジェット×2、深い槽はバイブラバス。温度は結構熱くて、43度かもう少しあったかな。深い方はさらに高い。横須賀の銭湯は、例外もあるけど、結構、熱い湯の銭湯が多い気がする。

内装はほとんど入れ替えられ、風情はない。強いていえば、センターに設置されている蛍光灯の支柱が、金属棒をアールデコ調に曲げてつくったものであることと、釜場の戸が、青いペンキで塗り潰されてはいるけど、板を組んだ旧型であることくらいかな。

それと、汐入の「亀の湯」もそうだったけど、釜場の入口の高さが階段を2段上がってと高い。
まぁ、登るヤツはいないだろうけど、登れば男女の境の上に顔が出てしまう。

帰りは横須賀駅(JR横須賀線)の半分の距離しかない安針塚駅(京急)へ。
しかし、道を一本間違え、急階段を登るハメに。
階段の上に、安針台という巨大マンション群。横須賀港が見渡せる。
高台からは、エレベータで駅まで降りられる。
交通の便は悪いが、すごいマンションだ。