差出人: Masayuki Nakamura <masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2011年10月26日水曜日 20:05
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 塩湯(新宿区三栄町)

ナカムラです。

今日(9/17)は、「塩湯(新宿区三栄町)」に行ってきました。 四ッ谷駅(中央本線)から、0.4キロ、5分くらいです。

銀座・松屋で、充実した「没後50年・日本民藝館開館75周年 −暮らしへの眼差し− 柳 宗悦展」 を観る。四ッ谷の純喫茶・ロンを目指すがお休み。散歩しながら、かの夏目漱石が入院したという 「胃腸病院」、柳ショップの入るエーデルホーフ第一ビルなどを眺める。偶然に、前川國男の設計事 務所や動物写真家の岩合光昭氏の事務所などに遭遇する。。。

そして、最小クラスの仕込み量という地ビール屋”高円寺麦酒工房”で開催される飲み会の前にひ と風呂。三栄町の「塩湯」に向かう。

趣ある住宅が残るこの地域にしては昔ながらの細い路地にある。複雑に増築を重ねたパネル張りの 建物。一見、ビル銭湯のように見える。しかし、あと、7、8年で創業100年にならんとする老舗。 現在の建物も戦前築という。文字通り隠れた伝統的木造銭湯だ。

エントランスには、料亭で使われているような鈍い光沢のある紫がかった黒の、高級そうなタイル が張られている。「塩湯」という看板もこれまた艶っぽい和風だ。

雨風があるわけではないのに、何故か1/4くらいシャッターが閉まっている。そして暖簾を潜れば、 番台裏にガラスケースに納められたような壷庭のディスプレイがある。

半間強という奥行きが無いエントランス。Sakura-G錠プラ鍵仕様の下足箱は、男女に分かれ、左右 の入口側の壁にある。

扉は開け放たれている。マップには「番台」とあるけど、高さはなくボックス状のもので、下町風 の洒脱な感じの女将さんが入っている。

あまり時間もないので、プラス550円という新宿区のカルテル価格のサウナはパスする。

脱衣所の広さは3間四方。天井は木目プリントの合板を張って、鉋の削り跡を残した桟を左右に1 本だけ渡したプアーなもの。しかし、伝統的銭湯そのままの高さがある。元々はどんなエントラン スだったのだろうかと思いを馳せる。

ロッカーは、片側だけの島ロッカーが横置きに1つと、外壁側にSakura2錠のものがある。

その他、TANAKAのアナログ体重計、本間建設とある黒柱時計、2台の新型マッサージ機など。ビー ルの入った冷蔵庫もある。

浴室の広さは、幅3間、奥3間半ほど。天井は見るからに古そうな木板が張られた2段型の天井。 伝統的銭湯ならではの広い空間。しかし、横の窓も上の窓もすぐ隣は建物の壁。どことなく穴蔵の ような浴室だ。

同湯のサウナは小さくはなさそうだけど、すべてが浴室内に設置されている。

島カランは1列で、カラン数はセンターから4・5・5・3。床のタイルは星形模様でパール色に鈍く 光るもの。 浴槽は奥壁に接して4槽。センターから、気泡の深槽、水枕付き7点座ジェット×2、1人用のバイ ブラの薬湯、数本の備長炭を直接沈めた水風呂。サウナ付き銭湯として必要最小限の浴槽がコンパ クトに配置されている。 ビジュアルは奥壁にある絵付けタイル絵。絵柄は湖と白くそそり立つヨーロッパアルプスと思われ るもの。笑ってしまうくらい稚拙な絵だ。

土曜日の15:15から16:00に滞在。まだ、一番風呂勢が多く入っている時間帯。脱衣場のテレビで は大相撲観戦しつつ、ご常連同士の世話話。時折、話を向けられて女将さんが話の輪に加わる。そ んな昔懐かしい光景がある。

上がりの一杯は我慢して、一路、高円寺へ。フォトスタジオの看板が残る住宅地の店。あまりビー ルを語るほどに詳しくはないけど、3種類ほどのビールを頂いた。名前は忘れたけど、濁りのある フルーティーな感じの自家醸造のビールが印象に残った。ビールは、地ビールにしても相応の設備 投資が必要と思っていたけど、住宅を改造した店舗で造れるということが驚きだった。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
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