差出人: Masayuki Nakamura
送信日時: 2012年10月25日木曜日 22:17
宛先: sento-freak@yahoogroups.jp
件名: 末広湯(大阪市中央区日本橋)

ナカムラです。

今日(9/26)は、「末広湯(大阪市中央区日本橋)」に行ってきました。日本橋駅(大阪市営地下鉄千日前線)から、0.1キロ、1分くらいです。

相合橋のアーケードの入口近くのホテルに投宿。ホテルに入る時に、路上のコールガールから”オニィサ〜ン、オニィサ〜ン〜”と声が掛かる。”裏なんば”ここはそんな街。ただ、付近には朝風呂に入れる銭湯が何軒かある。

翌朝、6:00a.m.の風呂に向かうためにカメラを首から下げホテルを出る時も、コールガールの管理職の姉さんなのか、常時握っている携帯で”オニイサン、カメラ、キケン、キケン”と、何処かに通報している。

そんな裏なんば一帯を通過すれば、プロ向けの生鮮食品の店々が並ぶ大阪の台所「黒門市場」のアーケードがある。同湯はそのアーケードを抜けた出口にある。古いビル銭湯。生鮮市場関係者のために、朝6時から夜の24時までの、長い営業時間を誇る。

開店直後の朝6時過ぎ。女湯に入って行くのは”夜勤明け”の飲み屋系の人々。男湯は、背中に彫り物を背負う業界筋の方や、角刈りの市場関係者と思しき人々などだ。コンパクトな銭湯だけど、無料のスチームサウナと天然水の水風呂など、銭湯としての基本性能は十分。繁盛しているようだ。

暖簾を入ると靴脱ぎスペースがあって、両サイドにおしどり錠の下足箱と入浴券の自販機。正面は大将が詰めるフロント。雰囲気としては、小さなエントランスにフロントがあるといういきなり感がある。確か、隣湯の風俗街のど真ん中にある「相合温泉」もそんな感じだった。

脱衣所の中に入れば、幅2間強、奥行4間くらいの空間。天井高は2間くらい。ビル自体が、細長いというか薄っぺらい感じの建物なので、脱衣所と浴室の幅は狭い。

ロッカーは外壁側にDENKENのものがズラリと並ぶ。その他、男女境の上のテレビ、デジタル体重計、ビニールレザーの幅広の縁台があるくらい。ただただクロス張りの天井や壁が、タバコのヤニで黄ばんでいるのが印象に残る。

浴室は、幅2間強、奥行4間ほど。天井は高さ2間ほどのM字型で、内側にプラ板が張られている。床のタイルは厚手のグレーで足触りのいいものだ。

島カランはなく、カラン数はセンター側に10基、外壁側に2基、入口方の壁に1基のみ。いずれも石材の湯桶台がある。

浴槽は、外壁側に一直線に並ぶ。関西スタンダードの御影石の踏み込み段が回されている。ラインナップは、奥壁側から、電気、43.5度とやや熱い気泡湯の主浴槽、時間とともに浴槽の中の2色のランプが切り替わる42度位のバイブラ。

さらに、奥壁の川、洋館、白樺、高嶺を描いた洋風の絵柄のモザイクタイル絵の下、1間程くり貫いたような空間に、スチームサウナと「天然の地下水/飲めません」と大書きされた水風呂がある。サウナは、3人入れば一杯だけど、座面に水が流れる設備と、浴室全体を見渡せる明るさがある。スチームサウナ独特の臭いもない。水風呂は黒っぽい色付きのあるやや粘り気のある水で、サウナとの相性がいいものだった。

浴室の出入口にある手作りの散水設備が面白かった。掛湯槽のカランのレバーを下ろすと足下のいくつか穴が開いた塩ビ管から水が出て、足下が洗い流されるもの。ありそうだけど初めて遭遇するもの。こんな設備を手作りするくらいだから、設備は古いけど全体的に清潔な銭湯だ。

水曜日の朝、6:15から6:45に滞在。相客は10人ほど。朝の明るい浴室での入浴は、午後の一番風呂とは全く違った雰囲気がある。

商店街のカウンターだけのオープンなうどん屋で朝食を頂く。あまり期待していなかったけど、出汁が美味しいうどんだった。そして、大阪を離れ奈良へ。。。

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ナカムラ (Masayuki Nakamura)
URL: http://www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/ (風呂屋の煙突)
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