差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2006年2月5日日曜日 11:48
宛先: 銭湯ML
件名: 末広湯(横浜市鶴見区本町通)
ナカムラです。
今日(2/3)は、「末広湯(横浜市鶴見区本町通)」に行ってきました。
鶴見小野駅(JR鶴見線)から0.5キロ、6分程度です。
今日は、今年最大級の寒波で、おまけに強風。そこらで自転車が倒れていたりする。
ここら辺は、銭湯密集地帯。途中で、御幸湯の煙突の影も視界に入る。
同湯の前は、去年の3月12日に通っている。定休日だった。ただ、同湯の周辺が、一種濃厚なレトロさを醸し出していたのを記憶している。最近、さる方から、周辺は「鶴見入船」というカフェー街の跡であることを教えられた。
夜に行っても、果たして住宅地に埋もれてしまっている旧女性街が判るかという不安はあるけど、とりあえず再訪して現地を確認したくなった・・・。
訪れると、それらしい所には、小さな稲荷神社があったり、住宅地なのに小さな飲食店が多かったりと、確かに女性街の痕跡が窺がわれた。
毛糸の帽子にマフラー、手袋。完全防備だけど、カメラを持つ手はかじかんできた。避難するように同湯へ飛び込む。脱衣所棟は千鳥破風に黒瓦。その伝統銭湯に小さなフロント部を増築している。
暖簾を潜っての靴脱ぎスペースは小さい。下足は松竹錠。自動ドアを通るとフロントと小さいスペースにテレビとソファがある。冷蔵庫も同湯の規模に似合わない小さなもの。小さい飲料用の冷蔵庫、飲み物以外は入れないでくださいという旨の貼り紙がある。サウナがあるけど、ビール類の販売はないようだ。
古いビニール張りのソファの周りも、使っていない脱衣籠がホコリをかぶっていたりと、やや雑然としていて、おまけにやや暗い。客の対応を含めて、緊張感の無さを感じてしまう。経験から、遊廓跡の銭湯は、どこもいい銭湯が多いんだが・・・。
脱衣所は、3間四方で、天井は鏡板が小さめの平格天井。なかなか立派な材でできている。
かつて、番台前の扉あったであろう部分に、天井から茶色の角材が降りている。撤去された番台を想い、なんかしみじみしてくる。
同湯は、フロントに改装、サウナも増設しているけど、脱衣所スペースを侵食せず文字通り増築されているので、脱衣所は広々している。
だからだろうけど、2つの島ロッカーの間に向かい合わせにベンチを置くという、珍しいレイアウト。
その他、松竹シリンダ錠のロッカー、Keihokuのアナログ体重計、大黒柱には黒柱時計がある。
暗くてよくわからないけど、入口方には広めの庭があり、池がある。ただ、手入れはそれなりのよう。
外壁側にも、幅一間くらいで、スペースがある。そこにあるトイレをお借りしたけど、床は小砂利模様の豆タイル、壁は板張りにペンキ。おそらく、同湯で最もいにしえの姿を残す空間だろう。
浴室は、幅3間、奥行4間。天井は2段型で内側にはプラ板が張られている。島カランは1列で、カラン数は、センターから、5・6・6・5。カランは日の丸扇の刻印のあるもの。
浴室全体的に、清掃が行き届いていない感じを受けてしまう・・・。
浴槽は、センターから薬湯、7点座ジェット×2、赤外線ランプにバイブラ。
焚き出し口が外壁側の背の高さくらいにあって、そこから階段状の水路を湯が下る構造になっている。初めての遭遇。しかし、浴槽スペースをいたずらに狭くしていてイマイチかな。
薬湯から入る。同湯では、草津の湯を期待してたけど、薬湯はラベンダー・カモミールという青い薬湯。浴槽上のカランが硫黄でボロボロだったから、草津の湯の花を使っているようだけど、毎日ではないのかな。
熱い湯ではないんだろうけど、手足がかじかんでいるから、熱いと感じるだけで温度は判らない。
いつも、本当に熱くて火傷したらどおしようと不安になる。
そうこうしてるうちに、単純だけど、凍えた身体が温まって幸せな気分になる。温度は42度くらいなものだろう。
主浴槽の湯には、若干の着色があるので、井戸水を使っているのかも知れない。
時間がないので試さなかったけど、別料金100円で乾式サウナが使える。覗いてみると、4、5人用だけどなかなかよさそうなもの。入口脇には立派な水風呂もある。このサウナ室と水風呂は、敷地に余裕があるので、外壁の外に純粋に増築している。珍しいことだ。例によって、常連客は使っていないけど・・・。
ビジュアルは、浴槽上に新しいタイプの絵付けタイル絵。浴槽のすぐ上から高さ2間にも及ぶ大きなもの。絵柄は、湖の奥に、ディズニーランドのシンデレラ城のような城が大きく描かれている。なかなかいい絵だけど、やはり、清掃が行き届いていない感じがある。立派な絵なので、たまには磨いた方がいい。
男女境にはクラシックカーと女性を描いた既成品のタイル絵。数枚組みの大きさのものと、初めて、1枚物の小さいものに遭遇する。
21:10から21:50に滞在。相客は10人くらいとまずまず。
よさ気なサウナと水風呂があるので、ゆっくり滞在すれば印象も変るかも知れないけど。基本的な清掃という部分、恐らく一番きつい部分なんだろうけど、少し弱いかなという感じだった。
念のため確認するけど、やはりビールはなし。早々に退散する。
出ると、すぐ傍らに雰囲気のある中華屋がある。人も入っている。
ビールと餃子が頭をよぎるけど、今日は猛烈に寒い。鶴見駅までは、1.2キロくらい。おまけに、寒風がきついだろう鶴見川を渡らなければならない。
ぐっとこらえて、近くのバス停から鶴見駅行きの最終バスに乗った。
鶴見駅 |
鶴見小野駅 |
鶴見区本町通(ほんちょうどおり) [昭和16年4月1日設置] 町名の由来 |